笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

オードリー若林正恭は熱くてヤバい男

もはや人見知りではない。オードリーの若林正恭は、自身のラジオ番組でこのような主旨の発言を時々しています。つまり「アメトーーク」の人見知り芸人で活躍していた頃の自分は、もういないと言うのです。オードリーが定期的に主催している「ネタライブ」で…

内村光良の優しさの半分は南原清隆でできている

前回は「ウッチャンナンチャンの南原清隆による若手育成方法」について書きました。若手への接し方が相方とは対照的だったので、内村光良が「優しさ」ならば南原清隆は「厳しさ」だと表現しました。ウンナンは車の両輪のごとく役割を分担しながら、若手たち…

南原プロデュース

ウッチャンナンチャンの内村光良は、数多くの若手芸人をブレイクさせてきました。代表的な例を挙げると、「気分は上々」で改名した海砂利水魚(くりぃむしちゅー)とバカルディ(さまぁ~ず)、「内村プロデュース」に出ていた有吉弘行、さらには「世界の果…

「夢で逢えたら」で圧倒的な才能の差を見せつけられて絶望した野沢直子

野沢直子が「しくじり先生」で、あの伝説のコント番組「夢で逢えたら」を降板した真相について語っていました。「夢で逢えたら」は、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子の6人によるお笑いユニット番組です。1988年から1991年までの3…

松本人志と太田光が抱く「天才」のイメージ

「破綻のない天才」を目指したい。雑誌のインタビューで、そう答えていたダウンタウンの松本人志。これは「破綻したら天才」というイメージに従って天才ぶることへの拒否反応を示した言葉で、いかにも彼らしい発想だと思います。 ダウンタウン松本人志「破綻…

時代の空気をつかんで大ヒットを飛ばした尾崎紀世彦「また逢う日まで」と東京ロマンチカ「小樽のひとよ」

尾崎紀世彦「また逢う日まで」と、東京ロマンチカ「小樽のひとよ」。このふたつの曲には共通点があります。それは元となる曲が存在し、その曲の歌詞を書き直して発売されたという点です。つまり歌詞を書き直したことで時代の空気をつかみ、国民的ヒットソン…

弱ったときに助けてくれるのは余裕がある人ではなく、同じ状況にいる人

前回は「負け顔を見せることの大切さ」について書きました。負け顔を見せていれば、「自分の弱さがどうしようもなく大きくなったときに、誰かが近くに寄り添ってくれるんです、助けてくれるんです」と。でも疑問があります。その「誰か」とは、一体どんな人…

負け顔を見せることの大切さを「しくじり先生」から学んだ

「人から信頼されたいなら負け顔を見せなさい」。これはバラエティ番組「しくじり先生」から学んだ教訓です。もしかしたら最も感銘を受けた教訓かもしれません。なぜならファッションデザイナーのドン小西、実業家の堀江貴文、メンタリストのDaiGo、この番組…

「人志松本のすべらない話」で結果を残すには最後にオチをつけることが重要

「人志松本のすべらない話」で求められるものとは何でしょうか?もちろん「すべらない話」という武器です。しかし、それだけでは足りません。ダウンタウンの松本人志が座長であることを理解した上で、戦う必要があります。とりわけ吉本所属ではない関東の芸…

星野源「幸福でありながらもハングリーな表現ができる人が本物」

「書き果てて死ぬ、みたいな小説家としての人生に憧れる?」。 この問いかけに、朝井リョウさんは憧れないと答えました。即答でした。 朝井リョウ「幸福と創作は両立する」 2017年1月2日放送「文筆系トークバラエティ ご本、出しときますね?」(BSジャパン…

松尾諭のデビューのきっかけは青山でモデル事務所にスカウトされて

2016年の夏といえば、やはり映画『シン・ゴジラ』でしょう。私は映画館で3回も観ました。いや、3回しか観てないと言うべきか。とにかくその基準が分からなくなってしまうぐらい、夢中にさせてくれる特撮映画でした。総勢328名のキャスト陣。この中から一番好…

お笑いで思いっきりスベると世界が広がる

サウナの本質は水風呂にある。 そう主張するのは、ヒャダインさん。ももいろクローバーZをはじめとする女性アイドルの楽曲を数多く手掛けてきた音楽プロデューサーです。 サウナの水風呂を耐えた先に広がる世界 2016年7月9日放送「久保みねヒャダこじらせナ…

オードリーとバイきんぐの売れるまでの過程における共通点

オードリーとバイきんぐの売れるまでの過程を追っていくと、いくつか共通点が見つかります。そしてその共通点から、彼らがテレビで活躍し続けている理由が浮かび上がってくるのではないか。そう思ったわけです。まず誰もが分かる共通点として、売れるきっか…

バイきんぐのコンビ結成はドラマティック

「チックじゃない、そんなもんじゃない、ドラマティック」。 バイきんぐ西村瑞樹は、相方である小峠英二との出会いを「ドラマティック」と表現しました。 オードリー春日とバイきんぐ西村はキャンプ仲間 2016年4月23日放送「オードリーのオールナイトニッポ…

テツandトモの心の師匠は立川談志

「なんでだろう~」で一世を風靡したお笑いコンビ、テツandトモ。赤いジャージを着たテツが舞台狭しと動き回る。それに合わせて、青いジャージのトモがアコースティックギターをかき鳴らす。日常のふとした疑問を並べたて、最後は2人そろって「なんでだろう…

ビートたけしが無法松にした粋な計らい

「もう完全にそいつの運」。ビートたけしは、迷うことなく答えました。弟子にする条件を問われた際に。 7か月間出待ちして、たけし軍団に入った水道橋博士 2014年8月28日放送「大谷ノブ彦キキマス!」(ニッポン放送) パーソナリティはダイノジ大谷ノブ彦。…

細胞は空気を読む

「年をとると1年が短く感じる」。よく耳にするフレーズです。そして、このフレーズを口にすると次のような説明が待っています。1年を人生における割合で考える。10歳にとっての1年は人生の10分の1(10%)を占めるけど、50歳になったらそれが50分の1(2%)…

『1989年のテレビっ子』を読んでSMAP中居正広のプロ意識について考える

「仕切れ!」。戸部田誠(てれびのスキマ)著『1989年のテレビっ子』(双葉社)から引用した言葉です。どういう状況で、誰が誰に向けた言葉なのか? 続きを確認します。 レジェンドたちが居並ぶ『いいとも』「グランドフィナーレ」のステージでプロデューサ…

THE ALFEEが持つ大衆性

「お笑いの人たちが、まずボケで出したくなっちゃうグループですね」。これはクイズのヒントです。そしてその答えは、3人組音楽グループのTHE ALFEE(ジ・アルフィー)でした。 芸人はボケのフレーズにTHE ALFEEを使いがち 2014年8月22日放送「ラブレターズ…

オードリー春日俊彰が体現する「受け身のポジティブ」

「国民のおもちゃだから、春日は」。ビキニパンツ姿のオードリー春日俊彰は、鍛え抜かれた肉体を黒光りさせながらこう答えました。 オードリー春日「やりたいことは一切ない」 2015年7月21日放送「スッキリ!!」(日本テレビ) 司会は加藤浩次。「オードリー…

小説でいろんな自由が許されるのは読んでいる人が少ないから

又吉直樹と羽田圭介。今年7月に芥川賞を受賞した2人は、間違いなく2015年を代表する人物でしょう。最初は又吉フィーバーの影に隠れて「又吉じゃないほう」なんて呼ばれたりした羽田さんも、明け透けなキャラクターが徐々に浸透していき、今ではテレビに引っ…

お笑いプラス何か

「芸人は何か武器がないと生き残れない」。2015年のナインティナイン岡村隆史は、このフレーズを頻繁に使っていました。もしかしたら今後の芸人人生における大きなテーマとして横たわっているのかもしれません。 オードリー春日俊彰+フィンスイミングとボデ…

福山雅治とナインティナイン岡村隆史はイケメン仲間だった

「ましゃを返して~!」福山雅治と吹石一恵の結婚が発表された直後の「オールナイトニッポン」(2015年10月1日放送)で、岡村隆史はこう叫びました。福山さんとはプライベートで付き合う仲だった岡村さん。この日の放送で、出会ってからお互いの部屋を行き来…

不自由さが楽しいマキタスポーツとオードリー若林

マキタスポーツさんは以前、スケボーの面白さに気付いた話をされていました。するとその翌週、オードリー若林さんがゴルフの魅力を知ったと語っていました。面白いことに両者がハマった理由が同じでして、それは「不自由さ」だと言うのです。 いけ好かないと…

爆笑問題・太田光が絶賛した川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』

川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』。私がこの小説に出会ったのは爆笑問題の太田さんがきっかけでした。それから3年が経ち、今度はオードリーの若林さんがきっかけで文庫版を読み直しました。そこで気付いたのは、やっぱりこの物語が好きだということです…

内村Aと内村B

内村光良の魅力とは何でしょうか?私なら「二面性」と答えます。誰からも慕われる柔和なウッチャンと、職人気質で近寄りがたい頑固な内村光良。このふたつのかけ離れた人格が同居しているから、多くの人の心を掴んで離さないのだと考えます。 内村光良の二面…

25年前のマモー・ミモーとヒャダイン

マモー・ミモーが25年ぶりに復活しました。マモー・ミモーとは、フジテレビで放送していたコント番組「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!」(1990年~1993年)で生まれた人気キャラクターです。内村光良(ウッチャン)がマモーを、ちはるがミモーを…

ますだおかだ岡田圭右の取扱説明書を配った男

バラエティ番組を観ていると、「取扱説明書」という概念を耳にすることがあります。例えば、オードリー若林さんの「取扱説明書」を開けば「人見知り」の文字が見つかるでしょう。「アメトーーク」で人見知りキャラが世に広まった(1ページ目に書き込まれた)…

ラジオ好きが持っている「距離感」

ラジオ好きな人には、ある共通点が存在すると思われます。それは「距離感」です。具体的な説明をするために、小説家の朝井リョウさんとDJのRAM RIDER(ラムライダー)さんの例を紹介させて下さい。彼らがラジオ番組のゲストに呼ばれたときの振る舞いを見れば…

バナナマン設楽「コントの人は二度売れなきゃいけない」

賞レースで活躍した勢いを、そのままバラエティ番組で発揮することが難しくなってきました。もはや「お笑いブーム」に頼れる時代ではありません。そもそも競技が違うとも言われます。そんな状況をさらに細かく見ていくと、漫才かコントの違いで難易度がだい…

ピース又吉の小説『火花』を読んでネタ見せについて考える

ピースの又吉直樹が書いた小説『火花』を読みました。ふたりの漫才師が織りなすリアルな芸人物語。「お笑い」というジャンルならではの問いを、終始投げかけられているような感覚を持ちながら最後まで読みました。芸人であれば誰もが通る道「ネタ見せ」。つ…

バナナマンがいなければラーメンズは解散していた

「爆笑オンエアバトル」で人気に火がついて、そこからスターダムにのし上がっていったラーメンズ。メンバーである片桐仁が当時を振り返って、次のように語っていました。「バナナマンがいなかったらラーメンズ解散してました」。 「爆笑オンエアバトル」のお…

つまらない作品を観ることで面白さを見つける力を養う

「失敗から学ぶ」。最近このテーマについて語っているラジオ番組に遭遇しました。しかも2週連続で。 つまらない映画を鑑賞することで面白さの本質を考える 2015年1月20日放送「大谷ノブ彦キキマス!」(ニッポン放送) パーソナリティはダイノジ大谷ノブ彦。…

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がオードリーに与えた影響

「たりふた SUMMER JAM '14 ~山里関節祭り~」で、オードリー若林が披露した「妄想シアター」。現場で観て衝撃を受けました。なぜなら若林さんの才能が爆発していたからです。「2014年のお笑い名場面ベスト1を選べ」と言われたら、このときの体験を挙げてし…

サトミツこと佐藤満春は多彩な才能をもった芸人

有吉「サトミツ、若林の友達のサトミツじゃないか」。有吉弘行が佐藤満春(どきどきキャンプ)のことを「サトミツ」と呼んでいる場面に遭遇すると、私は心躍ります。ある芸人が出川哲朗を真似て、内村光良に向かって「チェン」と呼んだときに感じる喜びに近…

「ネタ帳」という言葉を初めて放送で使ったビートたけし

ベテランの芸人が今もなおトップを走り続けている秘訣。それは、「準備を怠らないこと」ではないでしょうか。 日記からネタ用メモを番組ごとに作っている笑福亭鶴瓶 2005年12月18日放送「笑福亭鶴瓶 日曜日のそれ」(ニッポン放送) パーソナリティは笑福亭…

ビートたけしの分厚さ

11月下旬あたりから、お笑いコンビ解散のニュースをやたらと耳にします。この時期にコンビ解散が相次ぐ原因について、ウーマンラッシュアワー村本さんがラジオで解説していました。結論を先に言ってしまうと、賞レース(今の時期ならば「THE MANZAI」)の結…

お笑いユニット番組「ミレニアムズ」の当て所は誰なのか

お笑いユニット番組を観るときの個人的な楽しみ方として、「当て所は誰なのか探すこと」があります。そういった視点で最近注目しているのが「ミレニアムズ」です。「ミレニアムズ」は、今年の秋にフジテレビで始まったバラエティ番組。2000年にデビューした…

どんな人生を背負った人がその作品を作ったのか

「作品の価値」とは一体どのようにして決まるものなのでしょうか?お笑いの世界なら「ネタの面白さ」と言い換えられるかもしれません。露骨に言ってしまえば、作品の何に対して、客はお金を落としていくのか。 ラーメンズ片桐仁、ロサンゼルスに行く 2014年5…

「キングオブコント」の伝統を守ったラブレターズ

2014年の「キングオブコント」は、シソンヌの優勝で幕を閉じました。TBSが主催するコント日本一を決める大会「キングオブコント」。2008年から始まって今年で7回目となるこの大会は、優勝者だけでなく「8位(最下位)のコント師」にも大きな注目が集まります…

内村光良を「チェン」と呼びたい芸人

出川哲朗は、ウッチャンナンチャンの内村光良を「チェン」というあだ名で呼んでいます。なぜならジャッキー・チェンに似ているからです。 ウッチャンナンチャンと出川哲朗は専門学校の同級生で、そのときから「チェン」 横浜放送映画専門学院(現日本映画大…

内村光良にタモリの影を重ねる三村マサカズ

「内村さん、ホントお世話になります、これからもずっと」。先日の「内村さまぁ~ず」で、さまぁ~ず三村マサカズがこんな発言をしていました。さまぁ~ずと内村光良の付き合いは長いです。始まりは「内村プロデュース」から、と言ってもいいでしょう。そし…

流れ星とワム!に見るコンビの妙

少し前に、漫才師・流れ星のインタビュー記事を読みました。コンビならではと思われる興味深い話が出てきたりして、「コンビの関係性」について改めて考えるきっかけになりました。 流れ星が「THE MANZAI」で披露した漫才「ひじ神様」誕生秘話 流れ星、ネタ…

グレーゾーンを楽しむ姿勢

「キャラを演じているんでしょ?」と切り込み、「実はこういう人だ」と素を暴く。こういった発言で爪痕を残そうとする人が最近のバラエティ番組で増えている。そんな話をよく聞きます。 キャラを暴くのが早すぎる 2014年7月16日放送「山里亮太の不毛な議論」…

ノンフィクション作家・石井光太にとって「書くこと」とは何か?

ノンフィクション作家・石井光太は言います。「書けなくなることが怖い」と。物心ついた頃から作家を目指していたという石井さん。きっかけは、舞台美術家である父親の存在でした。 舞台美術家である父親の影響で作家を目指すようになった 2013年12月26日放…

オードリーがズレ漫才を手に入れるまでの試行錯誤

オードリー春日俊彰のキャッチフレーズが「東洋一のツッコミ」だった時代があります。ただし、周りからそう呼ばれていたわけではありません。タスキに書いて自ら名乗っていたのです。長い下積みによる迷走でした。 2008年の「M-1グランプリ」以降ずっと売れ…

夏になると帰ってくる野沢直子の出演番組で注目してしまうこと

もはや夏の風物詩となっている「野沢直子の出稼ぎ帰国」。今年も、夏を間近に控えた6月にアメリカから帰ってきた野沢さん。これからバラエティ番組で見かける機会が増えるでしょう。野沢さんがゲストの番組を観るときに、私なりの楽しみ方がひとつあります。…

初期の「爆笑オンエアバトル」にあった東西の溝

「大阪芸人は東京がイヤだった」。「爆笑オンエアバトル」の歴史を振り返る番組で、このようにコメントしていた陣内智則さん。それを受けて、ますだおかだ岡田さんも「オンバトの収録だけは気が重かった」と答えています。この2組は初期の「オンバト」で大活…

日本全国を走った男・森脇健児がオススメする福島県の馬刺し

今年の春からニッポン放送で、ダイノジ大谷ノブ彦の新番組が始まりました。その名も「大谷ノブ彦キキマス!」。月曜から木曜までの週4日、午後1時から4時まで放送している昼の帯番組です。「オールナイトニッポン」で1年間、それと並行して「Good Job ニッポ…

ビートたけしから「リアクション芸はコント」だと教わったダチョウ倶楽部

お笑い界が抱える大きな問題に「リアクション芸人の後継者がいない」というものがあります。先駆者のダチョウ倶楽部と出川哲朗が偉大すぎるのか、あるいは若手芸人にとってあえて進むべき道ではないのか分かりませんが、後継者が見つからない状態が続いてい…