笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

テレビとはヤンキーの心を掴むこと

今回は、ダイノジ大谷ノブ彦と水道橋博士が話してた「テレビとヤンキーの関係」について紹介させて下さい。

SMAPのリーダーがヤンキーであることの意味

2008年9月11日配信「ヨシモト∞」(GYAO!)

出演者はダイノジ(大地洋輔・大谷ノブ彦)。

大谷がジャニーズの嵐を熱く語りながら、各グループのリーダーを分析します。

大谷「リーダーっていうと、どっちかっていうと前に出て行く、で、SMAPがやっぱ凄いのは、リーダーがヤンキーだから」
(会場笑)
大谷「これ大事なんです!ヤンキーって、日本の中でものすごい一定の量のね、セールスを持ってるんです」
おおち「おー」
大谷「そうそう、品川(品川庄司)の小説が売れたのも絶対そうですから」
おおち「ヤンキー、あっそうか、なるほどな、どの世代にもヤンキーっているからな」
大谷「絶対いるんです!日本的なもんなんです、これは確実に、それが居ると必ず売れるんです」
おおち「おー」
大谷「B'zだって絶対そうですよ、半分以上絶対ヤンキーが聴いてますよ、浜崎あゆみさんもね、絶対そう」
おおち「そうだよね」
大谷「そう、BOOWYもね、そうなんです、日本の文化的土壌に絶対あるんです、ヤンキーって」
おおち「湘南乃風もそうだもん」
大谷「絶対そうなんです、熱くてちょっとそういうの持ってる人っているんです」

この話を聞いて、ミランカで配信されている「博士も知らないニッポンのウラ」が頭をよぎりました。

世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析 (角川文庫)

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水道橋博士「テレビの面白さっていうのはヤンキーに向けなきゃ駄目」

2007年10月15日配信「博士も知らないニッポンのウラ」(ミランカ)

司会は水道橋博士と宮崎哲弥。
ゲストは岡田斗司夫。

健康やマラソンなど、すぐのめり込む水道橋博士に対して、糸井重里が「なんで本業にのめり込まないのか?」と尋ねたときの話。

博士「要するに、漫才やテレビの仕事のランクアップしていくことに、もっとのめり込めばいいじゃないか?って、確かにそうだよな~って、なんでそこに本気で行かないんだろうと思うと、自分でも不思議だな~と思ってたんですよ、岡田さんも、だってクリエイターとして褒められるのって、至上の喜びじゃないですか?」
岡田「ん~」
博士「監督として褒められるとか」
岡田「ん~、博士はどうやってさっきの問題、納得しているんですか?」
博士「いや、僕結構納得していなかったですね、ず~っと、なんでかな~って思ってたけど、まあ少なくともあの~、テレビ自体は、95パーセントの人に向けてやっているメディアの典型じゃないですか?
岡田「うん」
博士「だからその~、面白さっていうのは、ヤンキーに向けなきゃ駄目なんですよ
岡田「はいはい」
博士「それがもう辛いんですよね」
岡田「はい」
博士「ヤンキーに向けて、自分をこう偽ってやっていかなきゃいけない、ゴールデンタイムのお笑いのタレントっていうのは、ギャグでもなんでもヤンキーに向けて、あの~理解されていかなきゃいけないんだっていう、で、自分の素と違うんですよ、それは」
岡田「はいはい」
博士「そこに合わせるのは、俺は難しいなって自分で思うから、そういう自分で本を書くであるとか、そりゃ~大ブレイクみたいな……」
宮崎「いや、でもそれこそさ~、爆笑問題とか、くりぃむしちゅーとか、こうAタイムでやっているじゃない?それって、なんか腹立たない?」
博士「うーん……だからそこに敵愾心(てきがいしん)だとか、ライバル心を持って何故やらないのかっていうのが、糸井重里さんの質問だと思うんです」
宮崎「そうそうそう、芸人って持つもんでしょ?」
岡田「持つんですよね?」
博士「えーと、持つ人が普通で、芸人に向いていると思うんですよ」
岡田「ヤンキーじゃないから持てないんですね?」
博士「(照れくさそうに)意外に持たないですね」
岡田・宮崎「(妙に納得しながら)あ~」

そして岡田さんグッジョブなのが、水道橋博士の芸人としての生き方をもっと深く掘り下げていきます。

ビートたけしの呪縛から解放される日

岡田「じゃあ、ヤンキーみたいないわゆる、あいつらに任せてられるか、俺やってやるぜ、みたいなものは無いとしても、次は分析的に見て……」
博士「うん、どっちかというと分析、うんうんうん……」
岡田「俺だったらこういうやり方だったら、ゴールデンタイムのバラエティじゃなくて、NHKの教育あたりだったらこういう風に出来るなみたいな、読みはあるんじゃないですか?」
博士「いとうせいこうさんなんか、そういうことやっていると思うんですよ、自分が出来る番組をスタッフを固めて作って、一週間に一回ぐらいならこれをやってもいいって、あとまあ、いろんなメディアでもBSならこういう番組を持つ、それで心の平穏を保ちながらやっているとは思います」
岡田「僕、話聞いていると博士の場合は、そういう風にやって自分の好きな番組で自分が出来ることでやるだけじゃなくて、なんかその95パーセントのところに片足を置いてないと、芸人としてウソなんじゃないか?みたいなもんが、あるんじゃないですか?」
博士「それはありますよ、それはビートたけしの呪縛ってのもあるし、だからその本来自分がやりたいことだけをやっているわけではないし、あの~芸人論みたいなのが染み付いているのはあります」
岡田「はいはいはい」
博士「だから……それも仕方ないですよね」
岡田「その芸人論みたいなものって、いつ外れるんですか?」
博士「うーん……」
岡田「50超えたら外していいですよね?」
博士「多分ね……ってか、あと~、殿が亡くなられたときとかね」
岡田「やっぱそうですよね~、俺もさっきからあっそうだな~って思ったんです」
宮崎「でもね、人生って皮肉なもんでさ~、あ~芸人論が外せるな~っていうときに、芸人としてすごい高く評価されたりするんだよ
岡田「そうか……神様って意地悪ですね」
宮崎「意地悪」

この話から強引にウッチャンナンチャンを見ていくと、ウッチャンはまだヤンキーと戦い続けていて、ナンチャンは水道橋博士に近いんじゃないかなって……うーん、やっぱちょっと強引かな。