笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

FUJIWARA藤本敏史の優しさ

今回は2008年に放送された「ナインティナインのオールナイトニッポン」から、岡村隆史のフリートークをご紹介させて下さい。

トーク内容は、休みの日に笑福亭鶴瓶のライブを見て、その後、吉本の芸人仲間と一緒に食事に行ったという特に変わった出来事があったわけではありません。

でもこの時のトークを今でも覚えているのは、完全プライベートで岡村隆史と内村光良が遭遇したり、FUJIWARAの藤本敏史(通称フジモン)の優しさに触れて感動したりしたからでした。

「鶴瓶噺」の楽屋で岡村隆史と内村光良が遭遇

2008年4月放送「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)

パーソナリティはナインティナイン(岡村隆史・矢部浩之)。

オープニングトークにて。

岡村「こないだ日曜日に、鶴瓶さんの『鶴瓶噺』を」
矢部「はいはい」
岡村「見に行って、神田Dと、元神田ディレクターと一緒に見に行ってきたんですけども」
矢部「そうか、神田さんアレ入ってたね」
岡村「そうなんですよ、ほんで見に行って、まぁ面白かったな~、2時間ひとりでしゃべって」
矢部「うん」
岡村「で、いつも楽屋に行くねんけど、一応もう大人やから、差し入れも持ってかなアカンと思って、行く前に『差し入れ買ってかなアカンから』って言うたら、『差し入れ買うの?』っていうメールが来て、神田Dから」
矢部「ふふっ」
岡村「『いやいや、なんか持っていかへんの?』って言うたら、『僕は持って行かなくていいと思う』っていうメールが来て」
矢部「ほぉ」
岡村「なんちゅう大人やと思って、しゃあないから自分でシャンパン買って持っていたんですけど」

ニッポン放送を辞めて、フジテレビに移った神田D。「ナイナイのANN」のディレクターを辞めてしばらく経つのですが、相変わらずのイジられキャラです。

岡村「で、見て、終わって楽屋に挨拶に行ったら、笑瓶さんいてはって、もう着替えてはったんけど」
矢部「うん」
岡村「『おお、どうやった?』言うて、いつもあの、なんちゅうの? ちょっと大先輩やねんけど、僕軽くダメ出しすんねん、『あそこ噛んでましたね』とか言うて」
矢部「あ~」
岡村「言うと、『お前、なんで今、人が気持ち良くライブ終わってんのに、お前なんでそんなこと言うねん!』」
矢部「へへへっ」
岡村「っていう、ちょっとミニコントがあんねんけど、で、俺言おうと思ってたら」
矢部「うん」
岡村「内村さんとかが『お疲れした~』って来はって」
矢部「なるほど」
岡村「で、芸能人がいっぱい来たから、もう萎縮して何も言われへんかって、『もう帰りますわ』言うて」
矢部「ははははっ」
岡村「何も言わんと、ふふっ、帰ってきたんですけど」
矢部「コント出来ず」
岡村「コント出来ず、言いたいことはもう考えて、これ言おう思っててんけど、それも言えず、ほんで~、まあまあしゃあないな~思って」

ウッチャンと岡村さん、どちらも自ら進んで声を掛ける姿がどうにも想像できません。

意外とフットワークの軽い小島よしお

岡村「で、その後、今田さんとフジモンとかと一緒にご飯食べに行って、吉本の若手の子もいたんですけど」
矢部「うん」
岡村「なぜか小島よしおもそこにおって、吉本のなかに1人だけサンミュージックが入ってたんですけども
矢部「フットワーク軽いからね、小島よしおは」
岡村「フットワーク軽いから、うん、ただやっぱりその~、吉本のノリにやっぱなかなかついて行けないみたいで
矢部「ははははっ」
岡村「結構黙ってこう、静かに飲んでたんですけど」

小島よしおがブレイクしたのが2007年です。だから単純にそういう世界に慣れていないだけだったのかもしれません。

中目黒で南海キャンディーズしずちゃんと遭遇

岡村「でまあ、ご飯食べて、その後『もう1件行こうか』言うて、ちょっとバー、中目黒やってん、中目黒でご飯食べてて」
矢部「はい」
岡村「で、『中目黒のバー、ちょっと行こうか』って、ふわ~と歩いてたんですよ」
矢部「うん」
岡村「ほんだら、もう閉店間際のブックオフですよ、中目黒の」
矢部「ほぉ」
岡村「ふわ!っとなんかものすごいデカイ、ハンチング帽かぶった女の人が出てきたんですよ」
矢部「うん」
岡村「よ~く顔見たら、ハンチング帽深めにかぶって、ふわ~と出てきたんですよ、明らかにデカい!」
矢部「うん」
岡村「誰かが、『しずちゃんちゃうか?』って、南海キャンディーズの」
矢部「かなりおっきいね」
岡村「デカいねや、ほんで『ええ!』言うて、1回戻って顔確認しに行ったら、ホンマにしずちゃんやってん」
矢部「ははははっ、1人で」
岡村「もう閉店ギリギリ、しずちゃんがもう最後のお客さんで、もう閉まるときやって」

しずちゃんは変装しても、体の大きさですぐにバレちゃうんでしょうね。

岡村「『何してんの?』言うたら、『いやちょっと今、友達と……DVD買ってたんです』言うて」
矢部「うん」
岡村「『あっ、そう』言うて、しずちゃんビックリして、も、芸人さんいっぱいおるから」
矢部「いっぱいやから、うん」
岡村「で、なんやろな? なんかオモロかったからちょっとみんなで写メ出して、ブックオフから出てきたしずちゃんを写メで撮っててんけど」
矢部「ふふふっ」
岡村「で、『何買ったん?』言うたら、『いや、もう恥ずかしいからいいです』って言うから、でも、『なんのCD買ったん?』って」
矢部「うん」
岡村「『DVD買ったんです』って言うから、『なんのDVDやねんな、ちょっと見せて~』って見たら」
矢部「うん」
岡村「『あしたのジョー』全巻と、『ミリオンダラー・ベイビー』やってん
(スタジオ笑)
岡村「ボクシングの、どっちもボクシングで」
矢部「くふふっ」
岡村「『しずちゃん、これ、どこに向かってんの?』言うて、女の子ですよ、女の子がどっちも『あしたのジョー』全巻と『ミリオンダラー・ベイビー』ですよ、どっちもボクシング」
矢部「なんやろなぁ、なんかあったんかな?」
岡村「なんかあったんちゃうかな、モヤモヤしてんちゃうかな?」

しずちゃんのこの謎のチョイスは、その後のリスナーからのメールで理由が明らかになります。

岡村「なんか多分、しずちゃんも溜まってんねやと思う、もうほんでパッと顔見たら、かわいそうやけどブツブツいっぱい出来てたもん、多分ストレスやと思う、しずちゃん」
矢部「バランスね、ホルモンバランス」
岡村「ホルモンバランスがちょっとおかしなって、出んねんと思うねんな」
矢部「ほんでボクシングやからな~」

そしてしずちゃんも合流して、中目黒のバーに入店したお笑い芸人御一行様。

『あしたのジョー』と梶原一騎の奇跡 (朝日文庫)

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FUJIWARA藤本敏史(フジモン)という人間

岡村「そやねん、ほんで、でも偉いねんけどこう、(しずちゃんに)『写メ撮らせて下さい』ってちょっとボケて、『あっ、こっちもちょっといただけますか?』言うて、写メとか撮っててんけど
矢部「うん」
岡村「それを後でみんなで見ててんけど、フジモンが『しずちゃん、かわいそうやったわ~、顔……すごいなんかボコッと、できもん出来てて』って言うて」
矢部「うん」
岡村「で、帽子取ってん、しずちゃんが、なんか失礼やと思って
矢部「なるほど」
岡村「先輩ばっかりやから」
矢部「そやな」
岡村「『写メ撮らせて』って言うたら、帽子取ってんけど、なんかフジモンが……フジモンそういうとこ紳士や、優しいねん、顔にブツブツ出来てるから、『かぶっとき』って言うて
矢部「お~」
岡村「フジモンが、帽子取ってんねんけど、フジモンがこう優しさで帽子かぶせてん、それを後からフジモンが言うてて、『顔にな~、できもん出来てたからな~、俺』」
矢部「ふふふっ」
岡村「『帽子取って写真撮って偉いな~と思っててんけど、かわいそうやったから、そんな写真みんなで撮ってんの、だから帽子かぶりぃ!って言ってあげてん』って言って」
矢部「うん」
岡村「『うわっ、フジモン優しいな~』言って、俺らそんなん関係なしでバンバン写真撮ってたから」
矢部「まあ、女の子やからな」
岡村「やっぱ女の子やから、その~なんか『できもん出来てんのとか、見せたくないんちゃうか』って言うて、フジモンが後で言うててんけど」
矢部「う~ん、まあそりゃそうやろうな」

トーク後のCM明け、リスナーからメールが届きます。しずちゃんは、今度NHKでボクシングのドラマをやるといった内容。それ故、あのチョイスだったことが判明。

岡村「そうなんや、てっきりなんかもう……ストレスやと思ってたら」
矢部「へへへっ」
岡村「ドラマやってんな~」
矢部「ちゃんと仕事で」
岡村「すごいな~、ちゃんと」
矢部「うん」
岡村「でもアレやな、すごいな~、お笑いでありながらこうやって女優の道も、しずちゃん」
矢部「そうやね」

フジモンこそが正真正銘のイケメンだと私は思います。

この話が頭にあったので、木下優樹菜さんと交際発覚、そして結婚というニュースを聞いても驚きは無く、「良い人つかまえたね、ユッキーナ!」的な感想を自然と持ったものです。