笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

苦労を共にして成長してきた小栗旬と山田孝之

ナインティナインのオールナイトニッポンに岡村隆史と矢部浩之の2人が揃っている。15年以上も当たり前だった光景がまた戻ってきた。素直に嬉しいです。
そのためなんでしょうか、過去の放送を懐かしむ時間が以前よりも増えたような気がします。今回はナイナイのANNから、私の記憶に色濃く残っている「ちょっとヒヒ話」をご紹介させて下さい。

小栗旬 Next Stage

小栗旬 Next Stage

小栗旬宅へ遊びに行く岡村隆史

2008年11月放送の「ナイナイのANN」。

小栗旬から長い間借りっ放しだった漫画「クローズ」、これをついに返すことにした岡村隆史。重い腰を上げて連絡を入れます。
その前にちょっとだけ補足。ナイナイ岡村さんと俳優の小栗旬さんは一緒にプライベートを過ごすほど仲が良く、当時はどちらもオールナイトニッポンのパーソナリティであったため、お互いがそのときの様子を話してくれることがしばしばありました。

岡村「え〜、昨日かな?昨日、小栗くんのオールナイトニッポンで、チラッと『岡村さんとご飯食べました』みたいなことを、小栗くんがラジオで言うてくれてたみたいなんですけども」
矢部「うん」
岡村「え〜、そうなんです、オグリンとはもう・・・」
矢部「オグリン?」
岡村「オグリンって呼んでるんですけど」
矢部「う〜ん」
岡村「オグリンとはもう、お友達なんですけど、あの〜、アレ借りてたじゃないですか、『クローズ』」
矢部「はいはい」
岡村「『クローズ』返せへん宣言、ずっとしてたんですけど、『クローズ』全巻ちょっと借りてたもんですから」
矢部「うん」
岡村「それももう返さな、返さなと思ってて、で、ちょうど山田孝之くん」
矢部「うん」
岡村「山田孝之くんが、あの〜、『家に来てるんで、よかったらどうですか?』って言われて、で、ヤ〜マダ(ドカベン岩城風)も仕事何回かしてるから」
矢部「うん」
岡村「『ほんなら、行くわ』言うて、焼酎一升瓶持って、で〜、『クローズ』がまた重かってん、めっちゃ」
矢部「ふっふっふっふっ」

そんなこんなで小栗旬宅に到着。

山田孝之も遊びに来ていた

岡村「小栗旬、山田孝之、ほんでもう1人、初めて会うたんやけど、もう1人役者の子と(その後のコーナーで綾野剛さんと判明)」
矢部「うん」
岡村「居てて、で、とりあえず『本ありがとうね〜』言うて、本返して、ちょうどたこ焼きパーティーしてたみたいで、ふふっ」
矢部「ふっふっふっ、おおっ、おおっ」
岡村「たこ焼き山ほど置いてあって」
矢部「楽しそうやね」
岡村「もうご飯食べた後やったから、『もうええわ、ご飯は、たこ焼きはもうええわ』言うて、言っててんけど、やっぱその〜、みんなほら・・・、言うたらなんちゅうの?役者の中でも若手ではもうね、実力派俳優やんかいな」
矢部「売れっ子やな、うん」
岡村「そこのお笑いポーンって1人入ってるからやな〜、大変よ」
矢部「ふっふっふっふっ、どういう意味で?」
岡村「えっ?やっぱ畑が違うからさ」
矢部「話合わすのが?」
岡村「合わすというか、もうだって行ったらさ、ドーンとでかいテレビに、劇団新感線のお芝居流れてるわけ」
(作家の小西さん笑)
矢部「なるほど」
岡村「で、俺も見たことないから」
矢部「そうか、芝居談義になるわけや」
岡村「もうやっぱその芝居を、見ながらちょっとこうお酒飲むみたいな」
矢部「あ〜、そうか」
岡村「感じなわけですよ」
矢部「うん」
岡村「で、劇団新感線もちろん知ってるけど、ちゃんと作品見たこともないし、それをもうみんな、ふわ〜っと見ているわけですよ」

芝居論に必死に食らい付いていく岡村隆史。

山田孝之とおなじみのミニコントをする岡村隆史

矢部「その岡村さんには引っかからへんの?みんな」
岡村「引っかからない、リスペクトはやっぱあるから」
矢部「うっふっふっふっ、岡村隆史に」
岡村「岡村隆史に対してリスペクトしてくれてるから、小栗くんも、山田孝之も」
矢部「うん」
岡村「山田孝之くんはもう俺、ずっと『ヤ〜マダ』って言うてるから」
矢部「うんうん」
岡村「ほんでなんかコントじゃないねんけど、いつも会うとやるこう二の腕をグワーって触って、『ええ体してんな〜』ていう」
矢部「うん、ふふっ」
岡村「ほんで、『やめてください』っていうコントがあんねんけど、それをずっと、ふふっ、永遠にやるから〜」
矢部「うん」
岡村「最後のほう、めっちゃイヤそうな顔してる」
矢部「きゃっはっはっはっ」
岡村「『もういいじゃないですか、しつこいですよ』って」
矢部「はっはっはっはっ」
岡村「『ごめん、ごめん』みたいな」
矢部「ふっふっふっ、笑えるラインは違うわな、やっぱり役者さんは」

そんなお茶目なことしつつ、お互いがちゃんとリスペクトし合っていると語る岡村隆史。

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オーディションに落ち続けていた時代

岡村「話聞いてたらみんなすごいよね、今でこそ山田孝之くんとかさ、小栗くんとかもう〜すごいけど」
矢部「うん」
岡村「やっぱ昔は全部オーディションやねんて」
矢部「あ〜、そうか」
岡村「オーディション受けて、オーディションに受かれへんかってんて、山田孝之も」
矢部「うんうん」
岡村「小栗旬も、だからあのへんの年代っていうのはみんなその〜、今でこそ第一線に居てるけど、みんな知ってんねんて」
矢部「あ〜なるほど、オーディション時代も」
岡村「あの、何も出てないときから、オーディションでよ〜会うな〜とか」
矢部「うんうん」
岡村「ほんでようやくそうやって、『クローズ』とかで、あんとき落ちた、落ちた2人がこうやって主役みたいな張ってるっていうのが、またちょっと美談なわけですよ」
矢部「あ〜、いいよね、そういうのは」

今の活躍から考えると、オーディションに落ち続ける姿はなかなか想像できないのですが、そういった経験があるからこそ彼らは強いのでしょう。

岡村「だって小栗旬くんなんか、『バトル・ロワイヤル』あったでしょ?映画」
矢部「あ〜、あった」
岡村「あれ、オーディションで落とされてんねん」
矢部「へぇ〜」
岡村「山田孝之くんもおったんかな?何回もオーディションで一緒になってるって言ってた」
矢部「その世代や」
岡村「そうやねん、ほんであの小栗旬がオーディション受けて、『君はもう、時代劇っぽいね』とか言うて、スコーンと落とされてんねん」
矢部「うん」
岡村「それが行く行くは、あの2人が出会って『クローズ』とかにたどり着くわけよ、サクセスストーリー」
矢部「いいやんか」
岡村「すごいよ、だから話聞いてたら、わ〜すごいな〜とか思うもん、で、お互いをちゃんと尊敬し合ってるわけ、あの年代は」
矢部「いいね、それやっぱり、短い長いあるけど、苦労した時代が・・・」
岡村「あんねん」

苦労した時期を経て、映画「クローズZERO」で再会する2人。まさにドラマのよう。しかしこの後、もっとドラマのような話が。

吉祥寺で偶然出会う小栗旬と山田孝之

岡村「初めて会った・・・、あの、なんちゅうの?プライベートで会ったときも」
矢部「うん」
岡村「なんかあれやねんって、吉祥寺かどっかで、2人がすれ違うねんって、吉祥寺の駅で偶然、山田孝之と小栗旬が」
矢部「めっちゃ・・・、ドラマみたいじゃないですか」
岡村「で、お互い思うねんて、『あっ、小栗旬や』って、山田孝之がパッと見たときに『あっ、小栗旬や』と思うねんて」
矢部「うん」
岡村「小栗旬は小栗旬で、『あっ、山田孝之や』と思って」
矢部「お〜」
岡村「別に挨拶するわけでもなく、スーッとすれ違う」
矢部「おお〜」
岡村「で、山田孝之は『おっ、小栗旬や・・・、背でけぇ〜な』と思ったんやて」
矢部「(かみ締めるように)う〜ん」
岡村「そっから・・・、いろいろあって、『クローズ』で会うわけや・・・」
矢部「お互い気付いてたけど、話しかけなかった」
岡村「話しかけなかったっていう」
矢部「うん」
岡村「そういうの聞きながら、こう酒飲んでるわけよ、焼酎」
矢部「(じっくり今の話を味わうように)う〜ん」
岡村「いやでもね〜、ホンマになんちゅうのかな〜、こんなとこに俺おってええのかな?って思うぐらい」
矢部「へっへっへっへっ、いやまあ、ええんちゃう?」
岡村「スマートやねんや〜、オットコ前やで〜、やっぱり小栗旬とか」
矢部「無害なんちゃう?逆に、岡村さん」
岡村「なんやろな?ま、まあ、そうやろうな」
矢部「年代もちゃうし、畑も違うから多分、言い易かったりもするんちゃう?」
岡村「そうやな」

お互いが認識しながらも言葉を交わさずにすれ違う。このときお互いの見つめる視線から流れるは、相手を認める尊敬の念、お前には負けないぞというライバル意識、この両方ともが存在していたような気がしてなりません。お笑いコンビの相方同士の関係を見ているようでもありましたね。^^;
岡村さんが語る小栗旬さんと山田孝之さんの関係は、本当にドラマのようでした。

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