笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

島田紳助って何だ?

ナンチャンが司会していた「ナンだ!?」風にしてみましたが、今話題沸騰中の「島田紳助 オールスター感謝祭 激怒事件」について私も少しだけ。実際に番組を見ていなくて、ネット情報からこの話を知りました。そんな状態なので事件そのものの分析や推測は他の方にまかせて、私が島田紳助をテレビで見てきた印象を。

自己プロデュース力 (ヨシモトブックス)

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「青春!島田学校」で島田紳助は良きアニキ

私が島田紳助を初めて認識した番組は、TBSの深夜放送されていた「青春!島田学校」でした。
夢を持った一般人が生徒として集まり、ログハウス作り等の共同作業を通じて何かを得ようとする。簡単に言うと、そんな内容です。

一般人に加えて、若手お笑い芸人のTEAM-O(山崎邦正のコンビ時代)や、アイドル全盛期の西田ひかる、島崎和歌子、中條かな子も生徒として在籍していました。あっ、のちにボクシング世界チャンピオンとなる鬼塚勝也も忘れてはいけません。「オールスター感謝祭」の司会に、島崎和歌子が抜擢されたのもこの番組の流れからだろう、とすぐに納得しました。

当時は「全国高等学校クイズ選手権」の事前番組の司会もしていて、夢見る若い世代を励ます良きアニキ。それが、私が受け取った最初の島田紳助像でした。

鈴鹿8耐密着ドキュメントで崩れ落ちる島田紳助像

毎週、「青春!島田学校」を楽しく見ていた少年時代。島田紳助が「鈴鹿8時間耐久レース」に挑戦したことがありました。

で、その密着ドキュメント番組でのヒトコマで、私の島田紳助像が一気に崩れ落ちます。レース中、プールの監視員が座る位置が高い椅子、あるいはテニスの審判員が座る椅子といった方がピンと来るでしょうか?そんな感じの椅子に座ってタイムを計測していた若い女性。その彼女がタイム計測であるミスを犯してしまい、謝りながら泣いてしまいます。

そのミスが耳に入った島田紳助。幼心に反省もしているので慰めたりするのかと思いきや!泣き崩れている彼女の椅子をガンガン蹴り、「帰れ!」と罵声を浴びせているではありませんか。血の気が引くとはこのことかと。^^;

昔のことなので記憶は曖昧ですが、この蹴りのシーンだけは今でもはっきり残っています。
監督の島田紳助がミスに対して怒るは当然ですし、真剣だからこそです。それよりも椅子が倒れそうな勢いで蹴りが入る度、泣き崩れる彼女の体が揺れる、周りのスタッフはただ見つめるだけ、その情景が強烈すぎて、私の心にその場面だけ強く刻み込まれました。
で、レース後には号泣している島田紳助。この人の本質は一体どこにあるんだ?と、当時感じたモヤモヤ感は、今思うとそんなところだったのではないでしょうか。

そのような特殊な島田紳助体験をした私にとっては、「オールスター感謝祭」で言われていることが仮にあったとしても別に不思議じゃないかな?っていう感覚です。
しかし、アニキって言われる人には蹴りが欠かせないモノなのでしょうか。

風よ、鈴鹿へ (小学館ライブラリー)

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