笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

俺達のプロレスオールスター戦を見てリングの魂を見返す

リングの魂が復活したような感覚

先週のアメトーーク「俺達のプロレスオールスター戦」、食い入るように見てしまいました。番組の最後に「もうおしまいか〜」と嘆いてたら延長戦の予告が。胸踊りました。こんな体験、アメトーークでは久しぶりかも。
見終わった後には、以前やってたナンチャン司会の「リングの魂」がなんか復活したような気持ち。アメトーークを担当している加地さんは、リングの魂も担当していたからある意味納得なんですが、ただふたつの番組で異なるのは、ジャンボ鶴田のモノマネ担当が、リングの魂ならビビる大木だけどアメトーークなら博多大吉、ってところでしょうか。^^;

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お笑いというフィルターを通して見るプロレス

私は、プロレスをほとんど消費してきませんでした。リングの魂にしろ、今回のアメトーークにしろ、お笑い芸人を通して語られるプロレスしかないんです。でもそうやっていざプロレスの世界を覗いて見ると、何か惹かれるものが必ずあるんですよね。
橋本真也に対する思い入れも勝俣州和に語られて生まれたもので、「ナンだ!?」でも勝俣は橋本真也の試合を紹介していました。前後に本人と交わした会話も入れつつ熱く語るカッチャン、その姿に影響されて、私の中に橋本真也という人間への愛着が芽生えたのでした。

10.11 橋本vs小川 南原&勝俣 観戦記

アメトーークを見た後、リングの魂で密着した4回目の対戦「1999.10.11 橋本vs小川 東京ドーム」を見返していました。
ウリナリを抜け出して、タクシーを拾って東京ドームへ向かってる車中で

南原「なんだよ、カッチャン、ウリナリは?」
勝俣「ナンチャンがいなきゃ出来ないって言い出したから」
南原「あっはっはっ、嘘つけ」
勝俣「じゃあ、俺がナンチャン連れて帰るって言って(抜け出した)」
南原「あっはっはっはっ、じゃあ全然帰れないじゃねえか」
勝俣「いや、いいんだよ、9時ぐらいに帰ればいいと思うんだよね」
南原「そう」
勝俣「(橋本と)電話通じたよ〜」
南原「ウソッ!」
勝俣「通じた、夜に」
南原「で、何だって?」
勝俣「で、ナンチャンと言ってて、多分あの〜、ナーバスになってて、ひとりでホテルに部屋に閉じこもったりしてるんじゃないかって言ってたけど」
南原「うん」
勝俣「落ち着いてたよ、意外と」
南原「どこに居たの?」
勝俣「それはねえ、教えてくれなかった」
南原「うんうんうん、声は落ち着いてたの?」
勝俣「『おぉ、カッチャン』とか言って、『どぉ?』ってこっちが気遣ってしゃべってたら〜」
南原「うん」
勝俣「意外ともう『対策ができているから大丈夫』って」
南原「あっそう」
勝俣「で、リン魂(緊急企画 徹底討論 10.11 橋本vs小川)も見たって言ってたよ」
南原「おお!何だって?」
勝俣「『ありがとう〜』て言ってたよ」
南原「はっはっはっはっ、喜んでたのかな〜」
勝俣「喜んでいたと思うよ」

ナンチャンが小川有利って声が多いと言い、カッチャンはなんとか勝って欲しいと願いながら東京ドームへ。そして第9試合の武藤vs中西戦の前に到着。
椅子に座るや否や緊張して水を欲するナンチャン。まっすぐリングを見つめるカッチャン。ついに橋本vs小川戦になり、カッチャンは橋本から受け取った白のハチマキをして気合を入れます。ナンチャンはずっとドキドキしっぱなし。

試合は小川が圧倒。倒されても倒されても立ち上がる橋本、それを見かねたアントニオ猪木がリングに上がり試合を止めます。結果、小川のTKO勝ち。「ありがとうございました」とお礼を言う橋本、涙で橋本を抱きしめる猪木、それを茫然自失で見つめるだけの勝俣。

心にポッカリ穴が開いた

試合後、プライベートで観戦していた春一番、三又忠久、神無月と合流して居酒屋で語り合う。

南原「まあ、俺の心境を言うと、心にポッカリ穴が開いた」
勝俣「あぁ」
南原「なんで負けたのか分からなかったの、負けた直後は、ドーム居た頃は、なんだろうってよくよく考えると、技と技がかかるとき、先に仕掛けた方、だから結局スピードだよね、次から次へ行くスピード、それでプロレスはとりあえず相手の技を受けてみるっていう」
三又「はい」
南原「橋本に染み付いたプロレスと、小川に染み付いた先に仕掛ける柔道・・・、その差だけだと思うんだけど、じゃあ今後それを埋めてもらって、で、橋本はもっとスピードで行けって言う、でもそれは違うじゃない」
勝俣「プロレスラーの橋本としてはマイナスなんだよね、うん」
南原「一発でバーンと蹴ったら、バコーンって飛ぶようなところが見たい、の方がいいじゃない」
三又「そうですね」
南原「もう1回、体大きくしてもらった方が」
春一番「そうですね〜」
南原「だからそのね、穴を埋める誰かが出てきてもらわないと」
春一番「(猪木で)そろそろ私が行きますか」
勝俣「あっはっはっはっ、戻っちゃうじゃない!」
南原「時代戻っちゃうじゃねえかよ〜!」
勝俣「だから絡まなかった方が良かったんじゃないか、っても後の祭りでね」
南原「うん」
勝俣「絡んじゃったんだから、どうケツを拭くのかなんだよね〜」
三又「そうなんです、いい事いう、勝俣さん」
勝俣「あっはっはっはっ」
南原「どうですか、金八っつぁん?」
三又「(金八で)いや〜、わたくしもカッチャンにはね〜、ほんといい事言っていただきましたね、絡んじゃったらこれなんとか結果出していただかないと」
勝俣「そうだよね」
南原「馳さんから見て今日の試合どうだったですか?」
神無月「(馳浩で)はぁっ!はぁっ!はぁっ!橋本、次に期待してるぞ!はぁっ!はぁっ!」
(みんな爆笑)

懐の深さがあるのがプロレス

勝俣「僕はもうねえ、僕達が決めるよりもプロレスラー、新日本、全日本、プロレスの団体たくさんありますよ、そこが答えを出してくれるのを待ちますよ」
(みんな無言で頷く)
勝俣「で、いっぱい今まで感動を貰ったんだから、また次の感動を待ちたいですね、だから僕らもう愛しちゃったんですから、逃げないで付いていくしかないんですよね」
南原「しようがないもんね〜、俺もほんと最初に好きになったのがプロレスだから、そっから格闘技見たくちだから〜」
三又「はいはい」
南原「そこんとこが崩れると非常に・・・、正直つらいよね、今日終わった後にほんとに穴が開いたの、ポッカリと」
春一番「ええ」
南原「ただ、あの冷静になって考えてみると、UWFが新日に帰って来て、そんときに蹴りとか防御が何も出来ないと、ボコボコにされたと」
三又「はい」
南原「で、これじゃいかんと思って、蹴りに対しての防御の仕方とか自分が蹴ったりするのを覚えて、UWFインターが、インターが何年かして帰って来たときに、インターの連中は、いやプロレスはそういうもんだろ、と思って帰って来たら、もうレスラーはそれを吸収してたの」
勝俣「うん」
南原「それに対しての防御の仕方とか、攻撃の仕方が出来てたと、今回はまた新しくプロレスが吸収出来るかどうかの時期に来てて、じゃあ今流行っている格闘技ルール、その〜、今のいろいろ出てきている格闘技、これをどう吸収するか、じゃあマウントに対してはもう出来ますよと、というところに今、入り口に来ていると思うのね」
勝俣「うん」
南原「外敵が来たときに、分かった、それも取り入れようという懐の深さ、っていうのが俺はプロレスだと思うのね」
勝俣「うん」
南原「だから一言で言うと、僕はプロレスを信じています」
勝俣「(大きく納得するように)うん、素晴らしい」
(そこからそれぞれワンショットになり)
三又「そうです、僕も新日本プロレスを信じています」
勝俣「僕もプロレスを愛しています」
春一番「(猪木で)プロレスこそキングオブスポーツです、よろしくお願いします」
(みんな笑いを堪える)
神無月「(馳浩で)プロレス!元気出せよ!」
(みんな爆笑、拍手、そして春一番に火が着く)
春一番「元気があれば何でも出来る!」
南原「また猪木持ってこうとしている」
春一番「行くぞー!1ー!2ー!3ー!ダーッ!!」

プロレスというジャンルが、いい年した大人たちをこんなにも熱くさせて、飲み屋で朝まで語れるものなんだと知りました。多分、私にとってのお笑いみたいなものなんでしょうね。M-1グランプリの決勝進出者が決まった後なんて朝まで語っちゃいそうだもん。^^;

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