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笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ネプチューン原田泰造のおかげでプライドを捨てることができた土田晃之

オアシズ大久保佳代子のブレイク。
2013年のお笑い界の大きな出来事として、最初に浮かんだのがコレでした。他に「笑っていいとも」終了発表とかあるのに。でもそうなってしまうのは、普段聞いているラジオでの大久保さんの発言が、今でも印象に残っているからでしょう。

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大久保佳代子がブレイクした理由は人柄と尻軽

2013年6月14日放送のTOKYO FM「よんぱち 48hours」。ゲストに、オアシズ大久保佳代子。

パーソナリティは放送作家の鈴木おさむ、アシスタントは三浦茉莉(みうらまり)。

鈴木「さあ『よんぱち』、この時間のゲストは大久保さん、ご無沙汰しています」
三浦「よろしくお願いします」
大久保「こんにちは」
鈴木「お元気ですか?」
大久保「まあ元気なんですよね~」
鈴木「そうですか、大久保さん、なんかほら、いろんな雑誌で書かれてるじゃないですか、ゴシップじゃないですよ」
大久保「ドキッとしちゃった」
(スタジオ笑)
鈴木「なんかね、『男は有吉、女は大久保』みたいな感じで」
大久保「ねぇ、なんか今キテるらしいですよ」
(スタジオ笑)
鈴木「どうですか?」
大久保「自分はそんなつもりはないんですけど、周りに『キテるね』ってすごい言われるんですよ」
鈴木「うんうん」
大久保「嫌な感じで」
(スタジオ笑)

大久保さんの場合、ある番組がきっかけで火がついたというブレイクではありませんでした。

鈴木「今のこの火がついた感じって、番組としてきっかけはあるんですか?こないだ考えてたけど、あんまり見当たらなかったんですけど」
大久保「見当たらなかったですか?」
鈴木「うん」
大久保「私ね、見当たるとしたらね・・・」
鈴木「女子アナ、ですか?」
大久保「『女子アナの罰』?いや、去年の、あの~、本当に自分でこの仕事がんばったな、行ったなと思うは『アメトーーク』の下ネタ(大好き)芸人」
鈴木「あはははっ」
大久保「私、そんときハネたなって一瞬思ったのと」
鈴木「うんうん」
大久保「あと、『しゃべくり007』で」
鈴木「数字(視聴率)良かったときね」
大久保「そう、で、なんかこの業界の人って数字良いと、すぐ『持ってるね~』ぐらいのことをさ」
鈴木「そう」

視聴率が良かった番組がたまたま続いただけ、と謙遜する大久保さん。ですが、あえてブレイクした理由を自己分析してもらうと、

大久保「自分が今こうやって、いっぱいいろんなとこで仕事しているひとつの理由、自分でも考えたんですけど」
鈴木「うん」
大久保「人柄だと思ってますもん、ふふっ」
鈴木「あ~、自分の」
大久保「人柄と、あの~言い方悪いですけど、尻軽
鈴木「あ~、いいですね」
大久保「うん、なんでも『いいよ、いいよ、やるやるやる』って言ってた、確かに」
三浦「ほぉ~」
大久保「そしたら仕事が増えてったなっていうのは、ちょっと自分で思いました」

オファーが来た仕事はなんでもやって、地道に芸能界でのポジションを獲得していった大久保さん。それが今年になって、一気に花開いたのでしょうね。

このラジオの一週間後に放送された「サワコの朝」で、土田晃之さんも同じような話をしていたんです。こちらも紹介させて下さい。

「お笑い」が夢から生活のための仕事に変わった土田晃之

2013年6月22日放送の「サワコの朝」。ゲストに、土田晃之。

司会の阿川佐和子さんが、土田さんに率直な疑問をぶつけます。

阿川「ある程度実力をこう蓄えて、それだけの年齢というか位置になると、大抵冠番組を持つとか」
土田「そうですね」
阿川「司会の場所に行くけども、土田さんはそれはあんまり、やりたくないんですか?・・・って噂を聞いたけど」
土田「そうですね」
阿川「やりたいんでしょ?本当は」
土田「いや、この世界入りたての頃はもちろん、自分の番組を持ったりだとか、俺が一番だ、みたいなことを」
阿川「冠番組を持つってことが一番の夢でしょ?」
土田「って思ってたんですけど、僕、25(歳)で結婚したんですね、売れてもいないのに」

まだ若手で売れていない頃に結婚した話を持ち出す土田さん。

土田「で、嫁さんも22歳だったんで、22(歳)と25(歳)で旦那がお笑い芸人だなんて、こんな訳の分かんない」
阿川「生活の安定ないでしょう」
土田「ないじゃないですか、ほんで嫁さんは結婚して30(歳)までは働きたいって言ってたんですけど、翌年にすぐ子供ができたんです」
阿川「うふふっ」
土田「もう、すぐ子供ができてしまったんで、翌年産まれちゃったんで、で、そのことも内緒にしていたんですね」
阿川「あっ、仕事場では?」
土田「はい、独身のフリをして、普通にこう番組とか、若手番組に出てたんですけど」
阿川「はい」
土田「そしたらまあ、あの~、『そろそろ2人目も必要だね』なんて、それこそ『3歳ぐらい離れたほうがいいね』なんて言って、2人目ができたりして、段々、子供が増えていくわけですよ」
阿川「ふふふっ」
土田「そうやってなったときに、その自分の夢とかのために芸人やってんじゃなくて、これは生活のための仕事でしかないな、ってことになってくるんですね」

若手の頃すごい尖がっていた土田さんがこのようにシフトチェンジできたのは、ある芸人のアドバイスがあったからでした。

結婚を唯一薦めたネプチューン原田泰造

土田「なんか若い頃ってプライドが高いんですよ」
阿川「うん」
土田「『俺はこういうことはやらない』とか、『俺はこういう笑いは好きじゃない』とか」
阿川「どういうことを?自分の中でやりたくないって」
土田「要は、ダチョウ倶楽部さんみたいに体張る仕事とか」
阿川「先輩でしょ」
土田「あんな、おでん食って熱い熱い!みたいな、あんなことはやりたくないみたいなね」
(スタジオ笑)
土田「若い頃はすっげ~あるんです、今となればアレがすごい難しいことも分かるんです」
阿川「そっか、とんねるずが憧れだったから」
土田「そうです!そうです!」
阿川「シャープなネタで、人をバシバシ斬っていくみたいな」
土田「そうです、で、高校入ったらダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんがいて、ネタとかをやるようになるんで」
阿川「うん」
土田「やっぱそういう風になりたかったんです、とんねるずさんとか、ダウンタウンさん、ウッチャンナンチャンさんみたいに、でも、まあそうも言ってられないっていうか、で、ネプチューンの原田泰造さんが、唯一結婚を薦めてくれたんです
阿川「へぇ~」
土田「『お前は、お笑いのプライドが高すぎる』と、で、『お前はタイプ的に守るモノがあったほうが、ちゃんとやれるヤツだから』って言ってくれたんです」
阿川「よく見てるんですね~」
土田「そうなんです、で、結婚したことによって、やっぱ守るモノがあるんで、嫌な仕事もしなきゃって思ったら、自分の幅もちょっとずつ広がったりだとか、あと自分はこういうのが得意だと思ってたけど、『あ、そんな思ってたほど向いてないんだな~』とか、いろんなことが分かってきて、自分の」
阿川「やってみて分かる」
土田「そうですそうです、それまでは食わず嫌いじゃないですけど、プライドばっかりで、『それはやらない、これはやる』みたいなのがあったんですけど、とりあえずなんでもやろうと思ったんです

プライドを捨てて仕事をいろいろやってきた結果、「自分は司会をするような器じゃないことに気付いた」と、穏やかに語る土田さんがいました。しかし、様々な経験に裏打ちされた芸人としての力強さも、その口調から感じました。