金曜日の深夜に放送しているTBS「女子アナの罰」が面白いです。
女子アナがバラエティ番組で活躍する姿は、もはや珍しい光景ではありません。しかし、そういうことに慣れきった私でも、この「女子アナの罰」は新鮮に映りました。TBSの女子アナが芸人みたいに罰ゲームを受けている。「ここまでするか!?」と最初は驚きましたね。
私が赤坂方面に気を取られているせいか、ブログを書こうとすると「女子アナ」というワードがどうしても浮かんできます。なので、今回はその状態のときに思い出したラジオを紹介させて下さい。
女子アナが恋人の存在を公言しても構わない派の加藤シルビア
2012年8月11日放送「鈴木おさむ考えるラジオ」(TBSラジオ)
パーソナリティは鈴木おさむ(放送作家)。
アシスタントは加藤シルビア(TBSアナウンサー)。
ロンドン五輪取材中の出水麻衣さんに代わって登場した加藤シルビアさんと考えるテーマは、ずばり「女子アナウンサー」。
「放送局のアナウンサーが恋人の存在を公言するのは良い事だと思いますか?」という質問、以前に出た加藤シルビアさんの熱愛記事に触れながら話を進めていきます。
鈴木「俺なんかはアレすごく良かったわけですよ」
加藤「何が良かったんですか?」
鈴木「シルビアちゃんっぽいなと思って、別にアナウンサーが恋愛しちゃいけないの?みたいな感じが、シルビアちゃんのイメージだったから」
加藤「はい」
鈴木「それを徹底的に出したくないって人もいるじゃないですか」
加藤「はい、そうですね」
鈴木「シルビアちゃんは恋愛してもいいと思うタイプ?」
加藤「恋愛してもいいと思ってますし、しちゃいけない理由っていうのがあんまり……」
自ら発信する必要はないけど、質問された場合は恋人の存在を公言しても構わない、とハッキリ言う加藤シルビアさん。その意見に鈴木おさむさんも同意。
そして話題は、写真週刊誌に女子アナの記事が載ることの是非について。
女子アナとタレントの境界線
鈴木「(雑誌に載ることは)やっぱり有名になってしまった以上、しようがないことなんですよ」
加藤「まあでも、何を求めてるかってことだと……タレントっていう話がありましたけど、タレントになるべきなんですかね?」
鈴木「女子アナになってしまった時点で、それはもう半分タレントであるという認識は、僕は持ってるべきだと思いますよ」
加藤「へぇ~、そうですか?」
鈴木「それを持ってないのは、俺は卑怯だと思う」
加藤「でも、女子アナはタレントじゃないっていうがやっぱこう、一般的な認識としてないんですか?」
鈴木「いや、でもテレビに出てる人という時点で、やっぱりその認識は持つべきだと思いますよ、世の中はタレントだと思って見てますよ」
加藤「でも難しい……難しいっていうか、全然そんな気持ち的にないのに、少しでも派手な行動すると、『女子アナのくせに、会社員のくせに』って」
鈴木「そう、だから実際難しいんですよ」
次の質問「女子アナがタレントとして見られていることを引き受けるべきか?」では意見が分かれたので、リスナーの意見をメールや電話で聞きて拾っていきます。
「タレントじゃなく会社員なのだから恋人の存在を公言するのは良くない、民放の女子アナのタレント化は目に余る」。そんな否定的なメールもあれば、「女子アナはタレントのような存在であるから公言は仕方がない、なぜなら何かあれば他のタレント同様に写真週刊誌の餌食になるから」といった反応も。
女子アナに求めることが人によって違う
リスナーから意見を聞いていくと、女子アナに求めることが人によって全然違うのが分かってきます。女子アナとはどういう存在であるべきなのか。
ちょっと休憩して、女子アナに関する情報を紹介するコーナーへ。
加藤「今では『女子アナ』という呼び名がすっかり一般的になっている女性アナウンサーですが、誰がこの呼び名を作ったのかは定かではありません、しかし、1980年代後半から使われ出したと言われています」
鈴木「あ、そんなんなの?まだ歴史が」
加藤「そうみたいですね」
鈴木「へぇ~」
加藤「女子アナと恋愛というキーワードで必ず挙がるのがプロ野球選手、一昨年は当時横浜ベイスターズの内川聖一選手がフジテレビの長野翼アナウンサーと結婚、去年は読売巨人の澤村拓一投手が日本テレビの森麻季アナウンサーと結婚しています」
鈴木「うん」
加藤「最近は、写真週刊誌にも大人気で、5月にはTBSの田中みな実アナウンサーが『サンデージャポン』のADと一緒のところをフライデーされましたが、本人は(ぶりっ子口調で)『みな実は、みんなのみな実なので彼氏とかではないです』と、熱愛報道を否定しています」
鈴木「ふふっ、今のシルビアちゃん、言うとき悪意あったね、今の一行は」
加藤「認めます」
(スタジオ笑)
加藤「否定しません、ふふふっ」
TBSラジオで女子アナを考える。ならば、田中みな実さんについて言及しないわけにはいきません。
鈴木「みな実ちゃんは、下ですか?」
加藤「イッコ下です」
鈴木「ほぉ~、なるほど」
加藤「こういう受け答えをしちゃうから、怒られるんじゃないですか?」
鈴木「でもさ~、こういうのをしたら怒られるという割には、こういうのを望んでいる人もいるじゃない、正直」
加藤「まあ、そうですね」
鈴木「『田中みな実って、ああいうの本当いたよな~』みたいなことを、田中みな実はもしかしたら分かってやってるのかもしれないし」
加藤「そうですね、頭いい子ですよ」
鈴木「分かるよ、見たら頭いいじゃん、で、『アイツ本当にああいうのさ~』とかって言うために、人は生きてるところあるじゃん」
加藤「どういうことですか!?」
鈴木「そういう(テレビを見て文句を言う)のが好きな人いるじゃん」
加藤「だから、嫌われ役になったほうがいいってことですか?」
鈴木「いや、そういうのも必要だということです」
加藤「必要だと思います、私もそこに関しては異論はないです」
なんだかんだ言いながら、田中みな実さんを認めている加藤シルビアさん。
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そもそも女子アナに人気は必要なのか?
番組の後半、今までと違う視点のメールが来ます。「恋人の存在を公言してもいいが男性ファンは確実に減る、女子アナは男性ファンをどう思っているのか?」と。
加藤「そうか、それで……(恋人の存在を)言って欲しくないってことだったら、そっか!そういうタイプがあるわけですね」
鈴木「そうだよ」
加藤「言って欲しくないっていう意見があるわけですね」
鈴木「それはありますよ、そういう人もいますよ」
加藤「でしゃばるな!という意見ではなく、本当にあなたの恋愛のことが聞きたくないっていう……」
鈴木「そうそうそう、AKB48的な感じもありますよ」
加藤「そうなんですね……それは難しい問題ですね!難しくないですか!?だって傷つけたくないじゃないですか」
鈴木「そこも含めて話してるんだけど、最初から俺は」
加藤「あっ、そうだったんですね!」
鈴木「ははははっ」
ここまで意見がブレなかった加藤シルビアさんが揺らぎ始めます。
鈴木「人気商売だと思ってるかどうかってとこですよね」
加藤「う~ん、人気商売だと思ってるかどうかですよね」
鈴木「でも人気商売の人も正直いますよ」
加藤「でも今ある人気は別に落としたいと思わないですよね、誰だって」
鈴木「ははははっ」
加藤「あるとしたら、ふふふっ、あるとしたら!ですよ」
鈴木「まあね」
加藤「好いていてくれる人をわざわざこっちから突き放すようなことはしたくないじゃないですか」
鈴木「でもそれは完全に離れますよ」
加藤「それは……じゃあ、言わなければいいんじゃないですか、ふふっ」
ファンの存在に気付いたら、恋人の存在を公言しないほうが良い派に回る加藤シルビアさん。
ここで、ある男性イケメンが恋人の存在を認めたときのエピソードを紹介する鈴木おさむさん。
数少ないファンを離したくないと本音を見せる加藤シルビア
その男性イケメンはラジオをやっていて、毎週2万通のメールが届いていた。それが恋人の存在を公言した途端、メールが400通に激減。なんと!50分の1。ファン心理としては、あからさまな写真であっても「ただの友達です」と言い張って欲しかったのではないか?と。
加藤「50分の1は衝撃ですね、でも例えば……そっか、『みんなのみな実』でいて欲しいんですね、やっぱ、だからそういう……分かります?」
鈴木「分かる分かる、みな実ちゃんなんかはもしかしたら割り切ってるのかもしれない、人気も大切だと思ってるのかもしれない」
加藤「いや、もちろん!人気は大切ですよね」
鈴木「でもほら、そこはどうでもいいって人もいるじゃん、俺はだからシルビアちゃんは、『そこ(人気)は別に私は……』と思ったのかなって」
加藤「どっちかっていうとそっちなんですけど……」
鈴木「だけど少ないファンは離したくない」
加藤「そうです!」
鈴木「ははははっ」
さらに追い討ちをかけるように、「恋人の存在を公言したらショックです!女子アナは僕らに夢を与えてくれているんです!AKB48と一緒なんです!」というメールが届き、
鈴木「こうやってアイドルって言い切る人もいるんだよ」
加藤「うん……」
鈴木「写真集買う人もいるじゃない」
加藤「そうですよね、どっちかというと、ファンでいて下さるのはこういう方ってことですよね、アイドル……」
鈴木「だからシルビアちゃんがイベントやったらとしたら、こういう人が来てくれるんですよ」
加藤「来るのかな……離したくないですよね、でも、ふふっ、そうしたらそっか~」
これまでの強気な発言は影をひそめ、ファンがもしいるならば離したくない……と本音を見せる加藤シルビアさんでした。
アナウンサーに求める仕事が多くなってしまうテレビ局の事情
放送作家でテレビを作る立場にいる鈴木おさむさんから、こんな裏話が。
鈴木「テレビ作ってて、あの~、みんなお金がなくなってきた時代になってきたりすると、普通に言うのよ、『アナウンサーでいいじゃん、MC(司会)』って」
加藤「う~ん」
鈴木「昔よりか、アナウンサーに頼る部分ってすっごい多いと思うんですよ」
加藤「そうですか?」
鈴木「多いと思う、最近ない?あのね……からくりなんだけど、テレビで最近ね、特番とかでアナウンサーがMCやる番組ってすごく多いの」
加藤「アシスタントではなく?完全に回しちゃうという」
鈴木「うん、MCを、しかもMCはアナウンサーなんだけど、実はクイズ番組とかだと、そのパネラー的なところに相当裏回しが出来るタレントを呼んでやるっていうのが多いんですよ」
加藤「へぇ~」
鈴木「なんでだと思う?」
加藤「その~、経費削減的なものですか?」
鈴木「それもあるんだけど最近、裏番組を、いろんな関係各所の事務所がいろいろ番組をやりすぎてるから、例えば、最初にある人をMCに置いちゃって、じゃあこれレギュラーってなったときに『木曜7時に置きたいんだよ』って言ったら、『でもそこ、同じ事務所が(裏番組を)やってるからダメだよ』って結構あるのよ」
加藤「なるほど、バッティングしちゃうんですね」
鈴木「だから、最初はアナウンサーでやっといて、MCは……その番組の企画が良ければ絶対ハネるわけじゃない、で、『後からMC決めたら?』ってのがあるのよ、予算的なものもあるんだけど、もう最初にタレント決めちゃうと番組を貼るところが決まっちゃうから、もうMCなんか後で決めようよって、まず特番でカタチ作ってってのがあるわけ、でもそうすると、アナウンサーに求める仕事ってある意味タレント的なことを求めるわけじゃない」
加藤「はい」
鈴木「っていうのが最近すごく多いから、TBSなんかも多いよ、やっぱり、だからそうなると、アナウンサーに求める仕事って明らかに昔より多くなってるし、なんだったらツッコミとかも求めたりするわけじゃん」
加藤「そうですね」
鈴木「そういう意味でいくと、こっちの求める側が、アナウンサー以上のことを求めてしまってるところも……あるのかもしれないですね」
予算の問題以外にそんな事情があったんですね。また、そういった事情からパネラーに必要とされるタレント像も見えてきたりして、興味深い話でした。
「女子アナの罰」の面白さに、加藤シルビアさんと田中みな実さんの対立構造があると思います。最近いろいろ動きがあったので、またどういった展開になっていくのか……ワクワクが止まりません。