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笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ネタに自分らしさが出るのを待つ物語

オードリー オールナイトニッポン 東京ポッド許可局 賞レース エレ片

2011年の年末に行われた漫才日本一を決める「THE MANZAI」。この番組でブレイクして、16年の下積み生活から解放されたのが、お笑いコンビHi-Hiです。
そんな彼らが初の単行本を発売。芸人生活18年を含む高校時代から成功するまでの23年間を綴ったノンフィクション小説で、書き下ろしたのはボケ担当の上田浩二郎さん。本のタイトルは、ずばり「リストラ芸人」。

リストラ芸人

リストラ芸人

「THE MANZAI」のネタ中、ボケの上田さんがツッコミの岩崎さんに言い放った「お前の18年間放り込んでこい!」。その言葉そのままに芸人生活18年間を放り込んだのが「リストラ芸人」という本で、帯を書いたのはオードリー若林さんです。2組は同じ事務所「ケイダッシュ」に所属し、Hi-Hiが先輩、オードリーが後輩という関係です。

Hi-Hi初の単行本「リストラ芸人」の帯をオードリー若林が書く

2012年9月8日放送の「オードリーのANN」。

フリートークで、Hi-Hiが出した本「リストラ芸人」の話題に。

若林「Hi-Hiさんが本出すんですよ」
春日「あ〜、上田さんが」
若林「上田さんが書いて、あの〜、Hi-Hiの高校生のときに出会ってから、18年どころじゃないんだよね、20何年間の」
春日「ほぉ〜、今までの話を」
若林「そうそうそう」
春日「うんうん」
若林「で、上田さんがさ、電話してきてくれて、『あの〜、帯をお前に書いてほしいんだけど』つって、別の人の案もすごいいっぱいあったんだけど」
春日「うんうん」
若林「『え、いいんですか?』つって、『書いてほしいんだよね』って、で〜、『時間がないから、あの〜ちょっと読めたら読んで・・・っていう感じなんだけど、どお?』って、『あ、もう全然読みますよ』」

若林さんの「リストラ芸人」を読んだ感想。

若林「上田さんが高校生のときから面白くて、適当な人なのよ、明るくて」
春日「今とあまり変わらない」
若林「で、まわりの芸人もそうだし、仲良い芸人、本読んでだよ」
春日「うん」
若林「みんながあの上田さんをず〜っと待ってる物語・・・なのよ、っていう風に読めたの、要するに漫才の中であの上田さんが出る、のを待つ
春日「あ〜」
若林「待ってるのよ、信じて」
春日「なるほどね」
若林「っていうように読み取れたの、俺は」

そのことを踏まえて帯を書いた若林さん。その後すぐにオードリーはHi-Hiと一緒の仕事がありました。

漫才にいつもの自分が出るようになったら売れる

若林「そいでほら、その日がさ、上田さんと岩崎さんと久々会ってさ、雑誌の『ぴあ』の連載が100回記念?」
春日「100回」
若林「100回記念かなんかで、Hi-Hiとクッキーを作るっていう企画があったんですよ」
春日「うん、100回記念のあるあるですよね、100回大体訪れたら、みんなクッキー作る、ふふっ」
(作家さん笑)
若林「で、俺、上田さんに会って『本、面白かったですわ〜』って、結局ほら、もうネタのまんまじゃん、上田さんって昔から」
春日「うん、まあそうね」
若林「飯食いに行ってもさ、だから、芸人って辞めなかったらいつか売れるっていう言い方するけど、ちょっと違って、辞めないことによっていつもの自分がネタに出るときが来て、それが見つかったら必ず売れる、っていうことのように読めたみたいな話をしてて」
(何度もうなずく春日)
若林「したら、(上田)『あ〜、分かる分かる』みたいな、『ただ、本当の俺を信じてるから(お笑いを)続けるわけで、それが普段がそんなに面白くないヤツだったら、やっぱ難しい話になってくるんですかね〜』みたいな」
春日「あ〜」
若林「(上田)『う〜ん、でも続けてたら・・・』みたいな話を、クッキー作りながらしててさ」
(作家さん笑)

本にはオードリーのことも書いてあります。

若林「そんな話を一応してて、『春日も春日のなんかヤバイ部分が出始めてからだもんな〜』みたいな話を上田さんとしてて、『で、若林のあの揚げ足取りっぽい言い回しで、漫才じゃん』みたいな」
春日「はいはいはい」
若林「でも〜、すごい俺・・・春日も出てくるし、俺も出てくるんだけど、あの上田さんの本に」
春日「あ〜そう、へぇ〜」
若林「すごいイイ感じに書いてくれてるの、上田さんが」
春日「へぇ〜」
若林「今考えても、4人でよくネタ見せ行って、ライブで客いなくてさ、あの竹下通りで0人でね、開演時間に」
春日「そうね」
若林「客引きして、(客)2人でやったりして、あれで俺と春日とガンちゃん(岩崎)と上田さんで飯食いに行く、今思ったらよ、後輩の俺と春日がさ、飯食うところ予約を取るとか、居酒屋に電話しとくとか何もしてなかったもんね、俺ら」
春日「(噛みしめるように)何もしてなかった」
若林「ふふふふっ、よく許してくれたよな〜、あの2人が」
春日「いや、そうよね〜、なんかで怒られたこともないよね」

若林さんの「いつもの自分がネタに出れば」発言。これと同じようなことをエレキコミックのやついいちろうさんも言っていた気がしたので、私はその発言をしていた放送を探しました。
で、見つけて確認したところ、やついさんと会話したときのことをマキタスポーツさんが紹介していて、その中での言葉でした。

PLATINUM DISC

PLATINUM DISC

芸人が面白いか面白くないかは、その人らしいかどうか

東京ポッド許可局。第181回「ご冥福」論。

東京ポッド許可局は、オフィス北野所属のマキタスポーツさん、プチ鹿島さん、サンキュータツオさん(米粒写経)の3人の芸人でやっているラジオで、ポッドキャストで配信されています。お笑いに限らず様々な事象をするどい視点と圧倒的な知識と熱量で3人が論じており、他ではなかなか聞くことができない話が満載です。
エレキコミックのやついさんと最近話したことを紹介するマキタスポーツさん。

マキタスポーツ「つい最近、俺、エレキコミックのやつい君と話をしたんですよ」
プチ鹿島「うん」
マキタスポーツ「簡単なこと言ってたよ、デビューして間もない芸人で、面白い面白くないの基準っていうのは、センスが良いとか悪いとか、なんかお笑いがとにかくよく出来るとかってことじゃなくて、その人らしいかどうか
プチ鹿島「(深く納得するように)うん」
マキタスポーツ「ってことに気付いているヤツが面白い、それはだからタツオが言ってる唯一性とかさ、そういうことだと思うんだよね」
サンキュータツオ「文体ね」
マキタスポーツ「で、それはね、やっぱね、何かしらそれは芸人として例えばデビューする以前に、通過儀礼的なモノでなんかね、揉まれてるんですよ」
サンキュータツオ「まあ、そうだね」
マキタスポーツ「で、そういうことに気が付いてる人間のほうがイイってことなんですよ」

今回紹介した2つの話は私の中で繋がって、スッと入ってきました。