笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

Hi-Hiが収入ゼロの月があっても芸人を続けてきた理由

今最も勢いがあるお笑いコンビと言えば、Hi-Hiでしょう。
2011年の年末に行われた「THE MANZAI」での活躍をきっかけに、メディアへの露出が一気に増えました。私が聞いているラジオにもゲスト出演していましたので、今回はこのときの様子を紹介させて下さい。
Hi-Hiの魅力がちょっとでも伝わればこれ幸いです。

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上田浩二郎(うえだこうじろう)と岩崎一則(いわさきかずのり)でHi-Hi

2012年1月13日放送のTOKYO FM「よんぱち 48hours」。

パーソナリティは放送作家の鈴木おさむ、柴田幸子。ゲストにHi-Hi。

鈴木「さあ、TOKYO FM『よんぱち』この時間のゲストは、、年末の『THE MANZAI』で優勝こそ逃したものの、それをきっかけに大ブレイクしそうです、お笑いコンビのHi-Hiです」
上田「どうも〜、どうもね〜」
岩崎「よろしくお願いします」
上田「Hi-Hiで〜す、笑ってね、気使ってね」
岩崎「いや、気は使わないで大丈夫ですからね」
上田「ねえ〜、今すぐ笑ってくれてますよ〜、気使って」
鈴木「はっはっはっはっ、え〜、ご挨拶、名前をお願いします」
上田「はい、ボケを担当しております、上田浩二郎(うえだこうじろう)です、よろしくお願いします」
岩崎「そして、え〜、ツッコミのほうをやらせていただいております、岩崎一則(いわさきかずのり)です、よろしくお願いします」

最初は「THE MANZAI」のこと。

「THE MANZAI」で飛び出した伝説の「お前の18年間を放り込んでこい!」

鈴木「『THE MANZAI』で4強入りしたHi-Hiのお2人ですけども、ねえ、決戦の最後のネタ中にね、上田君から出た『お前の18年間を放り込んでこい!』
上田「はい」
鈴木「伝説になりましたけども」
上田「伝説ですね〜!あれは」
鈴木「はっはっはっはっ」
岩崎「自分で言うんじゃないよ、そんなこと」
鈴木「おいくつですか?今」
上田「38(歳)なんですよ」
鈴木「お2人とも?」
岩崎「はい」
鈴木「38歳、芸暦18年」
上田「18年ですね〜」
鈴木「なんとオードリーと同じ事務所、ケイダッシュステージというところで、オードリーは後輩に・・・」
上田「後輩ですね」

オードリーの名前が出たことで、話題は舞台「芸人交換日記」に。

舞台「芸人交換日記」に感動してお金を払いたくなったHi-Hi岩崎

鈴木「実は、昨年やった『芸人交換日記』という舞台、僕は作・演出をやらせていただいてね、オードリーの若林君に出てもらいましたけど」
岩崎「はい」
鈴木「え〜と、岩崎君は見に来てくれたんですよね」
岩崎「はい、ゲネプロ(本番と同じ条件で行う通し稽古)のほうを」
上田「最初にやるやつね」
鈴木「見に来てくれてね、ゲネプロで招待だったのに『感動した!』つって、もう『金を払わせてくれ!』って言ったんだよね」
岩崎「そうなんですよ!あまりにも感動したので、しかも後輩がやってたので」
鈴木「うん」
岩崎「これ、金払うしかない!と思って、まあそれで〜、財布パッと開けたんですけど、当日券たしか6,500円なんですよね」
鈴木「そうです、そうです」
岩崎「パッて見たら4,000円しか入ってなくて」
(スタジオ笑)
鈴木「払えなかったっていうことがあって、そのときから若林君は言ってたんですよ、楽屋で」
岩崎「へぇ〜」
鈴木「今回すごいよかったのは、先輩が見に来てくれて金払いたいと言ったと、でもそこに4,000円しかなかったのも含めて、なんか『芸人交換日記』な世界の話だと」
上田「(感動しながら)うわ〜」

オードリーのオールナイトニッポンで、若林さんもこの話をしていましたね。切ないけどちょっとヒヒ話。こうして別の視点から聞けて嬉しかったです。

「THE MANZAI」のちょっと前に収入ゼロの月があった

鈴木「だって、『THE MANZAI』に出るまで、仕事ってそんなになかったでしょ?」
上田「ないです」
岩崎「いや〜、もう全然」
上田「テレビ1回も出てないですもん、その年」
鈴木「マジで!?」
岩崎「はい」
上田「『THE MANZAI』だけです」
鈴木「へぇ〜」
上田「収入もゼロの月ありましたから、初めて」
鈴木「よかったですね」
上田「よかった〜!!」
鈴木「これがあるから、芸人さんは面白い」

この後、Hi-Hiが漫才を披露。
やる側だけでなく、聞く側も知っている人が漫才をやってる、という感覚があるからでしょうか?落ち着きを感じると共に、オードリーが出始めた頃もネタを披露してからだったよね、と懐かしみながら聞いていました。

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漫才もやって自己紹介が終わったところで、Hi-Hiの芸人人生を振り返ります。スタート地点は吉本だったHi-Hi。しかし・・・

吉本で芸人人生をスタートさせたHi-Hi

鈴木「でもね〜、すごいですよ、最初は吉本所属で、なんとロンブーと同期なんでしょ?」
上田「よ〜いスタートはそうです、ロンブーと、ペナルティ、DonDokoDon」
鈴木「なっがい」
上田「長いですね〜」
鈴木「でも、なぜ吉本辞めることになったんですか?」
上田「それはですね、その当時、2年ぐらいお世話になったんですけども、ちょうど『リストラ』って言葉が世間で流行りだして」
鈴木「はい」
上田「で、あの吉本興業さんで、リストライベントっていうライブがあったんですよ
鈴木「はっはっはっ」
上田「面白くないヤツをクビにするっていう、それにもれなく僕らが掛かりまして、まあ、つまんなかったんで」
鈴木「んっふっふっ」
上田「それで〜、まあ取り合えず、一応休んで(また)やってもいいよって言われたんですけど、本当にもう、吉本一スベってたんです、そんとき」
鈴木「ん〜」
上田「もうズタボロだったんで、心が」
岩崎「ねえ、やり直すっていう気持ちもなかった・・・」
上田「絶対無理だと思って」

このリストライベントに立ち会っていたダイノジ大谷さん。ブログにそのときのことを書いています。

吉本からのリストラで心が折れて3年間芸人を辞める

鈴木「だってその頃は、ロンブーなんて、その前に路上芸人やってるから、お客をもう何百人と連れてきてるときだよね」
上田「もうキャーキャー、キャーキャー言われてました」
岩崎「だからもう、7丁目(銀座7丁目劇場)できた当初からすごいキャーキャー言われてたから、『なんなんだ、アノ人たちは?』みたいになってましたね」
上田「うん、それでもう先輩のココリコさんも、どっかんどっかんウケる」
鈴木「そっか、そっか」
上田「もう絶対無理だと思って」
鈴木「心が折れて」
上田「折れて」

芸人を辞めて、トラックの運転手をしながらバンド活動の日々。そんな3年間を過ごした後、ケイダッシュのオーディションを受けて、見事に合格。芸人生活を再スタートさせたのでした。

後輩のオードリーが先に売れたときの気持ち

しかし、ケイダッシュに入ってからもなかなか芽が出ません。同じ事務所の先輩(原口あきまささん、はなわさん等)がどんどん売れていく。さらには、後輩のオードリーも売れていく。

鈴木「しかもオードリーが売れて、どうでした?」
上田「いや、それはみんなに聞かれるんですけど、僕らは悔しいってより嬉しかったですね、オードリーが行ったときは
鈴木「ん〜、まあハートがいいしね」
上田「ええ、あの・・・人間もいいし、2人とも、で、ずっと昔から一緒にやってたんで・・・なんだろうな〜、あんま悔しいってなかったね?」
岩崎「うん、本当に・・・普通に応援できる気持ちでしたね、なんかその変なイヤミも全く感じなかったし」

3年間の休止期間がありましたが、なぜ18年も芸人を続けてこれたのか?率直に聞く鈴木おさむさん。

Hi-Hi上田「普段の姿をネタで出せれば勝負できる」

鈴木「さっき言ってたけど、このね、年齢とキャリアで、結婚はしてないんですか?」
上田「してないんですよ」
鈴木「ゼロ円になるわけじゃないですか、給料が、続けてこれた理由はなんですか?」
上田「それは・・・僕が、芸人の人達と夜、飲みに行ってたんですね、もうやることないんで」
鈴木「うん」
上田「芸人がバイトしてるカラオケ屋が、1,000円で朝まで飲ませてくれるんですよ」
鈴木「へぇ〜」
上田「で、一切つまみ頼まずにみんなで焼酎飲んで」
鈴木「芸人っぽい」
上田「そこで、今みたいに『パスタ巻いてる?』とか、『生牡蠣ちゅるって行ってる?』みたいなのを言ってたんです、それをみんなが笑ってくれて、この人はネタは面白くないけど普段は面白いんだって言ってもらえたんですね、みんなに
鈴木「なるほど」
上田「だからその普段をネタで出せれば勝負できるんじゃないか?っていう気持ちがあったんで・・・続けてこれたんですね

勝負できるモノがある。そう信じて芸人を続けてきた、Hi-Hi。
上田さんが岩崎さんに言った「お前の18年間を放り込んでこい!」。その18年間をテレビにがんがん放り込んでいるHi-Hiの姿を、2012年はたくさん見られるんじゃないでしょうか?私は見たいです。