笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

「キングオブコント」の伝統を守ったラブレターズ

2014年の「キングオブコント」は、シソンヌの優勝で幕を閉じました。

TBSが主催するコント日本一を決める大会「キングオブコント」。2008年から始まって今年で7回目となるこの大会は、優勝者だけでなく「8位(最下位)のコント師」にも大きな注目が集まります。

「8位先輩」として後輩を温かく包み込むエレキコミック

そのきっかけを作ったのが、2010年に出場したエレキコミックです。この年の大会で、エレキコミックは最下位になってしまいます。しかも決勝進出8組のなかで圧倒的に低い点数を叩き出しての大敗。実力者である彼らが「もうダメですね」と言って崩れ落ちていく姿は、視聴者の記憶に深く刻まれました。ある意味「爪痕を残した」と言えるかもしれません。

結果として、「キングオブコントで8位と言えばエレキコミック」というイメージが定着しました。大会で低い点数が出る。司会のダウンタウンが審査員席にいるエレキコミックに振る。「8位先輩」らしく自虐的なコメントで会場の笑いを誘う。このようなパターンが確立されて、「完敗した後輩を温かく包み込む先輩」という役割をエレキコミックが担うようになったのです。

2011年と2012年の大会では、トップリードが2年連続で8位になりました。2013年の大会でも有望な新人が現れました。松竹芸能所属のうしろシティです。

2年連続8位というエレキコミック以上の負けっぷりだったトップリード

2013年9月28日放送「エレ片のコント太郎」(TBSラジオ)

パーソナリティはエレキコミック(やついいちろう・今立進)、ラーメンズ片桐仁。

2013年の「キングオブコント」直後の放送だったので、その話になります。エレキコミックは審査員席で戦いを見守っていました。この大会は、準決勝で敗れた芸人が決勝の審査をするシステムになっているのです。

冒頭、舞台に登場した司会のダウンタウンが、「決勝残ってるヤツらよりも豪華なメンバーがおるやんか」と審査員席を見渡したあと、「エレキコミックもおるやん」と。いきなりコメントを求める振りが来て焦ったと言います。

続きを読む