笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

内村光良にタモリの影を重ねる三村マサカズ

「内村さん、ホントお世話になります、これからもずっと」。

先日の「内村さまぁ~ず」で、さまぁ~ず三村マサカズがこんな発言をしていました。

さまぁ~ずと内村光良の付き合いは長いです。始まりは「内村プロデュース」から、と言ってもいいでしょう。そして、この番組を引き継ぐ形で始まったのが「内村さまぁ~ず」です。さまぁ~ずの「内村プロデュース」初出演が2000年ぐらいなので、じつに14年以上の付き合いになります。

「内村さまぁ~ずが終わる」といった話が出ているわけでもありません。それなのに、なぜ三村さんは今後のことをウッチャンにお願いしたのか? その原因は「笑っていいとも!」の終了にありました。

タモリとの別れで感傷的になる三村マサカズ

2014年4月28日配信「内村さまぁ~ず」(第183回)

レギュラーは内村光良、さまぁ~ず(大竹一樹・三村マサカズ)。
ゲストMCはバイきんぐ(小峠英二・西村瑞樹)。

今回の企画は「小峠のマイカーで花見を思う存分満喫しちゃう男達!」。バイきんぐ小峠さんの愛車(66年製シボレー・ノヴァ)で、都内の桜を巡ります。運転は小峠さん。隣の助手席に大竹さん。後部座席は、真ん中にバイきんぐ西村さんがいて、その両脇にウッチャンと三村さんが座っています。

ロケも後半になり、すでに夕方の5時。車は、目黒かむろ坂を目指して環七を走っています。ここで冒頭の三村さんの発言が飛び出したのです。ペットボトルの飲み物をみんなに注いでいくウッチャン。三村さんのコップが満たされたあと、

三村「内村さん、ホントお世話になります、これからもずっと……」
大竹「どうしたんだ? 急に」
内村「ふふっ、これ最終回?」
(車内笑)
大竹「辞めんの?」
内村「俺、卒業するんの? この番組」
小峠「アメ車の後部座席で何してんですか」
三村「(窓の外の景色を見つめながら)なんかね~、タモリさんと別れてから、内村さんとも別れるんじゃないか……っていう
大竹「ははははっ」
三村「恐怖?」
大竹「恐怖があるんだ」

突然の告白に優しい笑みを浮かべるメンバー達。

「笑っていいとも!グランドフィナーレ」と言えば、明石家さんま、ダウンタウンにウッチャンナンチャン、とんねるず、爆笑問題、ナインティナインといった大物芸人による夢の共演です。後日、当の本人だけでなく観客席にいた芸人も、あのときの状況を様々なメディアで語ってくれました。

私はひと通りチェックしたのですが、どうしても埋まらないピースがありました。ウンナンが語っている姿です。可能性としては「内村さまぁ~ず」のオープニングトークぐらいしかない。でもウッチャン自ら切り出すことはないだろうから、さまぁ~ずが話題を振ってくれれば……なんて考えていたら、ちゃんと聞いてくれました。

東西ワチャワチャしている状況をまとめるのは九州の人

2014年4月28日配信「内村さまぁ~ず」(第183回)

ある建物の屋上から番組が始まります。オープニング恒例の近況報告で、

三村「ついこの間、『いいとも!』の大パーティー」
内村「あ~、フィナーレのね~、うん」
三村「大混乱」
内村「はい」
三村「どうでした? あのとき」
内村「あんときね、でもやっぱタモリさんだから集まったんだろうな~っていう」
大竹「そうでしょうね~」
内村「タモリさんのスゴさを、すごい知っちゃいましたね」
大竹「きっちりしゃべる隙なかったですもんね、もう」
内村「そう、だからもっとタモリさんとしゃべりたかった、はははっ」
大竹「あはははっ」
三村「あっという間に終わっちゃいましたもんね」
内村「(カメラ目線になり)タモリさん!またお仕事ご一緒に、お願いします」

そう言って、おじぎをするウッチャン。ひと区切りついたので、もうこの話題は終わりかと思いきや、まだ続きます。

三村「週刊誌読んだら、『ポストタモリは内村だ』っていう記事が
大竹「書いてありました」
(スタッフ笑)
内村「書いてあった? 俺昨日知った、ソレ」
大竹「ははははっ」
内村「昨日見た、昨日」
三村「みんなの分析では、東西ワチャワチャしてるなか、まとめてくれるのは九州の人だと」
内村「ははははっ」
大竹「タモリさんも九州の人だったから、内村さんも九州の人、中立のね」
三村「九州から現れる」
内村「いや~、ありがたいことですよね、そうやってね、書いてくれるのは」

三村さんは、ウッチャンにタモリさんの影を多少なりとも重ねているのではないでしょうか。だからこそ、週刊誌(『FLASH』2014年4月15日号)の記事にわざわざ触れたのだと推測します。

さて、「笑っていいとも!グランドフィナーレ」で実現した大物芸人の共演です。中心人物は間違いなく、ダウンタウン、とんねるず、爆笑問題の3組でした。これまでほとんど絡んでこなかったり、なかには確執があるとまで囁かれていたので、視線が集中するのは当然と言えましょう。あの場にいた芸人がラジオなどで明かした後日談も、この3組のエピソードがほとんどでした。

ところがです。三村さんだけは、違うところを見ていました。

「笑っていいとも!グランドフィナーレ」で三村マサカズが見ていたモノ

2014年4月4日放送「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)

パーソナリティはアルコ&ピース(平子祐希・酒井健太)。

アルコ&ピースは「笑っていいとも!」のレギュラーでした。現場の目撃者として、「笑っていいとも!グランドフィナーレ」の裏側で何があったのか、さらには「打ち上げの様子」についても教えてくれました。

グランドフィナーレ後だけでなく、その翌日もちょっとした打ち上げをやったそうです。そこで、三村さんと同じテーブルになった平子さん。

平子「あんときの話を三村さんといろいろして、『いや、本当にすごい現場だった』」
酒井「うん」
平子「『お前らもすごいよかった、本当によかったな、あの現場にいれて本当に幸せだ』って」
酒井「うん」
平子「で、三村さんが、『俺はね、ワー!ってなって、ワー!って盛り上がって、途中から、あのメンバーのなかで、誰とも確執めいた噂もなく、ああいう場が作り上げられたときに、スッって一歩後ろに下がって、全体を見渡してた、内村さんを俺は見てたんだ』」
酒井「あっ、言ってましたね」
平子「『内村さんの表情を、全体をこう眺めながら、ニコニコしてる内村さんを俺は見てた』って、これはもうっ……うわぁ」
酒井「これはもうたまらんよね」
平子「『三村さん、スゲーなー!』ってなって」
酒井「そんな話たまらんよね!」
平子「やっぱ、だからメンバーがああなれるってのは、タモリさんという受け皿の広さがね」
酒井「結局そこですよね、『やっぱりタモリさんすごいな』ってなりますよね」

これにはグッときました。語ってくれたアルコ&ピースに感謝です。

「内村さまぁ~ず」のDVDはついに「50巻」を超えました。また最近の放送では、内村光良50回目の誕生日を祝うべくグアムロケを行いました。さまぁ~ずと内村光良が一緒に飲むためにやっている「内村さまぁ~ず」。この番組が末永く続くことを私は願ってやみません。