笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

山里亮太とマンボウやしろが憂うよしもとブサイク村の未来

雑誌『マンスリーよしもとPLUS』が行っている「よしもと男前ブサイクランキング」。

これは、ハガキの投票や劇場のアンケートなどを集計して、各部門のランキングを決定するという毎年恒例の企画です。3年連続1位を獲得すると「殿堂入り」の称号が与えられるのですが、今回は、ブサイク部門で殿堂入りした芸人たちの強い仲間意識について紹介させて下さい。

山里亮太はブサイク界のオールラウンドプレイヤー

2008年2月14日配信「ヨシモト∞」(GYAO!)

出演者は南海キャンディーズ山里亮太、ネゴシックス、若井おさむ。

渋谷のヨシモト∞ホールには、あとに登場するライセンスが目当てと思われる女性客でいっぱい。さらに、この日はバレンタインデー。

舞台に登場した3人は、このキャスティングは皮肉以外の何物でもないと文句を言いながら、「誰が一番モテるのか?」といった不毛な議論を繰り広げます。しかし、意外と優しいお客さん。それに安心したのか、山里さんは「自分はブサイクじゃない」と主張し始めます。

山里「実際見てみると、そうでもないのよ!」
ネゴシックス「うん……」
山里「だから今、ブサイクランキングって投票でやってるじゃん、(客席を見渡しながら)そうでもないでしょ?」
(反応がない客席)
山里「……まあ、皆さんが完全にフリーズしましたけども」
(客席笑)
山里「いや!実際見てみるとそうなのよ!今までの殿堂入りしたすごい人たち見てよ、ほんこんさん、やっぱすごいでしょ?」
ネゴシックス「3年間1位ね」
山里「やっぱパンチ効いてるじゃないですか、その後は(フットボールアワー)岩尾さんが殿堂入りするでしょ、ね、岩尾さんもすごいでしょ?」
ネゴシックス「うん」
山里「で、僕ですよ、そのあと」
ネゴシックス「山ちゃんなぁ」
山里「言ったら!あのすごい攻撃力は持ってないわけじゃない、で、それを聞いてみたんですよ、僕がその編集の人とかに、『何でなんですか?』と」
ネゴシックス「うんうん」
山里「『パラメータで考えてみて下さい』と、五角形のパラメータってあるじゃないですか、よく、パワーとかスピードとかスタミナとか」
ネゴシックス「あるね、平均的なね」
山里「で、前のお二方、パラメータ五角形で、顔面ってところがビュン!って出てるんですって、それこそ画鋲みたいに」
ネゴシックス「だいぶ尖っとるで」
山里「それが、『山里君は違うんだ、君はすごい、きれいな正五角形だ』って」
(客席笑)
ネゴシックス「ブレがない」
山里「そう、ブサイクのきれいな正五角形、君がウイニングイレブンの選手だったら最高の選手だ、って」

ほんこんさんと岩尾さんは、顔面という圧倒的な攻撃力でねじ伏せてきたのに対して、山里さんは総合力での勝利。

山里「やっぱ凹むんですよ、日本で一番ブサイクって選ばれるわけですから」
ネゴシックス「まあね」
山里「で、凹んでたら、(編集の人から)『山ちゃん、気にしなくていい、山ちゃんの場合違うから、内面も踏まえての1位だから』」
(客席爆笑)
山里「ちょっとちょっと、確かに腐ってるよ!性根は」
ネゴシックス「はっはっはっ」
山里「嫉妬のお化けだから、俺は」

この配信の数日後、「2008年よしもと男前ブサイクランキング」の結果発表がありました。

山里さんは持ち前の総合力を発揮して、ブサイク部門で見事1位。さらに3年連続ということで、めでたく殿堂入りを果たしました。そして、そのあとにブサイク殿堂入りをしたのが、マンボウやしろ(元カリカ家城)さんです。

よしもとブサイク殿堂入り 1位獲得年
1 130Rほんこん 2000年~2002年
2 フットボールアワー岩尾 2003年~2005年
3 南海キャンディーズ山里 2006年~2008年
4 マンボウやしろ(元カリカ家城) 2009年~2011年

先日、山里さんがラジオで、マンボウやしろさんと一緒に旅行したと言っていました。

ですが、その話の前に、2人の出会いについて触れさせて下さい。実は、南海キャンディーズがM-1でブレイクする前の、まだ売れていない頃からの付き合いなのです。そのきっかけは、鈴木おさむさん。

舞台前日に飲み明かした山里亮太とマンボウやしろ

2011年5月27日放送「よんぱち 48hours」(TOKYO FM)

パーソナリティは鈴木おさむ。
アシスタントは柴田幸子。
ゲストはカリカ(林克治・家城啓之)。

まだカリカが解散する前の放送でした。過去にやった舞台の話になったとき、山里さんの名前が。

鈴木「あの~、おさむショーという舞台をやりまして、何年ですかね?2004年か、2005年ですよ」
林「そうですね」
鈴木「初めてロンブーが出ると、ロンブーが出てくれるっていうときだったんですよね、で、しかもそんときに山ちゃん、南海キャンディーズの山ちゃんが、数ヶ月前に大阪で僕会ったんだよね」
林「はいはい」
鈴木「向こうの社員に『面白いヤツがいるんですよ』って紹介されて、そんときには全然売れてなかった
家城「そうですね」
鈴木「売れてなかったんだけど、『じゃあ山ちゃん、面白いから舞台出てよ』って、出てくれることになって、で~、年を越えたらM-1で大活躍したんだよね」
林「そうなんですよね~」
鈴木「そっから仕事が増えてきて、まだ東京に住んでなくて、で、僕の事務所があったんですけど、そこに家城が住んでたんですよね」
家城「はい」
鈴木「山ちゃんが家がないからって、家城と一緒にその日は飲むっつって、飲んだんだよね」
家城「そうです」

で、舞台の本番当日に事件が。

鈴木「朝10時集合かなんかで、ロンブーの2人も(会場に)入ってるのに全然、家城と山ちゃんがね」
林「来なかったですね~」
鈴木「来なくて、どうした?どうした?つって、公演1時間前になっても来なくて」
林「全然来なかったですね」
鈴木「それで(森三中)大島に、『ちょっと申し訳ないけど、ウチの事務所見てきてくれないかな?』って言って、ウチの奥さんカンカンで、寝起きで、で、10分ぐらいしたら『居るよ!』」
家城「はっはっはっはっ」
林「ふふふふっ」
鈴木「しかも横にワインボトルが1本転がってるっていう」
家城「あっはっはっはっ」
鈴木「ふふふっ、まさかのことで、で、2人来たら、もうヘラヘラ、ヘラヘラして」
林「もう酔っ払ってますからね」
家城「(お酒が)残っちゃってる状態で」

鈴木おさむさんが大阪で山里さんと会ったのは、2004年「M-1グランプリ」3回戦の前日だったそうです。その当時の様子は、山里亮太『天才になりたい』で詳しく書かれています。

M-1のファイナリストになって以降、転げ落ちるように自信を失い、芸人を辞めようとまで考えていた山里さん。それを救った千鳥の大悟さんのエピソードは、何度読んでも私は胸が熱くなります。

ちょっと脱線してしまいました。話を戻しましょう。

ブサイク殿堂入り芸人の強い仲間意識

2013年5月29日放送「山里亮太の不毛な議論」(TBSラジオ)

パーソナリティは南海キャンディーズ山里亮太。

数日前に、マンボウやしろさんと2人っきりで旅行したと語る山里さん。1泊2日で小田原の温泉へ。その道中の新幹線、恋愛トークでひとしきり盛り上がったあと、

山里「俺はこういうプロポーズしたいな~みたいなことをずっと話してて、で、次の話題になったの、何て言うんだろう、プロ意識というか……これプロ意識と言っていいのかな?あの、ブサイクの未来について語り出すの」
(作家笑)
山里「ブサイクの未来って何かって言うと、殿堂入りよ、やっぱり、なんだかんだ嫌だ嫌だと言いながらもね、ほんこん師匠から受け継がれてるブサイク殿堂入りっていうモノの価値、大切さって分かってるから俺ら、どんなとこで分かるかって言うと、ほんこんさんが僕らだけ、殿堂入りした者だけ特別優しくしてくれる、ほんこんさんが新しく店を開こうとしたら、一般リリースの3日前に教えてくれるっていうね」
(作家笑)
山里「下北沢で串カツ屋さん始めたんだけど、俺はみんなより早く知ってたからね、なぜかって言うとブサイク(殿堂入り)3代目だから、うん、あとタイツのかぶり方と全部ほんこんさんが優しく教えてくれる」

最初はブサイク殿堂入りを嫌がっていましたが、ほんこんさんの包み込むような優しさに触れて、今では大切な場所だと山里さんは言います。

山里「大体ブサイク集まるとサミットになるの、で、初代、2代目、3代目、4代目の、3代目と4代目がそろってて、ブサイクの未来で、5代目の話になるの」
(作家「あ~」)
山里「でね、5代目の話っていうと……ヤツですよ、ノンスタの井上になるわけよ、で、アイツ2年取ってるんだよね?多分、3年取ったら殿堂入りしちゃう、マズいな……と、『マンスリーよしもと』のアンケートでね、ブサイクアンケートで1位を2年取ってる、殿堂入りするってことは我らの村に入ってくると」

NON STYLE井上さんのブサイク殿堂入りに危機感を抱く理由は?

進撃のNON STYLE井上

山里「アイツは、ブサイクとしてはなんか違うのよ、俺らと毛色が、何でかって言うと、テレビ見てる人は分かるとおり、『いや、僕オンナ抱いてますよ』みたいな、『結局、みんなそうやって嫌い嫌い、ブサイクブサイク言って、本気で好きになっちゃうのが怖いんでしょ?』みたいな、違うのよ!ウチの村はそういうんじゃないの、『もうウチら石の裏に居ますけ、石ひっくり返さんでくだせぇ~』」
(作家笑)
山里「って言ってるのがウチらなのよ、なのにさ、ウチの村来てさ、狼藉を働くわけアイツは、『え?村の娘、食っちゃっていいですか~?』みたいな、違うじゃん、だからもうウチのサミットではね、『認めない!』つって、で、どうしたらいいかな?って、やしろさんと、どうしたら井上がブサイクのランキング1位から外れるか?」

そのことで熱い議論を交わす2人。

山里「そんな状態でずっとしゃべっててさ、で、あることに気付いたのよ、『マンスリーよしもと』……ね?これ、3年連続『マンスリーよしもと』のブサイクランキングで1位取んなきゃいけない、それを言ったときに『あっ!』つって、『マンスリーよしもと』廃刊したのよ!だからもうランキングは終わっちゃってるのよ!つまり、殿堂入りできるチャンスはもうないのよ、俺らの村は守られたのよ、それ分かったときに、俺とやしろさんは何にも合図もなく、お互い示し合わすこともなく、きれいなハイタッチ」
(作家笑)
山里「パーンッ!って、これどれぐらいかって言うと、『スラムダンク』でね、流川と桜木が最後にやるヤツ、パチーンッ!って、あれぐらい決まったのよ」

スラムダンクの例えの是非についてはさておき、「よしもと男前ブサイクランキング」は、吉本が運営するソーシャルプラットホーム「YNN」と連動しての企画継続が検討されているそうです。

果して、NON STYLE井上さんのブサイク殿堂入りはあるのでしょうか? 今後の展開が楽しみです。