下積み時代を過ごした原宿のクレープ屋に再訪するオードリー春日
2011年10月2日の日曜日。NHKと民放のラジオ局共同のイベント「はじめまして、ラジオです。」が行われ、オードリーがニッポン放送代表として参加しました。
日増しに秋も深まっていく中、野外でもタンクトップ姿で乗り切った春日さんは、空き時間を利用して渋谷のNHKから近い原宿を散策。目的は、自分に合う帽子探し。
休日の原宿竹下通りを散策するオードリー春日
2011年10月8日放送「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)
パーソナリティはオードリー(若林正恭・春日俊彰)。
オープニングから愛人について熱く語り、若林さんのiPhone購入トークの後、春日さんのフリートークへ。
春日「あの~先週、日曜日」
若林「うん」
春日「NHKでね、『はじめまして、ラジオです。』やったじゃないですか」
若林「うんうん」
春日「あの後、ちょっとね、原宿に行ったんですよ、時間もあったんでね」
若林「うん」
春日「帽子を買おうと思って、春日お気に入りの帽子なくしちゃったからさ」
若林「(気のない返事で)あ、そうなんだ」
春日「お気に入りのユニクロのハンチング帽なくしちゃったからね、帽子買おう!と思って、んで~、お栗さん(放送作家の栗坂祐輝)も空いてるって言ってたからさ」
若林「うん」
春日「お栗さんと一緒に、あの~行ったんですよ、原宿の竹下通りに」
若林「うんうんうん」
春日「ねぇ、ちょっと興味持ってもらっていいかな?ふふっ」
(スタジオ笑)
春日「話を、若林さん」
若林「いや、興味持ってるよ」
春日「(若林さんの手元を見たようで)ちょっとなんだ、パンダの絵描いてるじゃないかよ!なんだよそれ~」
春日さんのフリートークに若林さんが興味を示さないのは毎度のこと。でもこれは、いつも冗長になってしまう春日さんのトーク力を鍛えるための、若林さんなりの愛のムチに他なりません。きっと。^^;
春日のフリートークに興味を示さない若林
それでもめげない春日さん。話を続けます。
春日「あのね、ほいでさ!」
(スタジオ笑)
春日「竹下通り行ったのよ」
若林「うん」
春日「したらもうスゴイね!もう十何年ぶりに行きましたけど、休日の、日曜の竹下通りの混み具合」
若林「いやでも、十何年ぶりって、24(歳)ぐらいのときに『マリオンクレープ』で漫才やってたじゃん」
春日「そうなんだよ、それ以来、でさ~、もうすごい混み様で、もう花火大会みたいになってた」
若林「(感情ゼロで)まあそうだろうね」
春日「ふふふっ、予想の範囲内?」
若林「竹下通りってそうでしょ」
若林さんがちょっとだけトークに食いついてきました。
クレープ食べながら原宿を歩きたい春日
入念に作り上げたトーク台本の構成がそうだったのか、若林さんが触れたからなのか定かではありませんが、クレープ屋をフィーチャリング。
春日「歩いてたのよ、したらまさにその『マリオンクレープ』ですよ」
若林「うん」
春日「あの目の前通ったらさ~、もうクレープを買うのにすっごい行列してんのね」
若林「ああ~」
春日「で、クレープ食べようと思ったのよ!せっかく原宿だし~、クレープ食べながらあそこを歩くってのちょっと夢じゃない?」
若林「ん~」
春日「埼玉出身としてはちょっと夢なところがあるわけですよ」
若林「あっ、そう」
春日「そこはね」
若林「うん」
春日さんのクレープ食べながら原宿を歩きたい願望なんてどうでもいい若林さん。
この原宿のクレープ屋「マリオンクレープ」には、いろんな思いが詰まっている、と語る春日さん。
原宿のクレープ屋「マリオンクレープ」で下積み時代を過ごしたオードリー
春日「だけどもうむちゃくちゃ混んでるから、それはちょっと無理だな、つって」
若林「うん」
春日「やめようと思って、で~、思い出した、いろいろ、ライブやってた頃のこと、『マリオンクレープ』っていうね、クレープ屋さんがあるんですよ、竹下通りに」
若林「はいはい」
春日「そこの2階が、なんかあの、クレープを買って食べられるスペースみたいな」
若林「うん」
春日「何畳ぐらいだろうね?6畳ぐらいなのかね、で、そこでね、我々10年ぐらい前に」
若林「うん」
春日「ナイスミドルの時代ですよ、ライブやってたのよね」
若林「やってましたね~」
春日「毎週金曜かなんか、隔週か」
若林「うん」
春日「うちの事務所のHi-Hiさんと交代交代で」
若林「そうだね~」
春日「金曜日やってて、17時からかな?」
若林「うん、あの上のところね」
春日「上のところ、スペースに、6畳ぐらいしかないスペースに、本当にあの~、ビールの空きケースを2つさ、繋げたみたいな台に乗ってね」
若林「うん」
春日「で、クレープを食べたお客さんが、そのライブを見れるみたいな」
若林「そうそう」
若林さんもこの頃の思い出が蘇ってきます。
春日「我々1年目、2年目ぐらいの頃だから、テレビはもちろん出てないですしね、ライブだってそんな出てないぐらいの頃ですよ~」
若林「うん」
春日「お客さんだってそんなんで入るわけない、つってね、16時30分前ぐらいから下でね」
若林「うん」
春日「なんかダンボールに『このあとライブやります!』みたいのを書いて、下でこう客引きみたいのをね」
若林「うん」
春日「(高い声で)『このあと、17時からお笑いライブやりま~す!』、(低い声で)『やりま~す!』みたいなさ、ふふふっ」
若林「あ~!言ってた、言ってた」
春日「やってましたよ」
ついにスイッチが入った若林さん。
やる気のない若林、クレープ屋の店長に怒鳴られる
若林「俺ね、ぶち切れられたことがある」
春日「ははははっ」
若林「知ってる?」
春日「あ、そうだっけ?」
若林「俺がぶち切れられたの、クレープ屋の店長に」
春日「なんてよ?」
若林「呼び込みしなきゃいけないじゃん、来るわけないから、だからもうそんなん……どうでもいいわ!って思ってたから」
春日「ははははっ、その頃ね、訳分かってなかったしね」
若林「うん」
春日「うん、そんなんお客さん入るわけねぇわ、と」
若林「(気の抜けた声で)『え~17時からライブやりま~す……』みたいな」
春日「うんうん」
若林「『はい、やりま~す……』みたいにしてたら、(クレープ屋の店長)『お前売れてえんだろ!』」
春日「ひひひっ」
若林「怒鳴られて、(クレープ屋の店長)『なんだ、その声は!帰れ!』」
春日「おお」
若林「『すみません……』」
春日「おお、そんなんあったっけ?あ~、ちょっと覚えてないな~」
オードリー(当時ナイスミドル)の知名度は全然ありません。呼び込みをしてもせいぜい3人ぐらいのお客さんしか集まらない。時には、客ゼロでライブをやならかった日もあったそうです。
「マリオンクレープ」でのライブ前に神社でネタ合わせ
春日「で、そのライブやるにもね、我々も1時間ぐらい前に行ってさ、裏のあの……」
若林「神社ね」
春日「東郷神社ですか、あそこで一応ネタ合わせとかしてね」
若林「一応してたよね~」
春日「ふふふっ、してた!その頃ネタなんかないわけですよ、1年目、2年目ぐらいだから、漫才はやってたけどボケとツッコミは逆でしたしね」
若林「うんうん」
春日「(ライブが)30分ぐらいあるから、漫才5分ぐらいだから持たない、つって、ショートコント作ったりとか、フリートークをなんかね」
若林「(感慨深げに)ふぅ~、ホントだな~」
春日「やったりして、フリートークの練習みたいのしたもんね、その神社のとこで、出てってから」
若林「『何の話する?』とか言ってね」
春日「ふふっ、そうそう、『何の話する?』つってね」
若林「うん」
春日「そうよ、ほんでライブやったら~、2、3人ぐらいの」
原宿のクレープ屋での下積み時代。今振り返ってみると、
若林「でもさ~、23(歳)とかでしょ?あんとき」
春日「23~24(歳)、2001年とか」
若林「でもさ、どっち……どっちなんだろうな?いや、もちろん真面目に呼び込んで、真面目にがっちりネタやってしゃべる子のほうが可愛いじゃん、大人は」
春日「まあ、そりゃがんばってるな~っていうのは出るよね」
若林「どうしてたらいいんだろうね、ああいうとき」
(スタジオ笑)
春日「いやでも、全力……まあ~、難しいな~」
若林「大人は絶対可愛いって言うよ、それは、俺はぜんぜん思わないけど、正直」
春日「う~ん」
若手芸人の生意気な感じが好きだ、とちょくちょく言っている若林さん。それはきっと自分自身がそうだったからではないでしょうか?
オードリー若林ジャックナイフ時代
若林「でも俺、本当に生意気だったなって思う、それで、サラリーマンの人とかたまに来てさ、クレープ食いながらフリートーク聞くんだけど、バーンッて笑ってくれたら口の中……みかん箱みたいなとこに乗ってやるんですけど」
春日「そうそうそう」
若林「バーッて笑ったら、みんなクレープ食ってるから、口の中の生クリームがすごい見えるの」
春日「へへへへっ」
若林「『はははっ、今、ぐっちゃぐちゃになってたイチゴ見えましたよ』とかって言ってたもんね」
(スタジオ笑)
若林「23(歳)とかで、ふふふっ」
春日「ははははっ、あ~、言ってたね~」
若林「で、春日が『いや、やめなさい』とか言ってたもんね」
(スタジオ笑)
春日「ツッコミだからね」
で、この原宿のクレープ屋「マリオンクレープ」でのライブは、トークの中でも触れていましたが、オードリーとHi-Hiが隔週で行っていました。
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原宿のクレープ屋での下積み時代で盛り上がるオードリーとHi-Hi
2011年12月17日放送「オードリーのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)
パーソナリティはオードリー(若林正恭・春日俊彰)。
ゲストはHi-Hi(岩崎一則・上田浩二郎)。
この日「THE MANZAI 2011」の本番があり、オードリーの先輩であるHi-Hiが大活躍。カスキ芸人そっちのけで、Hi-Hiを呼べないかスタッフが慌しく動きまわる。その甲斐あって番組の後半にHi-Hiが登場。ちなみにHi-Hiは、ボケが上田、ツッコミで坊主が岩崎。
上田「嬉しいんだよ!お前らの」
若林「分かるけど」
上田「お前らに呼んでもらえたことが~」
若林「俺らもめちゃくちゃ嬉しいから」
春日「いやいやいや、本当に」
若林「いや、実際だって、あの~、上田さんと春日とこの4人で、あの『マリオンクレープ』ね」
(スタジオ笑)
上田「やってたな~!原宿でな~」
岩崎「懐かしい~」
春日「下でね、呼び込みして」
岩崎「そうだよ~」
春日「『5時からライブやりま~す』ってね」
岩崎「そうだよ、5人ぐらいしか来なくてな~」
春日「はっはっはっはっ」
若林「10年、12年ぐらい(前)っすか~」
春日「いや、そうでございますよ~」
楽屋で誰とも話さず本を読んでいたオードリー若林
上田「でさ、俺今でも覚えてるんだけど、若林がさ、楽屋でずっと本を読んでて」
若林「ははははっ」
上田「誰ともしゃべんないわけよ」
春日「ええ、ええ、ええ」
上田「俺は、それで若林に『オマエ、そんなんじゃ絶対売れねぇからな!』って言ったの覚えてる?」
若林「う~、ああ、ありましたね」
上田「それから2年後、ドカーン!行ってさ」
若林「ははははっ」
岩崎「ああ、違うんだ」
上田「あ、違うんだ、若林ごめんな、つって」
(スタジオ笑)
上田さんの話は、オードリーがブレイクする2年前のこと。原宿のクレープ屋時代からだいぶ長い期間、若林さんは何かを抱えていたのが分かりますね。暗黒の苦悩的なモノでしょうか。
「オードリーのオールナイトニッポン」を聞いていると、若林さんのそのダークサイドな部分が電波に乗っかっちゃうことがあります。でもそれがオードリーの魅力になっている。そう私は思います。