笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

バナナマン設楽「コントの人は二度売れなきゃいけない」

賞レースで活躍した勢いを、そのままバラエティ番組で発揮することが難しくなってきました。

もはや「お笑いブーム」に頼れる時代ではありません。そもそも競技が違うとも言われます。そんな状況をさらに細かく見ていくと、漫才かコントの違いで難易度がだいぶ変わってくるようです。

コントをやるとき「自分はただの入れ物」でしかない

2015年3月19日放送「しくじり先生 俺みたいになるな!」(テレビ朝日)

レギュラーはオードリー若林(担任)、平成ノブシコブシ吉村(生徒)。

過去に大きな失敗をしたタレントが先生として登場し、しくじった経験から得た教訓を生徒たちに教えるバラエティ番組です。「俺みたいになるな!」と自虐的でありながら熱くて笑える授業が人気を呼び、今年の春に深夜からゴールデンに進出することが決まっています。

この日は特別編で「ビッグチャンスをつかんだのに進路でしくじった先生」による職員会議でした。職員室に集まった先生は、パンクブーブー、かもめんたる、やまもとまさみ、タイムマシーン3号の芸人4組。さらに悩める生徒としてシソンヌも加わり、バラエティ番組でしくじってしまった理由をテーマに会議を進めていきます。

2013年「キングオブコント」の王者・かもめんたる(岩崎う大・槙尾ユースケ)が考えてきた授業内容は、コントの芸人ならではの悩みでした。

槙尾「ちょっと次の資料を見ていただきたいんですけども」
若林「ああ、行きましょう」
槙尾「『コントのキャラが芸人としてのハードルをあげてしまった』」
若林「えっ、キャラが? これどういうことですか?」
う大「やっぱコントでは、かなり(キャラを)作り込んでいるんで、わりと分かりやすく気持ち悪い人を演じるんですけど」
若林「うんうん」
う大「そうするとなんか、コント面白かったから、トークでもすごいキテレツなキャラで色々しゃべってくれんじゃないかと思われるんですけど、それができないんです」

2014年「キングオブコント」の王者であるシソンヌ(長谷川忍・じろう)が共感します。

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