笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

アメトーーク「最初、すごく暗かったけど段々明るくなってきた芸人」を見て

見たお笑い番組の感想をだらだらと書いてみたい。

そんな衝動に駆られたので、今回は「アメトーーク」を見た感想を。

芸人の闇の部分にスポットライトを当てる「アメトーーク」

2011年9月8日放送「アメトーーク」(テレビ朝日)

司会は雨上がり決死隊(宮迫博之・蛍原徹)。
テーマは「最初、すごく暗かったけど段々明るくなってきた芸人」。
メンバーはピース又吉、インパルス板倉、ハリセンボン箕輪、スピードワゴン小沢、笑い飯西田、麒麟川島、たんぽぽ、平成ノブシコブシ吉村。

今回のリーダーは、この企画をプレゼンした又吉さん。いわゆる芸人の闇の部分にスポットライトを当てた企画です。宮迫さんが冒頭で触れましたが、メンバーのほとんどが「気にしすぎ芸人」と「中学の時イケてないグループに属してた芸人」と「人見知り芸人」の集まり。

私は見終わって、ちょっぴり勇気をもらいました。

平成ノブシコブシ吉村「一緒に伝説作ろうぜ!」

メンバーが語るエピソードに共感して頷きながら、私の体はずっと熱くなりっぱなし。ただ、たんぽぽの2人が語るエピソードは次元が違いすぎて、別の意味で熱くなりましたけど。^^;

芸人になったばかりの頃、舞台で下を向いたままの映像が紹介された、平成ノブシコブシ吉村さん。今のキャラクターからは想像も出来ない姿に対して、

吉村「もうイヤだったんです、(舞台に)出るのが」
蛍原「え~」
吉村「もうそれぐらい、もう、やっぱ暗くて」
宮迫「(驚きを隠せず)舞台で下向いてるって」
吉村「だからもう、北海道から最初、出てきたんですけど」
宮迫「あっ、北海道なんや」
吉村「山手線乗ったときにもう人が混み過ぎて、たまたま真ん中のほうに乗ったんですけど、『あの、すみません……』が言えなくて、降りれなかったんですよ」
(スタジオ驚きの声)

これほどじゃないですけど、気持ちはよく分かります。

バスの出口から遠い位置に座り、それから段々混み出してくると、自分の降りる停留所のひとつ前あたりから、もうソワソワが止まりません。「明るくなってから断ることが出来るようになった」とも語る吉村さん。今回の企画で、吉村さんの話が一番共感出来ました。そして、ちょっと好きになりました。

「人見知り芸人」のときにも感じていたことなんですが、「最初、すごく暗かったけど段々明るくなってきた芸人」でより明確に、あるメッセージが発信されていたように思います。それは、「このままじゃいけない」。

人見知りが治るノート

人見知りが治るノート

「人見知り芸人」が発していたメッセージ「このままじゃいけない」

明るくなろうとしたキッカケについて、順番に話していくメンバー達。いろんなキッカケがありますが、全員に共通してるのが、「このままじゃいけない」という意識。そのように私はテレビ画面から受け取りました。実際、そう話していた人もいました。

「勇気をもらった」と最初に言いましたが、「人見知りのままでいい、暗くてもいい、今の自分のままでいいんだ」という現状維持に対して与えられた勇気ではありません。

「このままじゃいけない」という意識から芸人になったり、また、芸人になってから気付かされてたりして、自分を変えていって、暗かったときの話を笑い飛ばしている。今、「アメトーーク」のひな壇に座っているのは、そういう人達の集まりだと。後からネタに出来るのが芸人の強みだよね、とちょっと羨ましくもあり。

なので、「勇気をもらった」は、「現状に満足せずに一歩を踏み出す勇気をもらった」という意味です。

布袋寅泰「幸運は勇者の味方をする」

無理やり持ち出してきた感は否めませんが、NHKの「トップランナー」に布袋寅泰さんが出たときに、彼が語った言葉です。幸運というものは、じっと待っていれば空から勝手に降ってくるのではなく、勇気を出して一歩踏み出した者のところに訪れる。

私はこの言葉が大好きで、いつも心の中に置いておくようにしています。そして、今回の「アメトーーク」で、この言葉を改めて思い出しました。

それにしても吉村さんの笑い声のガヤは、すごい心地いい。吉村さんの好感度が猛烈にアップ中。「ロンハー」でのおっぱいチラ見も吹き飛びました。^^;