笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ウッチャンと重ねながら子育てについて語る松本人志

正直、お笑い番組の「リンカーン」を見たいと思わない時期がありました。なぜか?と尋ねられると、私の心に棲みつくどうしようもない闇が浮き上がってきます。それは、キャイ〜ンやさまぁ〜ずが、ダウンタウンと毎週楽しそうにしていることへの嫉妬。
ウンナンファンであるが故の、しかしその集合体の中では私だけが抱えている、特殊で間違った感情という認識もあって・・・。そんなことで見ないのは、ウンナンと同じぐらい好きなダウンタウンを裏切ることだし、キャイ〜ンやさまぁ〜ずにも失礼。分かってはいるんです。その嫉妬を自分の中から消し去ろうとしても、心の片隅にへばり付いて、なかなか離れませんでした。
ただ、このような嫉妬をドロドロ燃やしていたのは番組が始まった当初だけでして、流石に今はサラサラになって、自然と外へ流れ出ていきました。結局、時間の経過による慣れが解決したみたい。でもゼロになったとはまだ言えません。^^;
そんな葛藤を乗り越え、ニュートラルになった私。今では毎週欠かさず見る数少ない番組になりました。そんなリンカーンで、「今までの私バカ!」と叫びたくなる場面に遭遇したことがありましたので、今回はこちらを紹介させてください。

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ダウンタウン松本とキャイ〜ン天野が車内で語り合う

2010年7月放送の「リンカーン」。

若干ある距離感を埋めるべく、ダウンタウン松本人志とキャイ〜ン天野ひろゆきが旅をするという「仲良し二人旅 松本&天野 in 日光」。2週に分けて放送されたこのコーナー。その2週目の放送、車内での会話において。

天野「僕あの〜、南原さんが昔・・・」
松本「うん」

いきなり胸がキュッ。

天野「『俺、ちょっと東京でね、子供を育てる自信なんかないよ』と」
松本「(意外そうな表情で)お〜」
天野「『東京みたいな街はね』」
松本「こんな街で」
天野「『危ないし』」
松本「うん」
天野「で、『だから子供なんか要らないんだ』みたいな話をされてて」
松本「(深く納得するように)う〜ん」
天野「で、いざ、子供が出来たら、ふふっ、子供の話ばっかり!」
松本「あっはっはっはっはっ!」

天野っちのナイスなフリが炸裂。

松本「面白いな〜、分かるわ〜」
天野「そういうことが分か・・・」
松本「そんなんなんねん」
天野「そういうのが・・・」
松本「でね、違うんよ」
天野「はいはい」
松本「俺多分、俺ウッチャンもそうやと思うけど・・・」

キュッとなってた胸から、ジワ〜と熱を帯びた何かが溶け出して、顔まで伝わって来ます。

松本「後輩はいっぱい結婚してて」
天野「はいはいはい」
松本「子供おる後輩いっぱいおるわけよ」
天野「はいはい」
松本「でも多分、俺とか、ウッチャンの周りにもいっぱいおったんやけど、言えへんのよ!子供の話を俺らに
天野「ああ〜、はい」

「俺ら」=「松本人志と内村光良」ですよね。胸から迫ってきた熱いモノが、目の奥にまでもう到達しています。

松本「そんなん興味もないやろ、と思っ・・・てたやろうし」
天野「はいはいはい」
(同時に頷く松本と天野)
天野「うん」
松本「下手になんや、『うちの子供がね〜』とかあんまり言うと」
天野「そんな話したら、家庭に入った感じの」
松本「『なんやねん!さっきから子供の話ばっかり、どうでもええねん!』って言われそうな気がしたから」
天野「そのイメージ、ははっ、そのイメージです」
松本「多分、一切俺に子供の話しなかった」
天野「はい」
松本「だから、子供を育てるという知識が全くないから〜」
天野「ゼロからなんすね」
松本「もう・・・発見ばっかりで」
天野「くっふっふっふっ」
松本「何でもっとお前ら俺に言うてくれへんねん!って、今腹立ってるのよ」
(天野笑)

ここから松ちゃんの子育てトーク炸裂。「内村さまぁ〜ず」でのウッチャンの子供成長トークを聞いているときと重なります。松ちゃんとウッチャン、お互いのお子さんが、同い年で女の子。こんな偶然あるのでしょうか?とりあえずいろいろ妄想しちゃいますよ。10数年後に・・・とか。
リンカーンを見ていると、「ウンナンの話が出てこないかな?」という目線もありますが、毎週普通に楽しむようになれたからこそ出会えた、まさに「ちょっとヒヒ話」でした。しかしキャイ〜ン天野さんの懐に入る巧みさは、一体なんなんでしょうか?羨ましい才能です。

ちなみに、松ちゃんが結婚したときのウンナンへの報告については、「ウッチャンナンチャントークライブ2009」で触れられています。興味のある方は是非。^^;

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