笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ダウンタウンについて語るウンナン

以前に書き起こした回のラジオ「ウンナンタイム」、改めて最初から最後までじっくり聞いていたら、ウンナンがダウンタウンについて語っている部分がありました。
ダウンタウン、特に松本人志がウンナンのことを語ったり、書いたりすることはありました。ですが逆に、ウンナンの方が語るのは極めて珍しいことではないでしょうか。そんな稀有な状況が生まれたのは、リスナーからの質問ハガキがきっかけでした。今回はこのときのトークをご紹介させて下さい。

クイック・ジャパン 104

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同じ釜の飯を食った戦友

2005年8月20日放送のTBSラジオ「ウンナンタイム」。

「ダウンタウンについてどう思いますか?」というリスナーから質問のハガキが届きます。

内村「『ウンナンさん、こんばんは』」
南原「こんばんは」
内村「『少し前に、とある番組で、ダウンタウンの松本さんがウンナンさんのことを、同じ釜の飯を食った特別な存在かなと言ってましたが、え〜、ウンナンさんにとってダウンタウンさんとは、どんな存在ですか?さらに松本さんは、内村さんの歳を、俺より2つ上や、めっちゃ付き合い長いねんから知ってるよ、と断言してましたが』」
南原「ふふ」
内村「『あとで、内村さんと南原さんの本当の年齢を知り驚いてました、お2人はダウンタウンさんの歳を知っていますか?』ということでですね」

松本人志の「同じ釜の飯を食った戦友」、このフレーズはもう名言中の名言ですね。

内村「いっこ上です」
南原「えっ、上と思ってたの?え〜、へっへっへっ」
内村「あの、俺の歳をね」
南原「あっ、そう〜」
内村「年長に見えたのかな?やっぱ俺って、人となりが、外見が」
南原「距離置かれてたんじゃない?」
内村「うっふっふっ、あれ?いっこ上ですよね、学年でいうところの」
南原「いっこ上、そう」
内村「え〜、あの〜、ダウンタウンの2人がいっこ上です」
南原「そうそうそう、41・・・ですか?来年42か、いや今年42になるんだな」
内村「1年先輩です」

年齢を確認した後、ウンナンとダウンタウンの運命的な出会いの話へ。

「お笑いスター誕生」のオーディションで運命的出会い

内村「だって、俺ら学生のときにテレビで見た、な?」
南原「専門学校のときね、あの〜、『お笑いスター誕生』に出てるのをね」
内村「あっ!そうだよな、『お笑いスター誕生』、うちらが初めてオーディションに行ったときに、居たんだよね」
南原「居た!」
内村「そうだよ!そんとき初めて見たんだよ、ダウンタウンを」
南原「俺ら学生のときに、『あ〜、そうだそうだ』って、同世代って少なかったから〜」
内村「う〜ん、そうそうそう、居たんですよ・・・」
南原「あのね、あの〜、お母さんコントを・・・、お母さん漫才をやってたかな、トンットンットンットンッって」
内村「あ〜・・・、(笑いが吹き出して)思い出した、そうそうそう、よく覚えてんな〜」
南原「ね!そうそう」
内村「はいはいはい、やってたやってた・・・、そうですよ、だから向こう、デビューが2年ぐらい早いんだっけ?」
南原「いや、もっと早いよ、高校卒業してちょっと経って、でしょ?」

まさに運命的な出会い。この2組の歩んでいるお笑いという道が数年後、1本に繋がるのはこのときに決まったかのよう。
さらに運命的なのは、ウンナンはこの日のオーディションに来る予定ではありませんでした。急な欠員が出たために、次のシリーズからと言われていたウンナンにプロデューサーから連絡が入ります、そしてこの日、急遽オーディションに参加したのです。

濃密な時間を過ごした「夢で逢えたら」

やっぱりこの2組の話となれば「夢で逢えたら」。

内村「ま、その〜、『夢で逢えたら』という番組で、3年半・・・ぐらいかな〜、一緒にやってましたね」
南原「そう、意外とね、短いんだよね」
内村「そうなんですよね!今振り返ると」
南原「今振り返ると、期間としては短いの」
内村「でも、ものすごい長い気がするよね〜、あの『夢で逢えたら』という番組」
南原「長い間やってた気がする」
内村「うん」
南原「深夜もやってたし、11時台もやってたしね」
内村「うん、まあ〜、よく昼から夜中までやってましたね、あん時は」
南原「(かみ締めるように)やってました」
内村「朝3時、4時は当たり前、という感じでやってました」
南原「ええ〜」
内村「若かったっすな〜」
南原「体力があったね」
内村「体力がありました」
南原「うん」

昔を懐かしむように、目を細めながら語るウンナン2人の姿が見えるようです。

ダウンタウンは他とは違う特別な存在

内村「いやでもホント、同じ釜の飯を食ったというか、なんかちょっと違いますよね」
南原「そうね〜」
内村「他のあの〜、コンビとはちょっと違う」
南原「そうね、やっぱり・・・、一生な時期に、一緒のことやってたからね〜」
内村「その〜、25、26あたりのね、一番その、時代に、一緒にやってたという感じで」
南原「そうそう」
内村「やっぱ、ちょっと他とは違う」
南原「まあ、特別ですわな〜」
内村「はい」
南原「う〜ん」
内村「という感じですかね」

ダウンタウンに対する言葉を噛み締めるように紡ぎ出す。もう胸がぎゅ〜っと締め付けられます。

ダウンタウンのおかげでディズニーランド

さらに「夢で逢えたら」の思い出話に花が咲きます。

内村「え〜、南原が1番そうだね、始めたときは南原、だって23ぐらいだもん」
南原「そう、俺が1番年下だったんだよね」
内村「23でやってんだな〜」
南原「いや、お前と同学年なんだぞ」
内村「はっはっはっはっ」
南原「お前なんで!お前、えらい上からモノ見るんだよ」
(作家のあんちゃん笑)
南原「お前も変わんないんだよ、半年ぐらい早いだけなんだよ」
内村「(完全に小バカにした口調で)こ〜んなだったもんな〜」
南原「あっはっはっはっ」
内村「こ〜んなちっちゃかったもん、お前、23のとき」
南原「はっはっはっはっ、お前ほんと・・・」
内村「あんまりモノも言えずにな〜、くぅ〜」
南原「あっはっはっはっ、お前親戚のオヤジか」

ナンチャンをいじるウッチャンの図。

内村「印象に残ってんのはね〜、あの〜、ふふふっ、ダウンタウンの2人がですね、食中毒をおこしたとかいう」
南原「あ、そうそうそう!」
内村「なんか、なんか弁当がアタったとか、なんだっけな〜?あれ」
南原「(思い出せない様子で)いや〜」
内村「なんか大阪から来れなくなった」
南原「来れなくなったんだよね〜、ま、食中毒かどうか分からないけど、で、なんか、あれだ・・・」
内村「空いたんだ、スタジオ収録が飛んだんで」
南原「で、どうする?ってなって」
内村「うん」
南原「みんなで、野沢直子とかね」
内村「はい、ミッチャン(清水ミチコ)と」
南原「ミッチャンとかで、ディズニーランドへ行ったんです」
(スタジオ笑)
内村「そうです、ディズニーランドに行きまして、ふっふっふっ」
南原「これはもう、ダウンタウンの2人のおかげです」
内村「そうです、2人のおかげで私、初めてディズニーランドに行きまして〜」
南原「え!初めてだったの?」
内村「はい」
南原「あ〜、貧乏だったからね〜」
(作家のあんちゃん笑)
南原「酒屋、酒屋で配達ばかりしてたから」
内村「あっはっはっはっはっ」
南原「ねぇ〜、駆けずり回ってたから」
内村「はい」
南原「ほんで借金残ってたんだもんね〜、あん時」
内村「これが夢の国!?」
南原「あ〜、そうそうそう、もうダウンタウンの2人のおかげじゃん」
内村「そうですよ〜、2人のおかげでディズニーランド」

お返しとばかりに、ウッチャンをいじるナンチャンの図。
なんかの番組で、仕事が辛過ぎて東京に行くのがイヤだから食中毒ということにしようと、仮病であったことをダウンタウンは、のちに明かしていたと思います。確か。

ダウンタウンに衣装を貸していた

南原「あとね、あの2人洋服が無かったんですよね」
内村「あ〜そうですね、あの〜、衣装がその当時あんまり無かったから」
南原「無くて、半分大阪で、半分東京だったんで、『洋服貸してくれ』って言われたんですよ、ふふっ」
(作家のあんちゃん笑)
内村「そうです、私パンツを貸したことがあります、浜ちゃんに」
南原「そうそうそう、収録のときにね」
内村「うん」

このエピソードは有名ですね。ウンナンから衣装を借りて、それを楽屋で着替えるダウンタウンの姿を想像すると、微笑まし過ぎて。^^;
「夢で逢えたら」が終わり、この2組の歩むべき道は、再び分かれて行きます。道は違えど、時々様子を見に来たり、踏み外しそうになったら駆けつけて手を差し伸べたり、ある時には音楽ユニットを作ってちょっと遊びに行ったり。そんな2つの道をず〜っと見つめてきました。それが「ドリームマッチ09」で、再び1本に繋がったときにはもう・・・、私の中に長年溜め込んでいた感情が全て一気に溢れ出しちゃって。
この2つの道がまた交わる日を夢見て、ダウンタウンとウッチャンナンチャン、どちらも追いかけて行きたいですね。