笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

出川哲朗はお笑い芸人ではなく劇団員

今回の「出川哲朗の俺をおいしくしろ!」は、なんと!ナインティナインの岡村隆史がゲストで登場しました。岡村さん、今年は挑戦の年と位置付けているようで、この番組への出演もその一環だったのでしょうか。

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岡村隆史、イッテQ!に感動

「出川哲朗の俺をおいしくしろ!」。ゲストに、ナインティナイン岡村隆史。

登場して、いきなり主演映画「てぃだかんかん」の宣伝。そして、一通り宣伝し終わったところで、意外にも岡村隆史から「イッテQ!を見た」という発言が飛び出します。

岡村「こないだイッテQ!見ましたよ、面白かった〜」
出川「なに?」
岡村「あの〜、飛んでいくやつ」
出川「あ〜、ペットボトルね」
岡村「ペットボトルのやつ〜」
出川「はいはいはい」
岡村「久々に感動しましたよ、出川哲朗ココに有り、っていうのを見させてもらって、もう正直、出川哲朗は終わったと思ってたんです、僕」
出川「ふっふっふっふっ、あの〜、珍しくオンエア終わってすぐに電話掛かってきたの」
岡村「そうそうそう、もう出川哲朗は結婚して終わったと、僕の大好きな出川哲朗はもう死んだんやと思ってたら」
出川「くっくっくっくっ」
岡村「イッテQ!見て、爆笑して、『うわっ!面白い、出川さん凄いやん』って思って、終わってすぐ電話したでしょ?」
出川「すぐ電話した、すぐ電話した」
岡村「『出川さん、感動しました』と、『もう最高に面白かったですよ』って言って」

あのペットボトルロケットは、出川哲朗の芸能史に必ずや残るであろう名作でしたね。その後は、年末のナイナイのオールナイトニッポンでのやり取りのように、出川哲朗は結婚して終わった話で、ちっちゃいおっさん同士の言い争い。

お笑いウルトラクイズの人間性クイズで二人は出会った

言い争い後、クールダウンすべく質問メールへ。「出川哲朗と岡村隆史の最初の出会いを教えてください」という質問に対して、

岡村「あの〜、最初あれちゃいます?がっつり仕事したんは、お笑いウルトラクイズ・・・、いや、浅ヤン、浅草橋ヤング洋品店で、ちょこちょこ出川さんとお仕事させてもらいましたけど」
出川「いや、浅ヤンの前です、もうウルトラクイズが一番最初です」
岡村「あっ、そうか、ほなウルトラクイズや、人間性クイズっていうので、出川さんとがっつりね」
出川「はい」
岡村「あの〜、お仕事させてもらって、あの、たけしさんがね」
(出川チャット画面を見ながら頷く)
岡村「宴会場で見てて、で、僕と出川さんがムチで叩き合うっていうね、あれも大役やったから〜」
出川「そうそう、それが初対面ですよ、はっきり覚えてる」
岡村「覚えてる、僕も覚えてる」

この人間性クイズもお笑い史に燦然と輝く名作でした。

出川「そんで、その当時、お笑いウルトラクイズは、たけしさんのお笑いウルトラクイズは、もう視聴率20パーセント」
岡村「うん」
出川「若手芸人の登竜門みたいな感じになって、その番組出たら次の日はスターになってるみたいな」
岡村「そうです、そうです」
出川「僕もその番組でブレイクする、仕事いっぱい貰えるようになったんだけど」
岡村「うん」
出川「そんとき、まだ・・・、まだそんなブレイクする前だったんだよね?」
岡村「ほんとそう、東京ローカル、『とぶくすり』っていう深夜番組をやらせてもらってる時やったから」
出川「まあ、真夜中の1時ぐらいのときだもんね」
岡村「2時前ぐらいの番組に出てて、それであの〜、呼ばれて、たけしさんの番組に」
出川「はい」
岡村「ほんとなんにも出来なかってん、みんな凄くて、たけし軍団さんとか居てて、ねえ」
出川「はい」
岡村「もう出川さんとか、ダチョウさんとかは、それなりにこう、前に出て行けるぐらいにはなってたんですけど、僕なんかなんにも出来へんかったから」
出川「うん」
岡村「出来へんかったけど、その人間性クイズいうて、あの〜、出川さんが僕を騙すドッキリやねんけど、実は逆ドッキリで、僕が出川さんを騙すっていう、それが最初でしたよね?」
出川「はい、まあやっぱ有名なドッキリだから、みんな見て、覚えてますね、あのドッキリ、『ドッキリ面白かった』、『懐かしい』とか」
岡村「そう」

私の記憶が確かならば、ウンナンの番組にしか出れなかった出川哲朗を出してくれたというお礼として、ウッチャンがこのお笑いウルトラクイズにちょっとだけ参加しました。ロープに吊るされたウッチャン、その下は熱湯、ロープを引っ張るダチョウ倶楽部達。そんなんだったと記憶しております。

まだ初々しかった岡村隆史を懐かしむ出川

出川「今、伝説・・・、ドッキリと言えば大体、よくテレビでね、いろんなところで」
岡村「そうね」
出川「その〜、伝説のドッキリっつって、出してもらえてんだけれども」
岡村「うん」
出川「まあ、そんときは初々しかったね、まだはっきり覚えてるのが」
岡村「うん」
出川「覚えてないだろうけども」
岡村「覚えてますよ」
出川「ムチの叩きあいをして、もう殿とかもすごい喜んでくれて」
岡村「そうそう、同じようなトランクス履いて」
出川「そうそうそうそう」
岡村「パンツ一丁で、ムチでしばき合いするんですけども、そんときにね、僕も失敗したらあかんと思って、たけしさんがモニタリングしてるし」
出川「はい」
岡村「こんな大きな舞台で失敗したらあかんと思って、出川さんを思いっきり、こうしばいて、しばかれる度に出川さんが『あぁ!あぁ!』って言うんですけど、ほんまにね?」
出川「痛い」
岡村「僕、失敗したらあかん思って、本気でしばきに行って、ほんで終わって出川さんの体見たら、もう全身ミミズ腫れが出来てて」
出川「もうミミズ腫れどころか、ちょっと赤くもう・・・」
岡村「そう、俺も必死やったから、我に返って出川さんの体見たら、もうすごい状態になってたから、あの〜、控え室行って、『出川さん、すみませんでした』と、『もうほんとに失敗が許されなかったので、出川さん、本気でいかさせて頂きました、ほんと申し訳ございません』と、頭を下げたんですよね?」
出川「(嬉しそうに)あ〜、覚えてるね」
岡村「覚えてますよ」
出川「そんときにはっきり言ったのが、『ナインティナインと申します、これからお笑い頑張って、出川さんみたいになりたいので』」
岡村「それは言ってない」
出川「言ってないか、うん、あっはっはっはっ!」
岡村「作り話言うたらあかんわ!」
出川「違う、違う」
岡村「ウソ漫談やん、今の」
出川「『出川みたい』は言わなかったかもしれないけど、とにかく俺は・・・」
岡村「『出川さんを見てました』と、昔から」
出川「うん、それは言わなかったかもしれないけど、とにかく『お笑い頑張りたいので、これからもよろしくお願いします』つって」
岡村「そう」
出川「頭もここまで(90度近く)下げて、なんて良い子なんだろうな〜、『薬とかも貰ってきましたけど、塗りましょうか?』とか」
岡村「(照れながら)あぁ、あぁ」
出川「この子、なんて良いのかな〜って思ったら、この・・・、ね、もう、15年、20年近くなったらこの有り様ですよ」
岡村「いや、でもほんまにオマエが、その結婚して」
出川「うん、そうそうそう」
岡村「結婚してから・・・」
出川「(岡村の頭を叩き)オマエじゃねえだろ!」
岡村「あ、そうか、先輩」
出川「20年前はね!こんな、オマエなんて絶対言わないような、こうやって(頭を下げて)ほんと『出川さん、ナントカカントカ』って」
岡村「いや、ほんまに出川哲朗、ずっと見てたから、昔『やるやら』で、あの〜、ほんとにまだ出川さんのこと全く知らなかったときに、あの〜、ゲームのコーナーで出川さんが出てきて」
出川「うん」
岡村「このちっちゃい人、ものすごく体動くな〜、めっちゃ体張るな、面白いな〜、誰やろ?と思ったら、のちの出川さんやったんです」
出川「なるほど、なるほど」

お笑いウルトラクイズで収録が終わり、岡村隆史がホテルのお風呂で体を洗っていると、グレート義太夫が寄ってきて背中を流してくれたんだそうです。これぞまさにちょっとヒヒ話。

出川哲朗とは畑が違う

出会ったばかりの頃は初々しくて、礼儀正しかった岡村隆史。それがいつからこんな風になってしまったのか、出川哲朗が問い詰めていきます。

出川「今、ナインティナインと言えば、もう自分たちの番組を持ったスターですけれどもね、ね」
岡村「ふっふっ、なんでそんなちょっと嫌味っぽく言うんですか」
出川「いつ、この俺を、出川哲朗を芸人として、タレントとして位置づけ的に、どの時点で俺を抜いたと思った?」
岡村「いや、そんな、出川さんを抜いた、なんて思ってると思いますか?」
出川「いや、いらない、いらない、そんなのいらない」
岡村「抜けないです」
出川「いらない、いらない」
岡村「ほんとに」
出川「もうみんな素直に答えているから、よゐこなんて早い段階で、あの〜、俺を抜いてたから」
岡村「う〜ん・・・、正直、畑は違うなと思ってる」
出川「畑が違う?」
岡村「うふふっ」
出川「くふっ、畑?いやいや、畑はおんなじだろ!」
岡村「出川さんとは畑が違う、出川さんって、お笑い、お笑いって、俺はお笑い芸人だって言いますけど、劇団員です」
出川「そう、ただのね、くっくっくっ」
岡村「もともと劇団員で・・・」
出川「別に俺!自分で・・・」
岡村「SHA.LA.LA.の、劇団の中のひとりじゃないですか」
出川「まあ正直言うとね、単なる劇団員だけどね」
岡村「劇団員がすごいお笑い好きで、そのまま横道逸れたみたいな」
出川「ふっふっふっふっ」
岡村「そういう〜、感じなんですね、僕からしたら」
出川「実質そうなんだけども」
岡村「ええ」

劇団員のつぶやき

出川「ほら、最初は俺も劇団員です、とかなんとか言ってたけども、例えばね、お笑いウルトカ・・クイズのときとかでも」
岡村「ウルトラね」
出川「そこで俺だけ劇団員です、って言うの頭おかしいでしょ」
岡村「うんうんうん」
出川「だからそのままもう、包み込まれるように、そうなってったんだけれども」
岡村「(笑いが吹き出し)包み込まれるように」
出川「ね、劇団員だとしてもね、タレントとしても、芸人としてもいいんだけどね」
岡村「うんうんうん」
出川「あの、芸人としての力量とかそういうんじゃなくて、この時点で、あっ、もうこいつに勝ったなと」
岡村「う〜ん」
出川「お笑いウルトラクイズのときに、ムチで叩き合って、『出川さんのおかげです』って言ってたのに、ね、その男にどこの時点で正直勝ったと思う?そのあと、浅ヤンとかで一緒になったじゃん?」
岡村「なった・・・」
出川「浅ヤンとか楽屋一緒だったじゃん?」
岡村「一緒やった・・・」
出川「でもしゃべったけど、正直そんなに、なんつうの、ちょっと他人行儀な感じで」
岡村「そうね」
出川「合わせる感じでしゃべってたよな」
岡村「うん、しゃべってた・・・」
(岡村の返答を待つように出川ドリンクを飲む)
岡村「あんまり出川さんのこと俺好きじゃないから」
出川「ふっふっふっふっ」
岡村「ふふっ、出川さんをそんなに俺注目して見ているわけでもないから」
(出川ひたすら苦笑い)
岡村「(笑いを堪えながら)その、ふふっ、抜いたとか、抜いてないとか、もう全然考えたこともないし、僕の根っこには劇団員や、ってのがあるから、畑が違うなと」
(出川、笑いながら岡村の頭を叩く)
出川「こいつ、ほんとに・・・、くっくっ、お前なんかオールナイトとかで言ってるらしいな、劇団員、劇団員って」
岡村「ひっひっひっひっ」
出川「それが、お前が、腹立つのが、ちゃっ、実際劇団員だけれども、劇団員と芸人、な・・・」
岡村「『お笑いであの番組見てないの?』、『お笑い芸人なのにあの番組見てないの?』とか言うじゃないですか?」
出川「言う、言う言う言う言う」
岡村「それは、劇団員の・・・」
(出川岡村の頭を叩き、崩れ落ちる)
出川「こいつ、ほんとに・・・、ほんと腹立つわ」
岡村「劇団員のつぶやき」

岡村さんは、出川哲朗はお笑い芸人ではなく劇団員だと言い、そもそも畑が違うとイジってましたが、本気じゃなくネタで言ってるような感じでした。念のため。そう言えば、怒り出すと知ってるんでしょう。^^;
そして、それとは逆に、学生時代からの友人であるウンナンや入江雅人は、すっかりお笑い芸人になってしまった出川を昔イジっていたのが、なんか対照的で面白いなと思うわけです。
その場面は、「気分は上々」の青春プレイバックの回でした。東MAXが運転手で、ウンナンと入江雅人も居る車内で、「テッチャンは変わったよ〜」と話すウッチャン。その言葉に言い返すこともなく、ただ窓の外を見つめて、黙りこくるのみの出川。その姿が、妙な切なさを醸し出していたものでした。
最後は「痛!足踏むな!」とか、カイロをお客さんに配る配らないで、ひと悶着するちっちゃいおっさん二人の図で配信は終了。まさに犬猿の仲、っていう構図を無理やり作ろうとする照れ屋さんな二人。そんな風に私には映りました。

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