笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

若井おさむの壮絶人生を救った松本人志の言葉

「ヨシモト∞」の配信が、GyaOからYahoo!に移籍しました。

生配信が売りのようで、過去のアーカイブを「いつでもどこでも見られる」という私にとっての最大の利点が無くなってしまったのがちょっと残念。

今回は、GyaO時代に過去のアーカイブにアクセスできたからこそ知ることができた「若井おさむの壮絶な人生」、そして、それを救った「松本人志の言葉」を紹介させて下さい。

人生に絶望して東南アジアの旅に出る若井おさむ

2007年11月6日配信「ヨシモト∞」(GYAO!)

出演者は千原せいじ(千原兄弟)、若井おさむ。

少年時代、母と兄から虐待を受けていた若井おさむ。そんな状況から這い上がり、20代前半で始めた居酒屋が大繁盛。ところが、やっと人生が軌道に乗りかけたときに唯一の味方だった父が他界。さらに、居酒屋が父名義だったため、その居酒屋まで兄たちに奪われてしまうのです。

一瞬にして何もかも失った若井おさむは、「人間はいったい何のために生きているんだ!」と人生に絶望。それまで貯めたお金を全部下ろして、死に場所を探しに東南アジアへ旅立ちます。

さまざまな国を巡る中、そこで出会った日本人観光客から「今、日本のテレビではダウンタウンの松本人志がドラマに出ている」と教えてもらいます。ダウンタウンの大ファンだった若井おさむは、「松本人志がドラマになんか出るはずがない!」と信じることができませんでした。ついには、それを確認するためだけに、一時的に日本への帰国を決意。

帰国して、松本人志主演のドラマ「伝説の教師」を視聴。すると、たまたま見た回のテーマがなんと「人間は何のために生きているのか?」でした。

ドラマ「伝説の教師」に出ている松本人志を見て、お笑い芸人になることを決意

ドラマの中で松本人志は言います。(松本の発言は若井が再現)

松本「そうやって眉間にしわ寄せたまま過ごして死んでいくんか、楽しく笑って過ごして死んでいくんか、どっちがいいか自分で考えろ、人間は笑うために生まれてきたんや

若井おさむは、この言葉に号泣。

若井「そうか、人間は笑うために生まれてきたんだ、人間に与えられた唯一の特権は笑うことだ! だったら僕も笑いを提供する仕事をしよう、死ぬ気になったら何でもできる!」

旅で見つけることができなかった生きる目的を松本人志から得た若井おさむは、30歳近くにして吉本の芸人養成所であるNSCに入学。そして、お笑い芸人として、人生を再スタートさせたのでした。

若井おさむさんがお笑い芸人になった理由が、こんなにもドラマチックなものとは知りませんでした。加えて、観に来ている客のことを考えて、若井おさむさんの話をちゃんと伝わるように質問を入れたり、深くて重い話に引かないように笑いを交えながらフォローして進行する千原せいじさん。その兄貴っぷりにも感動しました。

生きのびろ!若井おさむの機動戦士ガンダム名言集

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