笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

バカルディに抜かれてプライドを捨てた爆笑問題

太田光『文明の子』に桑田佳祐が紹介したジャズ歌手からイメージした主人公がいる」の続きです。

1月下旬に発売された小説『文明の子』のプロモーションということで、TOKYO FM「よんぱち」に爆笑問題の太田さんがゲストで出演。作品に込めた思いを熱く語りながらも隙間があればボケてくる、いつもと変わらない太田さん。

嬉しいことに、この後のコーナーにもそのまま残ってくれました。

爆笑問題のターニングポイント

2012年2月3日放送「よんぱち 48hours」(TOKYO FM)

パーソナリティは鈴木おさむ。
アシスタントは柴田幸子。
ゲストは爆笑問題の太田光。

鈴木「今週からこの時間、ゲストの成功のきっかけ、ターニングポイントを伺っていくんですけども、太田さん、ターニングポイントってたくさんたくさんあったと思いますけど」
太田「う~ん」
鈴木「どこですかね?」
太田「やっぱり『芸人交換日記』を最初に読んだときに」
鈴木「へへへっ、勘弁してくださいよ」
柴田「ふふふっ」
太田「コレは!っていう……」
鈴木「はははっ、いやいやあの~、ちょっと真面目に答えてくださいよ、太田さん」
太田「ははははっ、真面目に答えてるよね~」
(柴田笑)
鈴木「どこですか?芸人としてのターニングポイントあったと思いますけど」
太田「え~、芸人としての……」

再び『芸人交換日記』イジり。^^;

そんなボケをかました太田さんでしたが、爆笑問題のターニングポイントについてゆっくりと語り始めます。すると、意外なコンビの名前が。

仕事が無くなってどんどん若手に追い抜かれていく

太田「あの……結構出れない時期があったから」
鈴木「はいはい、事務所を移ってね、やめて」
太田「ええ、ほいで仕事がゼロになったときに、え~、何て言うのかな……若手に抜かれていくわけですよね」
鈴木「はいはい」
太田「で、あの、ライブには出れたんだけど、そんときにバカルディね、当時」
鈴木「今は、さまぁ~ず」
太田「うん、アイツらほとんど同期なんだけど、ちょっと何ヶ月か後輩なのね、俺らより」
鈴木「はい」
太田「で、バカルディがガーッと人気になって、あるときにもうその……干される前は俺ら、ライブでは必ずトリ(最後の出番)だったんだけど、呼ばれたら、バカルディがトリで、俺ら前座だったときがあるんですよ
鈴木「はいはいはい」
太田「それは別にバカルディが悪いわけじゃなくて、あの、主催者が悪いんだけど……悪くもないか、へへへっ」
(スタジオ笑)

バカルディに抜かれたという揺ぎ無い現実が、爆笑問題の意識を変えます。

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プライドを捨ててコンテスト番組にイチから挑戦

太田「そんときにがっくり来て、あっ、これで……要はちょっと、出れなくなる前っていうのは、結構もう番組やってたりもしたから」
鈴木「あ~、はいはい、そうですよね」
太田「だからね、こんなコンテスト番組とかってあんま、『今さら出ねえよ!』って、散々もうそれやってきての後だったから」
鈴木「うん」
太田「でも、それの状況になったときにね、で、バカルディがどっかんどっかんウケてて、俺らドンズベリして」
鈴木「へぇ~」
太田「それで、ああ、これちょっとダメだって思って、あの~、変なプライド持ってちゃダメだと思って、いろいろコンテストをもう1回、イチからやろうってのがあって」
鈴木「へぇ~」
太田「その後、『GAHAHAキング』があって」
鈴木「『ボキャブラ』も同時期?」
太田「『ボキャブラ』はちょっと後なんですけどね」
鈴木「はい」
太田「だから、『GAHAHAキング』とNHKの『新人演芸大賞』っていうのがふたつ同時に、挑戦してっていう、その辺が……ターニングポイントかな?

で、「ボキャブラ」に出なかったバカルディを、「ボキャブラ」に出たことによって再び追い抜いた爆笑問題。そう言ってもいいんじゃないでしょうか。

鈴木「だってあのときも、『GAHAHAキング』もそうですが、『今、爆笑問題が挑戦するんだ』っていう感じも見ててね」
柴田「はい」
鈴木「ありましたし」
太田「そうそう、言われた」
鈴木「そうですよね、で、『ボキャブラ』出たときも、『あっ、爆笑問題が今ボキャブラに出るんだ』って」
柴田「はい」
鈴木「あのときやっぱ、出ない人たちもいましたもんね」
太田「いました」
鈴木「さまぁ~ずさんなんか出てないと思いますけど、やっぱ出ることがね、魂を売るようにも……」
太田「うん」
鈴木「なんか言う人もいたんですよ~」
柴田「はい」
鈴木「だけど、ちゃんとそこをあえて通ったっていうのが……」
太田「大きかったね~、あれはね」

コンビとして進む道を決める時、相方の田中さんに相談するのか尋ねます。

ドラマ「恋愛ニート」での田中裕二の演技は気持ち悪いと笑う太田

鈴木「そういうのって、2人で話し合うんですか?やっぱり」
太田「ああっ、もう話さない!」
鈴木「はい」
太田「田中はだって、田中は絶対『ヤダよ!』って言うもん」
(スタジオ笑)
太田「アイツは、ふふっ、『なんで俺が、今さらそんなもんに出なきゃいけないの!』って」
鈴木「ふふふっ、本当ですか?」
太田「なんだ!『恋愛ニート』って」
(スタジオ爆笑)
鈴木「いやいや、関係ないです」
柴田「ははははっ」
太田「気持ち悪い演技しやがってよ~」
鈴木「今日10時から放送なんでね」
太田「ええ」
鈴木「へぇ~、それがじゃあ、1個やっぱり、ターニングポイントですかね」
太田「うん、三村のおかげだね~」
鈴木「あはははっ」

田中さんをイジる太田さんは本当に楽しそう。結果、ドラマの宣伝にもなりました。