笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ウリナリのロケ現場で起きたトイレ事件

「ウンナンの気分は上々SP」が帰ってきます。放送日は4月3日(日)、21時からの放送です。
前回に続いて2回目の上々SPであり、公式サイトで「やって欲しい企画」等を募集していることから、今後も「気分は上々」は特別番組として続いていくのではないでしょうか。そうだったら嬉しいね〜、嬉しいよ〜。

また「気分は上々」のDVDも発売されます。DVD発売に合わせての上々SPの放送だと思うので、当然っちゃあ当然ですね。上々DVDもどんどんリリースされていくことを期待したいです。

「気分は上々」の魅力はエンディングのウッチャンナンチャン2SHOTトーク

「気分は上々の魅力は?」と尋ねられたら、私はこう答えます。「番組のエンディングで、ウッチャンナンチャンが2人でフリートークする、2SHOTトークのコーナーだね」と。なぜ説明ゼリフ。今は年末のトークライブでしか、ウンナン揃ってのトークが見られない状況にあります。ウンナンファン度が高い人ほど「2SHOTトーク」への思いが強いと想像するんですが、その思いは年月を重ねる毎に強いものになっているのではないかと・・・。私はそうです。^^;
今回は過去の放送で特に印象に残っている「2SHOTトーク」の中から、ひとつ紹介させてください。

ある日の「気分は上々」の「2SHOTトーク」。

ウリナリのロケ現場で起こった出来事について語り始める南原清隆。

南原「我々、ロケとかやってるじゃないですか」
内村「(あまり食いつく様子もなく)ええ」
南原「ロケとかやると、トイレとか大変ですよね」
内村「はい・・・、どうしました?」
南原「こないだウリナリのロケで、あの〜、あそこに行ったじゃない、お台場のほうのでっかい広場」
内村「(ちょっと食いついて)あ〜、はいはい、行きました」
南原「あそこ、トイレが・・・、ま、まあ一応、ロッジみたいのがあって、男子トイレと女子トイレ」
内村「トイレは後ろのほうにありました、ええ」

明らかに興味なさそうなウッチャン。^^;

ナンチャンの想定外その1「トイレに紙がない」

南原「で〜、(便意を)もよおしちゃったんですよ」
内村「ええ」
南原「あっ、ダメだと思って、で、ササッと行ってみたら、紙がなかったんですよ
内村「ああ、はいはい」
南原「男子トイレは1個しかないんですね」
内村「ああいうとこはね、ないからね〜、紙がね」
南原「ええ、1個しかないから、隣見ても無いから〜、パッパッと戻ってきて、マネージャーに」
(不思議な含み笑いを見せる内村)
南原「『紙もらって来てもらえる・・・』って」
内村「うんうん」
南原「(マネージャー)『すいません、ティッシュ忘れて・・・、あっ、ここにあります』って、ちょうどあの〜、メイクさんのティッシュがあったのよ」
内村「あ〜、はい、ふふふっ」
南原「『もうそれでいい』つって、『急いでいるからソッコー、ソッコー』」
(内村笑)
南原「(マネージャー)『分かりました』つって、パッ、パッって(ティッシュを手渡す仕草)」
内村「うん」

ちょっと食いつき始めた様子のウッチャン。

ナンチャンの想定外その2「戻ってきたらトイレに先客が」

南原「で行ったら、(トイレのドアの前で)はっ!驚くべきことに、僕が今入ろうとしたトイレに、人が入ってるんですよ!
内村「ああ〜」
南原「閉まってるんですよ!1個しかないんですよ」
内村「そうそうそう、あれ1個しかない」
南原「でも僕はしたいときが、出るときだから」
内村「うん」
南原「もう!」
(頭を下げて笑う内村)
南原「外は雨なんです、サーっと」
内村「はいはい、雨降ってましたね」

そのトイレに入ってる先客が出てくるのを待ってるほど余裕はないナンチャン。

南原「やばい!どうしよう!と思ってる・・・、迷ってる暇がないんです」
内村「うんうん」
南原「1回、表出たら、(何かに気付き横を見て)フッと、赤いマーク・・・」
内村「うん・・・、(生返事してから事の重大さに気付いたように)あっ!」
(スタジオ笑)
南原「ふっふっふっふっ、え〜い!ナムサンと」
内村「うん、ふっ・・・、うん、(笑いを堪えられず)ふっはっはっはっ、どうかバレない事を祈りつつ」
南原「どうかバレない事をお祈りしてて」
内村「うん」
南原「よし!今だ、タッ、タッ、カシャッ(女子トイレに入り、すばやくカギを掛ける)、音もせずに」
(すばやく反転する南原)
内村「カッコいい〜」
南原「一応、ティッシュがあるから、便器を拭いて」
内村「おお」
南原「流しながらもセーフだったんですよ」
内村「ほ〜」

誰にも見られずに女子トイレに駆け込んだナンチャン。これで一件落着と思いきや・・・

ナンチャンの想定外その3「女子トイレに誰かが入ってきた」

南原「ほっ、よかった〜、これでもうバレずに済む、完全犯罪・・・と思ったら」
内村「うん」
(女性の声)「紙ないね」
南原「え!?と思ったら、女性がひとりトコトコと入ってきたんですよ!
内村「おお」
(女性の声)「あっ、こっち紙ない、あ〜」
南原「と言いながら、その女性はあきらめて、手を洗ってる」
内村「はいはい」
南原「どうやら声からして、誰かのマネージャーみたいなんですね」
内村「うん、ふふっ」
南原「千秋か、ビビアンのマネージャーって感じなんです、あわよくば・・・」
内村「ふっふっふっふっ」
南原「もしもここで出て行っても、まあマネージャーだから、大丈夫だな〜」
内村「うん」
南原「これがタレントだったらすごい恥ずかしい、ましてや千秋とかだったら、人に言われてめちゃくちゃ恥ずかしい!」
(スタジオ笑)
南原「アイツに知れたら、一斉に分かっちゃうぜ!と、アブネー、アブネーと思ってたら」

とりあえず女性の声が千秋じゃなくて安心するナンチャン。が、しかし・・・

ナンチャンの想定外その4「女子トイレに甲高い声の別人が入ってきた」

(女性の声)「おはようございます!おはようございます!」
南原「はっ!」
(女性の声)「ね〜、ね〜、どうなってる〜?」
内村「あっはっはっはっ!」
南原「どっかで聞いた、甲高い、ボケビな声が、聞こえてくるわけです
内村「うんうん」
南原「千秋が入ってきたんですよ!」
内村「うん」
南原「やばい、どうしよう・・・、と思ってたら」
(千秋)「あ、ここ紙がない」
南原「あ〜、でも、ここは黙っとこう、もう時間が経つのを」
内村「じっと息を凝らしてたんだ」
南原「息を凝らして、待っとこうと」

千秋がトイレから出て行くまでじっとしとこうと決めたナンチャン。早く出て行ってくれと時が過ぎるのを待っていたら・・・

ナンチャンの想定外その5「千秋がドアをノックしてきた」

南原「じ〜っとしてたら・・・、『コン、コン』(ドアをノックする音)」
内村「ふっ!」
(千秋)「そっち、紙あります?
内村「あっはっはっはっはっ!」
南原「『コン、コン』って!」
内村「ヤツは問いかけてきたんだ!?返事をせえ!と」
南原「うん」
内村「お前は誰だ!?さっきから、長いこと入ってる女だな、と」

ナンチャン、大ピンチ。^^;

南原「ふっ、いや〜!一世一代の大ピンチですよ」
内村「ええ」
南原「どうしよう!でも、自分の中でシミュレーションするんですね」
内村「うん」
南原「(女性の声を真似しながら)ありませ〜ん、んんっ、ないで〜す」
(スタジオ笑)
南原「と言おうと思ったんですけど、これだと明らかにバレる!どう考えても!」
内村「ふふっ、うん」
南原「でまた、『コン、コン、あります?、コン、コン』と、そのとき僕ね・・・」
内村「うん」

しかし、神様はナンチャンを見捨てませんでした。

南原「不思議とね〜、ふふっ」
内村「ふっふっふっ、どうしたんですか?」
南原「体が勝手に動きますね、『コン、コン、あります?』ったら、手で(右手の甲でノックする動作で)『コン、コン』」
内村「あっ、なるほど、なるほど」
南原「僕の中では・・・、『コン、コン(無い、です)』」
(スタジオ笑)
内村「あ〜、『無いです』の2回だったんだ」
南原「(ドアを2回ノックする動作で)『無い、です』」
内村「なるほど、なるほど」
南原「したら、奇跡が起きたんです」
内村「お〜、どうしたんですか?」
南原「通じたんですよ!」
(スタジオ笑)
内村「おお〜!」
(千秋)「あっ、ないんだ〜」
内村「あっはっはっはっはっ、ほえ〜」

こうして奇跡が起きて、ウリナリのロケ現場で起こったトイレ事件を何とか乗り切ったナンチャン。が・・・、事件はこれで終わりません。

南原「まっ、今日一日終わればね、今日一日終われば、この日は何も無かったことになるだろう、と思ったんですけども」
内村「うん」
南原「たまたまライブを見に行ったんですよ、鶴瓶師匠の、ライブを見に行って、カッちゃん(勝俣州和)と見に行って座ってたら」
内村「うん」
南原「横で」
(女性の声)「ここ、いいですか?」
南原「(振り返り)『おおっ!』、千秋がいたんです」
内村「はいはいはい」
南原「千秋が座って、鶴瓶師匠のライブもね、『こういう告白とかね、恥ずかしいこととか、芸能人どんどん言わなきゃダメなんだ』って、そういう話を鶴瓶師匠したんですよ」
内村「うん」
南原「もうどうにもこうにも耐えられなくなって!」

鶴瓶さんのライブに感化されたナンチャン。千秋を呼び止めて・・・

ナンチャンの想定外その6「千秋がまさかの告白」

内村「うん」
南原「『待ってくれ、千秋・・・、あそこの女子トイレにいたの、俺だったんだよ』」
(スタジオ笑、無言で頷く内村)
内村「うん、うん、で?」
(千秋)「知ってたよ
(スタジオ爆笑)
内村「自分の中じゃあ、もう罪の意識で」
南原「ヤツはもう大人だったんです」

千秋さんは立派な大人だったのです。これで話は終わりません。ずっと聞き役だったウッチャンが最後に・・・

ナンチャンの想定外その7「ウッチャンがまさかの告白」

内村「あ〜、そうだったのか〜、あの音は南原だったんですね」
(頷く南原)
内村「あの男子(トイレ)のほうに入ってたの、俺だったんですよ
(スタジオ爆笑)
南原「(後ろに仰け反りながら)お前だったのかよ〜!!」
(サメの目で冷たく笑い続ける内村)

3月11日に「当たり前であったコト」が崩れていく体験をしました。携帯電話は繋がらない、電車は動かない、電気が止まる。
当時は「気分は上々」が毎週放送されているのが当たり前でした。今になってそれがどんなに幸せだったかを深くかみ締めています。なので「気分は上々」が特番で戻ってくると聞いたときは、本当に嬉しかったです。崩れ去った当たり前を少しでも取り戻せると。
「当たり前のコト」は失わないと、その大切さを感じることは出来ないのでしょうか。いや、そういった思いを抱かないからこそ「当たり前のコト」と呼べるんでしょうね。とかなんとか言っちゃって。