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笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

コントは今ゾンビ状態なのでしばらく辛抱が必要

笑う犬

InterFMで放送中の「ほぼ週刊 ○○ナイト!」に、吉田正樹さんが登場しました。従って、番組名は「ほぼ週刊 吉田正樹ナイト!」。
説明するまでもないと思いますが、吉田正樹さんは元フジテレビ社員で、「夢で逢えたら」「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」「笑う犬シリーズ」等を手がけてきた方。ウッチャンナンチャンが今あるのは吉田正樹さんのおかげと言っても過言ではないはず。
1日30分のこの番組に計4日間ゲスト出演しましたので、ボリュームとしてはちょうど2時間番組ほど。進行役のジョー横溝さんは落ち着いた語り口がダンディで、深夜のFMラジオにぴったり。大人の語らいといった表現がしっくりな放送でしたが、今回はその中で印象深かった部分を紹介させて下さい。

人生で大切なことは全部フジテレビで学んだ ~『笑う犬』プロデューサーの履歴書~

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大衆に支持されてこそのテレビ

2010年11月第3週放送のInterFM「ほぼ週刊 吉田正樹ナイト!」。

DJはジョー横溝。ゲストは吉田正樹。
テレビの世界で生きる若者に対して、勘違いでもいいから突き進め、間違ってたらバカヤロー!と怒られたらいいんだと語る吉田さん。そこで横溝さん、あえて視聴率という、テレビの世界に身を置けば避けることの出来ない現実を吉田さんにぶつけます。

横溝「その若者が1番現実的にこう・・・、なる瞬間ってのはいわゆる数字、っていうやつなのかなと思うんですけども、あの〜、これまあ2冊の著書本を読ませて頂きまして、例えば、近著のほうではですね、『大衆の中に神がいる』というようなことを仰ってました、自らの教養主義がそこで敗退したということで」
吉田「うん」
横溝「確かにこう正解は、まあ、ボブ・デュランじゃないですけども、『答えは風の中』と言いますか、大衆の中にあるような気がします」
吉田「うん」
横溝「しかしそこばかりを目指していると、視聴率が目的ではダメだということも、え〜、『怒る企画術』のほうでは仰っているんですけども、この数字・・・、僕らってこれしか基本、評価されない部分があるんですけど、どうしたらいいんでしょうかね?」
吉田「あの〜、これはあらゆる人に繋がると思いますよ」
横溝「はい」
吉田「視聴率、それは売り上げとか、そういう全部、その世の中の掟ですよね」
横溝「はいはい」
吉田「ね、つまりそれは、みんなが買ってくれないと、みんなが支持してくれないと成立しない、それはね、あなたが独りよがりでは最終的には勝利できないという、そういう教えなんですね」
横溝「あ〜、なるほど」
吉田「もちろん数字を気にしなくていいわけ、だけど、良いモノには必ず数字はついてくる、最終的にはですよ、ある程度のレンジ(範囲)があれば」
横溝「うん」
吉田「1回で・・・、百発百中で当てろ、それは出来ない、だけど、10本作って3本当てるってのは、まあそれぐらい当たらないと、プロとは言えないと思いますね」
横溝「うん」
吉田「で、まあ僕は、99回外しても1回当てれば全部取り戻せるのがテレビ、クリエイティブの世界だと書きましたが、とは言え、やや負けとか、やや勝ちも入れれば」
横溝「ふふふ」
吉田「3割ぐらいがまあまあ許してもらえると思って作ってますが、そんなかでやっぱ大ホームランを作っていくと、で、それが世の中を変えていくんだ、という考え方なのね」
横溝「うん」
吉田「ん〜、だから最終的にどっかで、大衆に支持してもらわないと残れない、全部外してます、全部視聴率が悪いですっていうは結局、あなたの独りよがりのモノだったんですね、という」
横溝「なるほど」
吉田「そうならない、歴史に残るっていうことはそういうことだから」
横溝「うん、まあでもそういうことですよね」

ただしメディアの進化により、テレビは視聴率という記録だけでなく、視聴者の記憶に残ることも大事になってきた。その番組をどれだけ愛してくれたか、活用してくれたか、また、DVDを購入してくれたか。視聴率では計れない番組の価値にも注目していきたいと語る吉田さん。そのためには心に刻み込むような番組を作るのはもちろん、インターネットを味方につけることが重要だと付け加えていました。

コントの現状について語る吉田正樹

この番組を聞いたのは、今だからこそ、コントの現状についてどう考えているのかを吉田正樹さんの口から聞きたかったから。そうしたらジョー横溝さん、ちゃんと聞いてくれました!よく分かってらっしゃる。上から目線でごめんなさい。^^;

横溝「お笑いといいますか、コントに関しては、また考えているところは」
吉田「コントはね」
横溝「はい」
吉田「ん〜、しばらくは辛抱です」
横溝「辛抱ですか」
吉田「うん、だから、にわかにはね、結果は出ませんね」
横溝「うん」
吉田「って言うのは、コントってやっぱり、すごくふり幅・・・、なんですよね」
横溝「うん」
吉田「僕がその『笑う犬』前夜ってのは、本当にコントが死に絶えちゃった、志村けんさんしかやってなかった、まああと、SMAPがちょっとだけやってた」
横溝「はい」
吉田「そういう状況の中での、やっぱり旗の立て方ってのはすごい効果的だったんですけども、今は生殺しなんですよね」
横溝「うん」
吉田「死んでるんだか生きてるんだか分からない、つまりコント、ゾンビなんですよ」
横溝「うんうん」
吉田「動いてはいるんだけど、死んでんじゃねえかと、コントが果たすべき役割をあまり深く掘り下げないでやっちゃってるから、いやもちろん!ゾンビが生き返るかもしれないけれども、う〜ん、もうちょっと辛抱して、見極めた方がいいなとという風に、まあ思っておりますですね」

地上波ではウッチャンのいとこで、放送作家の内村宏幸さんが関わっているNHKの「サラリーマンNEO」と「祝女」が、なんとかスタジオコント番組を死守しているように思います。コントゾンビが生き返らずに死に絶えるときは、お笑い芸人さんの中にスタジオコントをやりたい!という欲求が無くなったときではないでしょうか。

吉田正樹さんがバトンを渡す必要性を語っていましたが、今はスタジオコントを作るというバトン(ノウハウ)を渡している最中なのかもしれません。とんでもない才能を持った若手芸人がそのバトンを受け取った瞬間、スタジオコントが再び光を帯び始める。そんな若手芸人の登場を私は夢見ています。
もちろん、ウッチャンナンチャンのコントも見たい!

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