笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

バースがなんで広島市民球場でホームラン打てるんだ

夏も終わり、夜風が涼しい秋です。テレビ界では怪談話の需要もすっかり無くなりました。
以前に「笑っていいとも」で、ダイノジ大谷さんが怪談話を披露していましたが、そのオファーは当時の「ヨシモト∞」でのトークがきっかけだったそうです。

怪談話はネタ話

「ヨシモト∞」ではフリートークするだけでいいのに、毎回、様々な企画を用意してきたダイノジ。そこで怪談話の企画もやったりして、元・号泣の島田秀平さんが「人志松本の○○な話」でした「13階段」の話も、このとき紹介していました。「彼から聞いた話なんですけど」と、ちゃんと前置きしてね。

でも、大谷さんは霊を一切信じないと断言。
怪談話で大事なのはよく出来ている話かどうか?つまり、「怪談話=作り話」であり、ネタとして出来が良いか悪いかが大事なんだ、と力説。加えて、もし本当だと信じると怖いから、という本音もポロリ。^^;
根本的にそう考えるようになったのは、尊敬する上岡龍太郎さんがきっかけだったそうです。

上岡龍太郎 話芸一代

上岡龍太郎 話芸一代

上岡龍太郎「まず広島行って来い」

大谷「俺ね、最近ね、芸能界の人たちがみんなね、ああいうの(霊的なもの)信じすぎててね」
おおち「うん」
大谷「上岡龍太郎さん以外いないでしょ、信じてないキャラは
おおち「まあまあ、上岡龍太郎さんは超有名な、そういうのダメですからね」
大谷「上岡龍太郎さんは、もう、ものすごいアンチなんですよ」
おおち「そうそう」
大谷「で、僕、上岡龍太郎さんにすごい憧れてて、昔」
おおち「うん」
大谷「上岡龍太郎さんはお母様が亡くなられた時に、祈祷師とかがいっぱい来て、へんな腐った水だとか飲まさせられて、どんどん体が悪くなっていってしまって、そっから、居ないと」
おおち「はい」
大谷「そういった霊的なものを言われたら、必ず『広島、行け』って言うんですよ、『広島、行って来い』と」
おおち「うん」
大谷「したら、どんだけ霊が見えたか報告しろと、あの日、一日で何十万人の人が死んだと、死にたくないのに死んでいった、『どんだけ霊が見えるか行ってこい、広島に』と」
おおち「うん」

バースがなんで広島市民球場でホームラン打てるんだ

大谷「『あとな』、必ず言うんですけど、『バースがなんで広島市民球場でホームラン打てるんだ』って言うんですよ」
おおち「ふっふっふっ」
大谷「これ、すごいなと思いません?」
おおち「はっはっはっはっ」
大谷「これちょっとピンと来ないですかね、バースって分かります?アメリカの助っ人なんですよ」
おおち「助っ人外人ね」
大谷「それが広島市民球場で、ばかばかホームラン打つんですよ、当時」
おおち「そう」
大谷「『それ、おかしいだろ』と」
おおち「うふっ」
大谷「『もし霊が居て、怨念があるんだったら、バースが打席に入った瞬間、しがみつくだろ』と」
(お客さん笑)
おおち「まず、金縛りになるだろうと、バースが」
大谷「それがあるからっていうことを言ってて、あぁ、その通りだな〜って思ったんですよね」
おおち「なるほどな〜」

ここでちょっと、おおちさんがバランスを取るために少し霊的なものを肯定する発言をしますが、それによりさらに熱くなる大谷さん。

人生なんか大した事ない

大谷「信じない!そんなの!子供たちにあるみたいな感じで言ってんのが、あいつら・・・、自殺すんのって全部そうじゃないですか、それが俺、すっごい嫌なんですよ!」
おおち「ほぉ」
大谷「なんか生まれ変わったら一緒になろう的な、もう一回生まれ変わったら人生良くなる的なこと言って、いくヤツ居るじゃないですか」
おおち「はいはいはい」
大谷「人生なんかみんな大した事ないと思いません?」
おおち「まあな」

ビートたけしがそのようなことを言っていて、とても共感を覚えたと大谷さんは他で話していました。
人生に期待するな、夢は叶うと思うな、自分を探しに旅に出ても見つからない、であるからこそ、今この場を一生懸命生きる、努力する。
そして、上岡さんやたけしさんのように言ってくれる人が今いない、としみじみと語る大谷さんの姿が印象深かったです。

引退―嫌われ者の美学

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