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笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

カンニング竹山によるオードリーブレイク後指南

この前の「アメトーーク」でやった「東京にハマってない芸人」。もう博多華丸・大吉が素晴らしかったです。
大阪にもハマってないということで、他の大阪の芸人による団体芸も「ただ慌ててただけ」と話す大吉さんが、最高すぎました。

「シャンプーおじさん」と呼ばれていたオードリー春日

その「アメトーーク」で雨上がり決死隊の宮迫さんが、東京の若手芸人がコインシャワーを節約するために家で頭を洗い始めて、コインシャワーに辿り着くときには流すだけの状態にし、シャワーの使用時間を短縮するというエピソードを披露していました。「これ、オードリーの春日じゃん!」と。小学生が、頭を洗いながら街を疾走する春日さんをいつも見るので、「シャンプーおじさん」というあだ名を付けられていたそうです。

そのあだ名が、オードリーの初冠番組であるラジオのタイトル「オードリーのシャンプーおじさん」として使われています。言い換えれば「オードリーの春日」って意味であり、若林さんはこのタイトルにかなり不満がある様子。以前このラジオに来たカンニング竹山さんが、オードリーにしたアドバイスがとても印象深かったので、今回紹介させて下さい。

カンニング竹山単独ライブ「放送禁止 2011」 [DVD]

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オードリーと境遇が似ていたカンニング

2009年5月5日放送の「オードリーのシャンプーおじさん」。

パーソナリティはオードリー(若林正恭・春日俊彰)。
ゲストはカンニング竹山。
「初めての挑戦」が番組のテーマとしてあるので、まずはお互い初めてテレビで漫才をしたときの話から。

若林「今日はちょっと、いろいろ僕らも相談したいこととかがあるんで」
竹山「俺でいいの?」
春日「はい」
若林「いろいろお聞きしたいと思うんですけども」
(若林「TOYOTA クルマニヨン PROJECT」の提供読み)
若林「竹山さんが初めてテレビで、漫才をやったっていうのは、いつ頃なんですか?」
竹山「俺ね、テレビで漫才やるまでに10年掛かっているの」
春日「えー! 10年でございますか」
若林「10年ですか」
竹山「10年経ってやっと……初めて」
春日・若林「(驚きの)はぁ~」
竹山「『虎の門』で」
若林「『虎の門』なんすか、やっぱり」
竹山「『虎の門』が朝5時までやっているバージョンがあって、それの朝4時ぐらいからネタコーナーがあったの、知ってます?」
春日「タイガーズゲート」
若林「タイガーズゲート、ありましたね」
竹山「あれが確かね、9年の途中か、10年ぐらい」
春日「あ~」
若林「僕らも去年の元旦初めて漫才やって、8年だったんですよ」
竹山「(驚いた様子で)8年掛かったの? オードリー」
若林「そうなんですよ」

前田健のアドバイスで辞めるのを踏みとどまったオードリー

若林「僕ら結構、マエケン(前田健)さんに、もう辞めようと思ったときに相談してて」
竹山「うん」
若林「よくマエケンさんは、カンニングさんの話をしてたんですよ、アドバイスとして」
竹山「はいはい」
若林「で、それがあの~、『大体8年・9年やってくると芸人っていうのは、ネガティブなヤツもどっかでネジが飛んで』」
竹山「うん」
若林「『はっちゃけちゃう時が来るから、そんときまでやれ』って言われて」
竹山「あ~、そう」
若林「そうなんですよ、で、僕ら『ビタミン寄席』に初めて出た時に、噂では聞いてたんですよ、カンニングさんがキレてると」
竹山「ふふふっ、中野の寄席でね」
春日「そうです、そうです」
若林「で、初めて見た時に、(笑いながら)めちゃくちゃキレてまして、もうあの、ケーブルテレビだけの放送ってのもあって、それ見て、『俺も早くネジ飛ばねえかな』と思って」
竹山「ははははっ」
若林「で、それで飛んで、春日が胸張りだしたり」
春日「もう自棄(ヤケ)になって」
若林「っていう感じなんですよね」

オードリーが売れなくても辞めなかった要因に、遅咲きの良い例としてカンニングが身近にいたことも大きかったんですね。

若いときはちゃんと笑いを取りたい

竹山「今さあ、いろいろテレビでさあ、ほら春日の昔の写真とかっていっぱい出るじゃん」
春日「出ますね」
竹山「俺は分かるもん、なんとなく」
春日「あはははっ」
竹山「試行錯誤して、最終的にもうこれでダメだったら辞めようと決めている」
春日「そうでございますね」
若林「これでダメだったら辞めようと決めるんですよね」
春日「勝算があってやってることじゃないんですよね、もう」
若林「僕らもサンミュージックの芸人さんに聞いたんですけど」
竹山「はい」
若林「もう昔は、デビュー当時は、竹山さんは結構かわいいキャラで」
竹山「そうそうそう」
若林「オーバーオール着て、漫才やってたっていう噂とか聞いた事あって」
竹山「普通の何の衝撃もない漫才ね」
(春日・若林爆笑)
若林「いや分かります、俺らもファミレスの店員とお客さんのちゃんと笑いを、ちゃんと笑い取りたい感じですもんね、若いときは」
竹山「そう、適当にはじめしゃべって、で、そっから漫才、コントへ」
若林「はい」
竹山「大概、持ちネタはタクシーか、ファミレスか」
若林「あはははっ、タクシー、ファミレス」
春日「ははははっ」
竹山「美容院やろうかって言うと、美容院はやっぱりね、さまぁ~ずさんの代表的なネタがあるから」
若林「あ~、そうですね」
竹山「これパクリになるだろうって、そんな安易な考えで」
若林「くふふふっ、ってか、タクシー、ファミレスやって、1年ぐらいするとまたファミレスに戻ったりしますよね」
竹山「大体同じような設定で」
若林「そうですよね」

そして話は今後のことへ。ブレイクしてテレビに出るようになった今、いつまでキャラを突き通せばいいのかカンニング竹山さんに相談します。

オードリーの小声トーク 六畳一間のトークライブ

オードリーの小声トーク 六畳一間のトークライブ

いつまでキレればいいのか、いつまで春日でいればいいのか

若林「僕らがちょっと聞きたいのは……どこらへんまで踏み込んでいいか分からないんですけども」
竹山「うん」
若林「春日が今ちょっと」
春日「ウィ」
若林「上から(目線)の……キャラクターというか、漫才がそうだったもんで」
竹山「ほうほうほう」
若林「こう、ひな壇とか行かせて貰っても、『上からの感じでお願いします』っていうのが」
竹山「はいはいはい」
若林「すごいあるんですよ」
竹山「ああ、アレでしょ? 上からをどこまで続ければいいのかとか、どこまで上から行けばいいのかって」
若林「そうです、そうです」
春日「そうでございますね」

自分が今ここのスタジオに居られる幸せ

竹山「上からは多分、僕ね、これも……勝俣さんにね」
若林「はい」
竹山「同じような悩みを俺持っていたわけよ、もう正直、そんな噛みつきたくないと」
若林「きゃはははっ!」
春日「キレることもないと」
竹山「キレることもないし」
(春日・若林爆笑)
竹山「なんで、先輩達に噛みつかなくちゃいけなんだと」
若林「はい」
竹山「こっちだって、ずっと何十年間もテレビ見てたんだと、で、テレビ見てて芸能人ばっかりで、そこにいきなり入れられるわけじゃない」
若林「そうですよね~」
春日「そうですね」
竹山「その芸能人に噛みつけって、嫌でたまんなかったわけ」
若林「もう会えて嬉しい、っていう心理状態のまま来ているわけですもんね」
竹山「そう、だって気持ちはさあ、テレビ見ている人はちょっと分かんないかもしれないけど、気持ちはさあ、自分が今ここのスタジオに居られる幸せ」
春日「あっ!」
若林「分かります」
春日「すっごい分かります」
竹山「本番前にピンマイク付けられる幸せ」
若林「あっ! 分かります」
春日「MCの人から春日と言われる幸せ」
若林「(共感の度合いが高まりすぎて春日にも敬語で)分かります、分かります」
春日「認識されているという幸せ」
若林「ほんと、8年、9年、10年テレビに出てないとそういうのあります、めっちゃくちゃ嬉しいですよね」
竹山「なのに、その場を荒らさなきゃいけないという」
(春日・若林爆笑)
竹山「それがすごく嫌だけど、でも自分の仕事はそれだってなるわけじゃん、それでテレビに出てる」
若林「そうですよね」

勝俣州和から「1年間はキャラを貫け」とアドバイスされたカンニング竹山

竹山「で、勝俣さんに同じような相談をしたときに」
若林「はい」
竹山「勝俣さんは、ちょうどテレビ出始めて、俺もオードリーぐらいの年齢だったから」
春日「ええ」
竹山「そしたらね、『1年ぐらいは夢中で噛みつけ』って言ったのよ」
春日「ほぉ」
若林「あっ、1年」
竹山「で、なんで1年かっていうと、1年その噛みつきキャラとかキレキャラでやってたら、視聴者の人は分かってくれてても、スタジオの中にいる芸能人が……芸能人っていっぱいいるじゃない?」
春日・若林「はい」
竹山「俳優から、女優から、お笑いから」
春日「はいはい」
竹山「芸能人が竹山のことを分かりだすと」
春日・若林「(唸る様に)はぁ~」
竹山「芸能人、意外にテレビ見てねえヤツいると、特にバラエティなんかは」
春日・若林「(唸る様に)おぉ~」
竹山「ゴールデンなんか見てねえと、家に居ねえから」
若林「はい」
竹山「だからそれが、大体1年ぐらいやり出すと、どっかで誰かと全員に1回会うから」
若林「はいはい」
竹山「オードリーってのはこういうヤツだなと、春日ってのはこういうタイプのキャラクターだと」
若林「はい」
竹山「分かりだして、それを認知してくれて、振ってくれたりすると」
若林「それが1年と」
竹山「大体ね、1年掛かったと勝俣さんの経験でも言ってた、あの人も噛みつきなのよ」
若林「そうですよね〜」
春日「あ~、そうでございますね」
竹山「あの人も『なんだよ! シャー!』って言うのよ」
若林「あ~」

こうやって自らの経験則をアドバイスして貰えるのって幸せですね。そうしてキャラクターを認知して貰ってから崩すと、またそこをイジってくれます。「竹山は最近キレなくなった」とか。

「オードリーの春日もあの風呂無しの部屋に住みつつ、トヨタのランドクルーザー、中でも一番高いやつに乗ってテレビ局に来たらいいじゃん、面白いじゃん」とアドバイスしてくれた竹山さん。ちゃんとスポンサーのことまで考えている。流石でした。