笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ドリアン助川「損か得かで人と付き合うな」

これは「叫ぶ詩人の会」のドリアン助川が、松村邦洋に対して放った言葉です。

松村邦洋「この人と付き合ったら得しますかね?」

ドリアン助川が放送作家をしていた頃の話。
「この人と付き合ったら得しますかね?」と松村邦洋が尋ねると、ドリアン助川は「損か得かで人と付き合うな!」と怒ったそうです。「松村邦洋のオールナイトニッポン」で紹介したエピソードと私は記憶していますが、かなり昔のことなので、細かい部分で違いがあるかもしれません。

「ロンドンハーツ」の芸人リアル好感度調査を見て

なんで私がこんな昔の話を思い出したのか?それは「ロンドンハーツ」の芸人リアル好感度調査を見たからです。

「生まれ変わりたくない芸人は?」というアンケートで、アンタッチャブル柴田が品川庄司の品川祐を挙げ、「芸人としては一流だけど、人として二流な感じ」と発言。ケンコバも品川と回答。すると、いつも品川と飲んでいる後輩の小島よしおが必死にフォロー。しかし、ぐだぐだでフォローになりません。
その小島よしおの姿を見て、品川が発した言葉が、

品川「俺、何のためにお前と毎晩飲んでいると思ってるんだよ!」

品川にとって小島よしおと毎晩飲むことは、何かしらの目的や見返りが存在しているのからなのでしょうか?一緒に居ると楽しいから、気が合うから。だから付き合っているの訳ではないのでしょうか?フォローしたにもかかわらず、そんなことを言われてしまった小島よしお。多分、その場をオトすためのツッコミに過ぎないと思いますが……

そうやってモヤモヤ考えていると、先ほどのドリアン助川の「損か得かで人と付き合うな!」という言葉が頭の中に降りてきたわけです。この言葉に松村邦洋は気付かされて、人との付き合い方を見つめ直すきっかけとなりました。私も、です。

哀川翔「約束は来た順」

余談になりますが、人付き合いに関しては、哀川翔の言葉「約束は来た順」も同じように私の心に響きました。

それから私は人との付き合いで、Aさんから誘いを受けて約束した後にBさんからも誘いが来た場合、両方を天秤にかけて損得勘定をして、Bさんのほうと判断したらAさんに断りの連絡を入れる。そういった付き合い方は絶対にしない、と心に決めました。上手い生き方じゃないかもしれませんが、そう心掛けて暮らしてきました。

目的を設定してそれに向かってあらゆる努力をする人は尊敬します。ただ私の完全な好みの問題になりますが、お笑い芸人に限って言えば、時代の流れを読み、ブログをやり、料理をやり、小説を書き、クイズ番組に出るため勉強し、ひな壇での振る舞いを身に付けて、オールマイティに上手く振舞うよりも、いくら時代と逆行してようとも「自分にはコントしか無いから」とスタジオコントにこだわり続け、そこに向かって努力をする。そんな不器用すぎるお笑い芸人のほうに、どうしても惹かれてしまう傾向があります。

ドリアン助川のマイケルジャクソン講座

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