笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

浅草キッド著「お笑い 男の星座」シリーズを読む

またお笑い番組の録画がどんどん溜まっていってる今日この頃。早く「イッテQ!」の丸太祭りが見たいです。
最近、家に居る時間が減って、電車で移動している時間が増えました。そんなときに友達から浅草キッドの本を薦められました。「お笑い 男の星座」シリーズです。

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座―芸能私闘編 (文春文庫)

お笑い 男の星座2 私情最強編 (文春文庫)

お笑い 男の星座2 私情最強編 (文春文庫)

私は電車での移動中、一気に読んでしまいました。

芸能界に潜入したルポライター、浅草キッド

「浅草橋ヤング洋品店」の裏話(宮路社長や坂本一世、江頭2:50)。浅草キッドが世に出すことに成功した鈴木その子。失敗したターザン山本。なにより彼らが愛するプロレスのことがとにかく熱く深く書かれていて、本当に面白かったです。今まで読んでいなかったことを後悔です。
「浅草橋ヤング洋品店」で、テリー伊藤の制作チームと吉本の制作チームでバチバチにやりあっていたという香ばしい話。噂で聞いていた爆笑問題とダウンタウンの土下座事件(この本がニュースソースだったんですね)。また、爆笑問題と浅草キッドの因縁もこの本で知りました。

お笑い好きのままでいたい

今まで、お笑い芸人が書いた本は積極的に読んで来ませんでした。読んだのは、初期の松本人志の本ぐらい。その理由は「お笑いとの距離感」を自分の中で良い感じに保っていたいから、というなんとなくの感覚があったからです。

お笑いの裏側までを深く知りすぎると、普通に笑えなくなるんじゃないかな?という怖さ的なものがありまして。大げさですけど。^^;
漫才を見たときに、このコンビはあのコンビの影響を受けているみたいだな、このネタはあのネタっぽい、もしくはパクリじゃねえか!とか、笑う前にそっちが先に来てしまうのが嫌だったんです。何も考えずに笑える素人的な部分も持ち続けたい、みたいな。
豊富な知識があれば、他の人には見えないものが見えてくる楽しみも承知していますが、そんな風に分析的にお笑いを見ている自分に気付いた時、自己嫌悪に陥ることもしばしばでした。

ただし、ブログでお笑いについて自分の気持ちを確認しならがら書いたり、浅草キッドの本を読んて裏側の深い味わいを知ると、それも別にいいんじゃないの?と心が軽くなっていくことに気付きます。今までの自分は、なんて変なこだわりを持って、なんて面倒くさい人間だったんだ、と。
一般の人から見たら「お笑いマニア」だけど、その世界に一歩入ったら「アイツは違う」と言われるぐらいがちょうどいいのかしれない、と今は思っていたりします。