笑いの飛距離

元・お笑い芸人のちょっとヒヒ話

ウッチャンナンチャンに手を差し伸べたビートたけしと松本人志

今回の「やりすぎコージー」都市伝説は、芸能界がテーマ。
萩本欽一、ビートたけし、高倉健、矢沢永吉など、大物がいかに大物であるかを実感させてくれる都市伝説が盛りだくさんでした。
中でも特に、千原ジュニアが語った明石家さんまの都市伝説がめちゃくちゃ男前すぎて、とても印象に残りました。

明石家さんま男前伝説

2008年10月20日放送の「やりすぎコージー」。芸能界都市伝説。

千原ジュニアがバイク事故で入院していたときの話。入院による長期休暇が影響して、千原兄弟はレギュラー番組が一切無くなってしまいました。退院して間もなく明石家さんまと出会った千原ジュニア。
さんまさんは「見舞いにいけなくて悪かったな、欲しいもん言えや、何でもやるわ〜」と言うので、ジュニアさんはシャレで「レギュラーが欲しいです」と返答。さんまさんは「何言うてんねん」と笑いながら去ってしまいました。

それからしばらくして、さんまさんはスタッフにお願いされていた深夜番組を突然やると言い出します。これまでは、レギュラーを増やしたくないという理由で全部断っていたのに。だだし、番組をやるには条件があると言います。その条件とは「千原兄弟をレギュラーにすること」でした。

微妙ではありますが、ビートたけしとウッチャンナンチャンの関係に似てると感じました。

ビートたけしと松本人志は信頼できる男

ウンナンは「やるやら」の事故が原因で、仕事が減ってしまいます。使う側も使いづらい状況にあったことでしょう。ファンの一人として寂しく感じていた当時、ビートたけしが自身の番組にウンナンを呼んでくれたのです。
おぼろげな記憶を辿りながらですが、3人は演芸場の舞台で活躍する芸人。たけしさんが師匠で、ウンナンが弟子という関係。楽屋で芸論をえらそうに語る師匠。ところが、いざ舞台に出ていって芸を披露すると超絶にスベって帰ってくる。そんなコントだったはずです。

楽しそうにコントする3人の姿を見て、私は涙が出そうになるほど嬉しかったです。ウンナンの置かれている状況を見て、番組に呼んだビートたけしの懐の深さは言葉に言い表すことが出来ません。一生この男について行こうと思わせるのに十分な出来事でした。

また、「やるやら」の事故でウンナンを悪者にする大人たちを、ダウンタウンの松本人志が、著書「遺書」の中で猛烈に批判しました。そして、ウンナンのことが心配で、わざわざ「笑っていいとも」の楽屋まで訪れたのです。

良いときに寄ってくる人間はゴロゴロ居ます。が、困っているときに手を差し伸べる人間こそ本当に信頼出来る「戦友」なのではないでしょうか。

「松本」の「遺書」 (朝日文庫)

「松本」の「遺書」 (朝日文庫)

最後は、志村けんにまつわる都市伝説。

志村けんがクイズ番組に出ない理由

志村けんは、クイズ番組に絶対出ないという都市伝説。その理由は、師と仰ぐ東八郎が「文化人になろうと思った段階でコメディアンの命は終わりだから、いつまでもバカやってればいいんだよ」という言葉を今でも守っているから。

この話を受けて、東八郎さんがウンナンに送ったアドバイスについて。
ウンナンがまだ駆け出しの若手だった頃、東八郎さんから「面白い人についていけばいいんだよ」という言葉をかけられます。この言葉を聞いて、ウンナンはとっても気持ちが楽になったそうです。

一匹狼的な振る舞いばかりが芸人としてのあるべき姿として捉えられがちですが、こういう手を差し伸べる繋がりも芸人らしい部分だと私は思います。