「型」をズラしていく人のほうが生き残れる
前回は『今田耕司「皆売れるとタレ目になってくる」』という記事を書きました。
これを書くきっかけとなったのが、文芸誌の『群像』に掲載されている連続対談「今夜、笑いの数を数えましょう」。いとうせいこうさんとバカリズムが笑いについて考察するトークイベントなのですが、そこで語られた「笑顔の重要性」に注目して、今田さんの持論へと繋げました。
実はもうひとつ、この対談を読んで考えさせられたテーマがあります。それは「狂気の線をどこに移動させるか」という問題です。程度の差はあれど、表現者なら誰もが抱く悩みなのかもしれません。
バカリズム「笑いが少なくても寒くなければいい」
2018年1月6日発売『群像 2018年2月号』(講談社)
聞き手は、いとうせいこう。
ゲストはバカリズム(升野英知)。
バカリズムがネタ作りで意識しているのは、「寒くないことをやるにはどうしたらいいか」。つまりスベりたくない。その姿勢は徹底していて、「笑いが少なくても寒くなければいい」とまで言うのです。